帝劇2023年2月公演舞台『キングダム』に壤晴彦の出演が発表され、併せて稽古場写真が公開された。

時は紀元前、春秋戦国時代―。未だ一度も統一されたことのない苛烈な戦乱の中にある中国を舞台に戦災孤児の少年・信とその玉座を追われ、のちの始皇帝となる若き王・嬴政。2人の少年が時代の荒波にもまれながらも、友との約束のために、そして己の夢のために史上初の中華統一を目指す大人気コミック『キングダム』。2006年に「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載が始まり、既刊65巻の累計発行部数は9200万部を突破。現在、TVアニメ第4シリーズも放送中。2019年4月には待望の実写版映画が公開されると山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、長澤まさみ、大沢たかお等豪華俳優陣、そして原作の再現度と高いエンターテイメント性が評価され、2022年7月には『キングダム2 遥かなる大地へ』が公開された。そして、2023年2月、帝国劇場で初の舞台化が実現する。

中華統一を夢見る少年、信役の三浦宏規・高野洸、嬴政漂役の小関裕太・牧島輝、王騎役の山口祐一郎をはじめ、各ジャンルからの多彩なキャストが集結する本作。王騎が、「中華の唯一の王」となる夢を口にした政の姿に重ねたのが、約5年間、戦争に明け暮れ中華に夢を追い求め、秦の戦神として名高い「昭王」。政にとっての曽祖父にあたる。その「昭王」を、演劇界のレジェンドで帝劇とも縁の深い俳優・壤晴彦が演じることが発表された。

舞台『キングダム』では死期の迫る昭王(壤)が、昭王に忠を尽くす王騎(山口)に対して中華への熱き夢を語る――。劇団四季在籍時の先輩後輩にあたる壤と山口にどこか重なるような、演劇ファンにとっては奇跡の邂逅といえる名場面が用意されている。2人の共演は約35年ぶりとのこと。昭王の夢は、政の思いにも重なります。舞台全編に強い印象を残す役。壤晴彦は、昭王と竭氏(王弟・成蟜と共に政に対して謀反を起こす)の二役を演じる。稽古は12月からスタートしている。

壤晴彦(昭王/竭氏)コメント

僕は先輩・後輩を問わず「いい!」と思う人には常に敬意を感じます。劇団四季では大先輩の日下武史さん、同期の鹿賀丈史、そして後輩の山口祐一郎君がそうでしたね。
俳優としての演技に"清潔感がある"というのが共通項でしょうか?
彼が抜擢された『オンディーヌ』では水界の王の僕と彼のハンスはやりとりがなかった。彼とは『ジーザス・クライスト・スーパースター』でイエスとピラトで歌の応酬をしたのみ‥今回初めて台詞を交わす事になります。
それもこんなに壮大な物語の中で‥昭王と王騎としては信頼と敬意を。竭氏としては不穏な腹の探り合い‥ゾクゾクしますね。楽しみです。

山口祐一郎(王騎)コメント

壤晴彦さんへキングダム稽古場でお姿を拝見したとき、突然、1970年代後半にタイムスリップしました。私が研究生で朝の掃除を終えテラスで水を飲もうとすると、そこには既に、ケーツーさん(劇団では麦草平さんだったのですが、みなさん本名のケーツーさんと呼んでいらした)が、木洩れ日の中でベンチに腰掛け台本を読んでいらっしゃる。「あっ、麦さん(心はケーツーさんでした)」「・・・」「あっ、お邪魔してすみません。あっ、おはようございます。私、17期山口祐一郎と申します」「嗚呼、君か。次のジーザス。頑張れよ」と白い歯を見せた。格好良いなケーツーさん、と思った。後年、ジロドゥーの『オンディーヌ』のハンスに抜擢されたとき、壤さんがぼくのチューター(個人指導教師)に専任された。そのとき演出家が呟いた。「ホントは、ケーツーみたいに出来る奴が演じるべきなんだけどなぁ」(その通りだよな)とぼくも素直に得心していた。だって、壤さんが紡ぎ出す科白には誰もが感動するのだから。壤さん。2023年、不肖な弟子との共演。どうぞよろしくお願いいたします。

三浦宏規(信)コメント

現在稽古真っ只中ですが、とてつもないパワーを持つ作品になると確信しています。
信じられないほどの運動量の舞台ですが、この稽古場は熱気に満ち溢れていて、笑いも絶えず、とてもいい環境でお稽古をさせていただいています。

そして壤晴彦さんの出演も発表になりました。
読み合わせの時、壤さんの第一声を聞いた瞬間に稽古場の誰もがその重厚感のあるお声に、心と耳が震えたと思います。
目の前で毎日お芝居を見させていただけることが本当に幸せです。
自分も出演していますが、キャストの皆様があまりにも凄すぎて、もはや見に行くのを楽しみにしている時もあるほどです(笑)

舞台『キングダム』ますます盛り上がってまいりました。
さて明日からは本番と同じセットでのお稽古です。
ワクワクが止まりません

高野洸(信)コメント

信役に追いついていくのがやっとな中、壤さん・山口さんのお芝居と存在感を目にする度に気が引き締まります。最新の稽古状況については、殺陣も全てつきましたが本当にかっこいいです。本物の軍と比べると人の数はもちろん劣りますが、目の前に中華の戦場が広がっています。そしてどれも派手でリアルです。初日までの残り時間を大事に、やれることをやりきります!

山田和也(演出)コメント

舞台『キングダム』の稽古は今まさに佳境です。ここ数日は2幕のクライマックス場面に取り組んでいるのですが……主要キャストの殆どが入り乱れることになるので、演出家なのに目が幾つあっても足りません。そんな『キングダム』の世界に壤晴彦さんをお迎えすることになりました。数々の話題作に出演されていらした壤さんですが、私は特にミュージカル『レディ、ビー・グッド!』の壤さんが大好きでした。ご一緒できるのは最高の喜びです。

舞台『キングダム』
公演日:
2023年2月5日(日)~2月27日(月)東京・帝国劇場
3月 大阪・梅田芸術劇場メインホール
4月 福岡・博多座
5月 北海道・札幌文化芸術劇場hitaru

キャスト:
信 三浦宏規/高野洸
嬴政・漂 小関裕太/牧島輝
河了貂 川島海荷/華優希
楊端和 梅澤美波(乃木坂46)/美弥るりか
壁 有澤樟太郎/梶裕貴
成蟜 鈴木大河(IMPACTors/ジャニーズJr.)/神里優希
左慈 早乙女友貴
バジオウ 元木聖也
紫夏 朴璐美/石川由依
昌文君 小西遼生
王騎 山口祐一郎
 作品公式サイト
©原泰久/集英社