イランで実際にあった売春婦連続殺人事件から着想を得て描いた衝撃作『Holy Spider(原題)』が2023年4月に公開されることが決定した。

イランの聖地アシャドで2000年から2001年にかけて16人もの犠牲者を出した“スパイダー・キラー”と呼ばれたサイード・ハナイによる売春婦連続殺人事件に基づき描かれた本作。2022年の第75回カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞したほか、セビリア・ヨーロピアン映画祭主演女優賞、ストックホルム映画祭主演男優賞・作品賞を受賞するなど、世界中の映画祭を席巻。監督を務めたのは、第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞し、同年のアカデミー賞スウェーデン代表に選出された『ボーダー 二つの世界』(18)でスリリングなファンタジーの世界を描き、映画界の注目を一気に集めたイラン出身デンマーク、スウェーデンで活躍する鬼才アリ・アッバシ。実際に起きた事件から着想を得た本作は、本年度アカデミー賞のデンマーク代表に選出されている。

主演の女性ジャーナリストを演じたザーラ・アミール・エブラヒミは、イランで女優として活躍していたが、2008年フランスへ亡命、その後はフランスの映像業界で活躍し、2017年フランス国籍を取得後、意欲的に映画に出演。その類まれなる演技力を認められた本作では、主演のみなならず、キャスティング・ディレクター、アシスタント・プロデューサーも兼任している。海外での映画評でも「鋭く、不穏、そして、心奪われる」(Observer)、「信じられないほど恐ろしい」(Toronto Star)、「ぞっとする」(Daily Telegraph(UK))と不穏な恐怖を描いた本作への評価は高い。

ストーリー

2001年、イラン。女性ジャーナリストのラヒミは、聖地マシュハドを震撼させている売春婦連続殺人事件を追うために現地に赴く。犠牲者が増え続けるなか、なぜか警察は捜査に消極的だった。性差別がまかり通る社会で、ラヒミは不条理な圧力と身の危険を感じながら、真相の追求にのめり込んでいく。そして遂に犯人にたどり着くが、意外にもその男は敬虔で家庭的な男だった。「社会の浄化」と信じて犯行を重ねていたその男・サイードは、熱狂的な一部の市民から英雄視されていく…。

『Holy Spider(原題)』は2023年4月より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開!
監督:アリ・アッバシ
出演:メフディ・バジェスタニ、ザーラ・アミール・エブラヒミ
配給:ギャガ
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