『宇宙人のあいつ』の完成披露上映会が4月11日(火)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、中村倫也、伊藤沙莉、日村勇紀(バナナマン)、柄本時生、飯塚健監督が登壇した。

23年間も、真田家の四兄妹の次男・日出男として家族になりすましてきた宇宙人が、地球を離れるまでの残された三日間の中で、人間としてやり残したことに奮闘する物語。《家族になりたかった男》が織りなすエイリアンコメディが誕生した。主演の中村倫也が演じるのは、真田家四兄妹の次男・日出男として家族になりすましてきた訳アリな宇宙人。しっかり者の長女・想乃役を伊藤沙莉、真田家の親代わりの長男・夢二役をお笑いコンビ・バナナマンの日村勇紀、頼りない三男・詩文役を柄本時生が演じる。飯塚健が監督・脚本を手掛ける完全オリジナル作品。

舞台挨拶の冒頭で、「結婚おめでとう」と祝福され、笑顔を見せた中村。劇中では宇宙人になりすますキャラクターということだが、役作りについて「(普段は)ゆかりの地に行ってとやっていたんです。今回も土星に行きまして。遠かったですね。7時間くらいはかかりました…」と淡々と語りつつ「特に何もしてないです」と笑いを誘った。

和気あいあいとしたムードのキャスト陣について「最高のメンバー」と話す日村は「こんな兄弟がいたら最高だなというメンバーでした」と称賛し、「こんなに仲良くなれる人が50になってからできると思わなかった」と興奮気味に語った。さらに「(中村が)結婚したってなったらグループLINEが動いたもんね!」と明かし、柄本は「ご飯会をうちでしました。日村さんが『おもしろハウスじゃないか』って(笑)」と仲睦まじい様子を明かした。

そんなキャストたちに対して「いい4人だなと改めて思います」と話す飯塚監督。中村は「十何年前からバナナマンライブを見ていてスーパー憧れの人なんです。設楽さんも日村さんも、いつかお芝居で共演したいというのはありまして、日村さんのプレイヤーとしての能力の凄まじさは知っていたので。(映画が)終わるときには『夢二最高』ってなってると思う」と振り返った。日村は「まさか倫也くんの世界に呼んでもらえるとは夢にも思わなかったので緊張しました。声がいいとか、芝居すると近寄るから肌がきれいだとか。今まで友達の感覚では知りえなかった中村倫也が見れる」と語った。

また、宇宙人という設定から“誰と宇宙に行く?”という質問に「監督」と答えた中村は「どうせ行くなら何か撮りたい。『宇宙に行ったあいつ』」と回答。「日村さん」と答えた柄本は「なんでも興味を持ってくれる。僕が行ったとして何も考えていないとしても話しかけてくれるんじゃないかと」と期待した。

一方でその柄本を指名した伊藤は「落ち着くし、ずいぶん長らく接しさせてもらってるから気張らず宇宙行ってぼーっと旅できそう」と理由を語った。その伊藤がいいという日村は「こんな大女優が全然気を使わせない。人の心にスッと入ってこれる」と大絶賛した。これに中村は「ちょっと待って、主演が誰にも選ばれてない。誰か気を使えるだろう」とコメントし、笑いを誘った。

さらに“宇宙人はいると思う?”と聞かれると「います」と即答した中村は「すげーあるんですよ星」と理由を語り、“会ってみたい?”と聞かれると「別に…地球好きだし」と答え、笑いを誘った。

最後に中村は「なんて言えばいいんでしょうっていう映画なんです。でも描かれているのはある宇宙人が来たことによる、おもしろおかしいノリ(笑)と人と人のつながりとか家族の絆が描かれています。この3年くらいで人とのつながりを考え直したタイミングがあったんじゃないかと思うので、思わぬうちにじんわりし見てくる映画になっていればいいなと思います」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『宇宙人のあいつ』は2023年5月19日(金)より全国で公開
監督・脚本:飯塚健
出演:中村倫也、伊藤沙莉、日村勇紀(バナナマン)、柄本時生
関めぐみ、千野珠琴、細田善彦、平田貴之、山中聡
井上和香、設楽統、山里亮太
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©映画「宇宙人のあいつ」製作委員会
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