『アイ・アム まきもと』の初日舞台挨拶が9月30日(金)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、阿部サダヲ、満島ひかり、松下洸平、坪倉由幸、宮沢りえ、水田伸生監督が登壇した。

市役所の「おみおくり係」を務める<ちょっと迷惑な男>牧本壮。空気が読めない、人の話を聞かない、誰にも心を開かない。本作では、そんな牧本が孤独に亡くなった人を独自のルールに従いおみおくりしていく中、様々な人々と出会い、少し煙たがられながらも彼らの心に変化をもたらしていく。そしてそんな人々とふれ合う中で、牧本自身の無味な人生も徐々に彩られていく。牧本の“迷惑”がいつしか”無垢な気持ち”として、周囲と自らに影響を与えていくヒューマンストーリー。主人公・牧本壮役を、水田監督が手掛けてきた『舞妓Haaaan!!!』(07)、『なくもんか』(09)、『謝罪の王様』(13)に続き、今回4度目のタッグとなる阿部サダヲが演じる。牧本が出会う蕪木の娘・津森塔子役に満島ひかり。そして牧本の迷惑にまき込まれる人々に、國村隼、宮沢りえ、宇崎竜童、松下洸平、でんでん、松尾スズキ、坪倉由幸(我が家)と個性豊かな豪華キャストが集結。

初日を迎え、「2時に起きました」という水田監督だが、一方で主演の阿部は「12時に寝て8時に起きました」と明かし、笑いを誘った。舞台挨拶ではその阿部がMCに挑戦。早速満島に「僕と共演してどうでしたか?」と質問すると、「実態が見えない。どういう人かなと思っていたんですけど、お話してみるととても温かくて。一緒にいて楽しくて、やっぱりすごく好きな俳優さんでした」と称賛すると、思わず照れ笑いを浮かべる阿部。

続けて、松下に「次回僕と共演するとしたらどんな役柄がいいですか?」と早口で食い気味に質問すると「兄弟役とかどうですか?お芝居の時にタメ口で芝居できるのってなんだろうなと思ったら」と答えると「すごくいいですね。僕松下さんの肘の角度が好きで」と突然明かし、会場は笑いに包まれた。

また、「坪倉さんにとって“我が家”とは何ですか?」と質問すると、坪倉は「過去の栄光ですね…今もやってます(笑)変な質問しないでください」と返し、笑いを誘った。宮沢には「朝起きたら何をするんですか?」と聞く阿部、宮沢は「窓を開けてベランダに出ます」と返し、「主役が引っ張っていく現場の空気だと思うんですけど、本当に穏やかな現場でしたね。声を荒げる方が一人もいなくて、山形の風景と、癒されに行っていました」と撮影の日々を振り返った。

最後に阿部は「こういう温かい人たちに囲まれて牧本という人が生きているというのが感じられる映画です。人と人とのつながりが大事だなと思わせていただける温かくなる映画です。迷惑をかける男だと言っていますがそれがどういう迷惑だったのか、本当に迷惑だったのかを考えていただいて、今を生きるということは大切なことだなと感じます。楽しく見ていただいて」と本作をアピールしつつも、「さっきのMCがすごく後悔してるんです」と語り、笑いを誘った。

フォトセッション時にはくす玉割りが行われたが、中からはすでに鑑賞した観客からの感想が書かれた紙が舞い落ち、その中から阿部は「本当愛すべきキャラクター。あと8回は見ます」と読み上げたが、満島から「あと8回は見ますって書いてなかった(笑)」と明かされると、その紙を見た坪倉は「最後は『阿部サダヲさん、さすがです』って書いてあった。それをあえて読まずに(笑)」と阿部の照れ隠しだったことが判明し、会場は大きな拍手で包まれた。

【写真・文/編集部】

『アイ・アム まきもと』は全国で公開中!
監督:水田伸生
出演:阿部サダヲ、満島ひかり、宇崎竜童、松下洸平、でんでん、松尾スズキ、坪倉由幸(我が家)/宮沢りえ、國村隼
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©2022 映画『アイ・アム まきもと』製作委員会