『連続ドラマW フェンス』の完成披露試写会が3月16日(木)に都内で行われ、松岡茉優、宮本エリアナ、脚本家の野木亜紀子が登壇した。

本作で描かれるのは、2022年に本土復帰50年を迎え、今も世界最大規模の米軍基地を抱える沖縄の現在。W主演を務めるのは映画『勝手にふるえてろ』(17)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞、『万引き家族』(18)で同賞の優秀助演女優賞を獲得するなど、確かな演技力で圧倒的な存在感を放つ、WOWOW初主演の松岡茉優と、アフリカ系アメリカにルーツを持ち、2015年にミックスとして初めてミス・ユニバース日本代表に選出され、差別や偏見を無くすための活動を続ける、WOWOW初登場にして初主演の宮本エリアナ。松岡演じる東京から来た雑誌ライター“キー”と宮本演じる沖縄で生まれ育ったブラックミックス“桜”がバディとなり、ある性的暴行事件の真相を追う、日本のドラマ史上初となる肌の色の違う女性バディがW主人公の連続ドラマ。

本作のオファーを受けて、「これは逃げてはいけないなとご縁を感じた。責任を持ってこの役と向き合いたいと思いました」と振り返った松岡は「その時は本がなかったら、題材をお届けする責任もあると思いました」と出演への思いを語った。一方でバディを組む宮本は「嬉しいのはもちろんですけど不安が大きくて。私は長崎出身なので方言が大丈夫かなと」と明かし、「自分を演じようと思った。若い時の記憶を思い出して、こういうことがあったなというのを思い出しながら演じた」と語った。

脚本を担当した野木は、以前にドラマで組んだプロデューサーからの提案がきっかけだったようで、ドラマ化にあたって「勉強しないと書けないものなので」と悩みもあったという。一方で実際にドラマを作りにあたっては、WOWOWで沖縄出身のプロデューサーがいたことで「これ以上ない。やらないといけないんじゃないか」と思ったという。

「初めて会ったのはオーディション」という松岡は、初対面の宮本に「まっすぐな瞳とまっすぐな心に打ち抜かれて」と印象を語った。そのオーディションに参加した宮本は、松岡と演じて見て「安心して任せられる」と感じたという。

また、宮本について「オーディションの時に、姿勢もいいし、物を置くときもエレガント。体に染みついた動きだと思う」と表現した野木。これに宮本は「姿勢が美しすぎると怒られました(笑)」と明かした。一方で、撮影では「ずっと沖縄にいる桜にしか見えなかった。すごいナチュラルにお芝居をされていた」と称賛した。

本作に出演したことで、松岡は「『沖縄の問題ではなくて日本の問題です』というセリフがあって」と自身の演じた役のセリフを挙げ、「自分ごととして捉えるということは生活をする上でどれだけ大切だろうと思って。沖縄が背負っている問題で沖縄の問題ではない。ちゃんとみんなで考えていかなければいけないんだと、自分ごとに捉えるきっかけになったら、そういう気持ちの変化が生まれたら嬉しいと思った」と語った。宮本は「日本人って何だろうと感じてもらえると思う。何が日本人なのか、見た目の問題なのかというところと、愛って何だろうと。自分の気持ちも再確認できるかなと思う。何回もいろんな視点で観て欲しい」と語った。

また、松岡は「野木さんが書いてくれたセリフを覚えて出すのが俳優の仕事だけど、彼女(宮本)の心のまっすぐさと、まず信じる素直さが、お芝居ってうまいへたじゃないなと改めて思うきっかけになった」と宮本との共演について思いを明かした。

【写真・文/編集部】

『連続ドラマW フェンス』(全5話)は2023年3月19日(日)22時よりWOWOWで放送・配信開始!
監督:松本佳奈
出演:松岡茉優、宮本エリアナ/青木崇高、與那城奨(JO1)、比嘉奈菜子、佐久本宝、ド・ランクザン望、松田るか、ニッキー/新垣結衣(特別出演)/Reina、ダンテ・カーヴァー、志ぃさー、吉田妙子、光石研