主演・横浜流星×監督・藤井道人が現代日本の縮図を描いた異色のサスペンス・エンタテインメント『ヴィレッジ』の故・河村光庸プロデューサーの軌跡を辿ったスペシャル映像と、オフショットが解禁された。

本作は、「村」という閉ざされた世界を舞台に、そこで生きる人々のきれいごとだけでは生きていけないリアルな姿を、圧倒的な映像美と世界観で描き、同調圧力、格差社会、貧困、そして道を誤ったら這い上がることが困難な社会構造の歪みといった現代日本が抱える闇をあぶり出す異色のサスペンス・エンタテインメント。監督を務めるのは話題作を手掛ける藤井道人監督。主人公の優を演じるのは横浜流星。どこにも居場所を見つけられずに生きてきた青年が、自分とこの世界をつなぐ唯一の希望を守るためダークサイドに転じる姿をリアルに体現し、黒木華、古田新太、中村獅童をはじめとした豪華出演陣との共演で、“今までに観たことない横浜流星”として新境地を魅せる。

2022年6月に惜しくも世を去ったスターサンズ代表の河村光庸。彼は、2008年に映画会社スターサンズを設立して以降、社会性と娯楽性を併せ持った独自の企画力で、世に一石を投じる作品群を送り出してきた。『あゝ、荒野』(17/岸善幸監督)、『宮本から君へ』(19/真利子哲也監督)、『新聞記者』(19/藤井道人監督)、『MOTHER マザー』(20/大森立嗣監督)、『ヤクザと家族 The Family』(21/藤井道人監督)、『パンケーキを毒見する』(21/内山雄人監督)、『空白』(21/田恵輔監督)など、彼がプロデュースを手掛けてきた数々の作品は、常に大きな話題をさらい、『新聞記者』では第43回日本アカデミー賞®️で作品賞など主要3部門を含む全6部門制覇、プロデューサーとして新藤兼人賞も受賞。一方でスクリーンの外でも『宮本から君へ』では国を相手に表現の自由を求めて訴訟を起こすなど、映画の制作だけでなく、映画業界や映画ファンのために、権力に対して声を出すことを恐れない、日本映画界に変革を巻き起こしてきたプロデューサーだった。

映画ファンからも絶大な支持を得る中で、映画会社スターサンズは、しばしば日本の《A24》(エッジの効いたラインナップで知られるアメリカのインディペンデント系プロダクション兼配給会社)とも目されるようになっていく。その勢いは近年ますます強くなっていき、ここ数年、スターサンズ作品が日本の映画賞で話題に上がらない年はない。

今回解禁されたスペシャル映像では、これまでのスターサンズの歴史を振り返りながら、スタッフ、キャスト、作品へと、その“熱き心”が受け継がれていく様子が映し出されていく。河村プロデューサーの持つ映画への深く熱い愛情と、現代社会を映し出すメッセージが込められた作品群はひとつひとつ屹立した企画性と特徴がある。そして、そこに見え隠れする「映画こそ自由であるべきだ」というプロデューサーの意志。それが根底にあるからこそ、人々の魂を揺さぶる作品が誕生してきたのがわかる。彼が日本映画にもたらしたものの大きさを感じざるを得ない、心を打つ映像となっている。

その河村プロデューサーが、最期に映画づくりの遺伝子を託した一人が、自らが『新聞記者』(19)の監督に抜擢し日本映画界の寵児となった藤井道人監督だ。河村プロデューサーがクランクアップを見届けた最後の作品、映画『ヴィレッジ』。その始まりは、河村プロデューサーから藤井監督ヘのヘルプコールだったそう。河村プロデューサーが藤井監督を呼ぶのは企画が行き詰まってピンチに陥ったとき。『新聞記者』(19)も『ヤクザと家族 The Family』(21)のときもそうで、河村プロデューサーにとってはまさに最強の助っ人であり、藤井監督もまた、それをチャンスに変えて自分の力に還元してきた。

藤井監督は「河村さんは感覚的なところも多いので、脚本づくりは常に難航するんですけど、そのたびに『頼むよ~俺はもう先が長くないんだから~』という技を使ってきて。その言い方はずるいよと思いながらも、わかりましたと(笑)今回も河村さんがやりたいことをヒアリングしながら脚本に落とし込んでいきました」と企画のスタート秘話を明かしており、映画『ヴィレッジ』は、文字通り、彼の遺志を継ぎ、その遺伝子を継承してきた藤井監督と、同じく、河村プロデューサーの想いを繋ぎ続けてきたスターサンズの制作チームがタッグを組んで世に贈りだす作品だ。

映画『ヴィレッジ』は、夜霧が幻想的なとある「村」を舞台に、どこにも居場所を見つけられずに生きてきた青年・優が、唯一の希望を見出していく“光”と、同調圧力、格差社会、若者の貧困、社会構造の歪みといった現代日本が抱える“闇”をあぶり出したサスペンス・エンタテインメント。圧倒的映像美と世界観で若者のリアルを描き出しており、主人公の優を演じるのは、人気・実力を兼ね備え、出演作が相次ぐ横浜流星。若手時代から互いに切磋琢磨してきた藤井監督との6度目のタッグとなる本作で満を持して長編の主演を務めた。さらに黒木華、古田新太、中村獅童をはじめとした豪華出演陣との共演で“今までに観たことない横浜流星”として新境地を魅せている。

そんな本作の撮影現場には河村プロデューサーも精力的に顔を出しており、藤井監督、主演の横浜流星らと笑顔で写真に収まる貴重なオフショットも到着した。河村プロデューサーは、本作の撮影終了を見届けた後、本編の完成を観ることなく2022年6月11日にこの世を去った。彼の意志と遺伝子を受け継いできた藤井監督、制作チーム、キャスト陣、全ての想いが託された映画『ヴィレッジ』はスクリーンを通し、観る者の心に一体何を語りかけてくるのか―。

スペシャル映像

『ヴィレッジ』は2023年4月21日(金)より全国で公開
監督・脚本:藤井道人
出演:横浜流星、黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、作間龍斗、淵上泰史、戸田昌宏、矢島健一/杉本哲太、西田尚美、木野花、中村獅童、古田新太
配給:KADOKAWA/スターサンズ
©2023「ヴィレッジ」製作委員会