アカデミー賞に2度輝いた名優ショーン・ペン監督最新作『フラッグ・デイ 父を想う日』で初めて自身の監督作に出演したショーン・ペンのインタビュー映像が解禁された。

大好きな父親が、実は犯罪者だったという衝撃の実話を映画化した本作。原作はジャーナリストのジェニファー・ヴォーゲルが2005年に発表した回顧録「Film-Flam Man: The True Story Of My Father‘s Counterfeit Life」。『ミスティック・リバー』『ミルク』で主演俳優としてアカデミー賞を受賞し、監督作『イントゥ・ザ・ワイルド』がアカデミー賞2部門にノミネートされたショーン・ペンが、構想15年をかけて監督・主演を果たした。自身の監督作に出演したのは本作が初。ショーンが演じるジョンの娘ジェニファーには彼の実娘であるディラン・ペン。ディランが本作の脚本を初めて読んだのは15歳の時で、父からの15年間にも及ぶ説得に応じて出演を決意。ヒーローのような父への憧れがその実像を知ることで反抗心へと変わり、もがきながらも自立した結果、弱さや矛盾に満ちた父への愛情を深めてゆく娘を多彩な感情表現で見事に演じきった。

本作との出会いは、ショーンが好きな俳優のひとりで付き合いの長いアカデミー賞俳優マーク・ライランス(『ブリッジ・オブ・スパイ』など)の勧めで脚本を読んだことだという。“すぐにピンと来た”と振り返るショーンは、監督として最初に抱くビジョンについて「僕が映画を作る場合、最初にイメージが浮かんで脚本を書くか書かれた脚本を読んでイメージを作るかどちらかだ。必ずまずイメージが浮かぶ。そのイメージは大抵全体像なんだ。景色だったり凝縮されたようなイメージだ」と、これまでの作品について語る。しかし、本作で浮かんできたのは、本作で主人公ジェニファーを演じた実娘ディランの顔だったという。

続けて、「この映画を作るのであれば、ジェニファーは彼女の顔でなければならないと思った。彼女が聞いていることが本当でもウソでも、それは見ていて美しいと思った」と語る。ショーンは、ディランがまだ15歳の時に脚本を見せ出演を打診したが、同時に彼女にはジェニファーを演じる準備がまだできていないことも理解しており、いつか彼女が承諾してくれることを”望んでいた”というのだ。

「どのように出会ったとしてもこの映画には関わってきたと思う」と振り返るショーンは、当初は監督のみ担当するつもりで自身がジョンを演じるという選択肢は全くなかったというが、プロデューサーの強い押しもあり出演を決意。「仕方なく引き受けてこの映画に出演した。でも引き受けて本当によかったと思ってる。いつも、同じ映画の中で監督と主演を担う人に驚いてたし、自分がそうするなんて今まで考えたこともなかったよ。予想してた通り、力を全て吸い取られた感じで、またやるかと言われたら微妙だよ(笑)」と語る。ほかにも、本作にはストーリーを代弁する印象的な楽曲が多く登場するが、物語における音楽の役割、自身が演じたジョン・ヴォーゲルについてなど熱く語っている。

インタビュー映像

『フラッグ・デイ 父を想う日』は全国で公開中!
監督:ショーン・ペン
出演:ディラン・ペン、ショーン・ペン
配給:ショウゲート
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