菊地凛子主演×熊切和嘉監督『658km、陽子の旅』の予告編、メインビジュアル、場面写真が解禁された。

本作は、父の訃報を受け東京から青森県弘前市の実家までヒッチハイクをすることになった陽子が、東京―福島―宮城―岩手―弘前をたどる旅の中で出会う人々とのトラブルやあたたかい交流を通して、後悔を抱え孤立した心を癒していく一夜のロードムービー。他人との密な関係を作らず生きることのできる現代、人との関わり方に苦しみ模索する陽子の姿は観る者の心を痛いほど揺さぶるだろう。監督を務めるのは、『#マンホール』(23)で第73回ベルリン国際映画祭ベルリナーレ・スペシャル部門に正式招待され国内外で注目を浴びる熊切和嘉。主演は、『バベル』(2006)や『パシフィック・リム』シリーズ等で国際的に活躍し、本作が邦画単独主演となる俳優・菊地凛子。

今回、本作の予告編、メインビジュアル、場面写真が解禁された。父の出棺まであと12時間―。主人公・陽子は東京から青森まで、20年以上会うことのなかった父との別れのために故郷を目指す。ヒッチハイクで見ず知らずの人の助けで車に乗せてもらったり、自ら歩いたりと、一夜の出会いと別れを紡ぎながら寒空の東北を歩んでいく姿が様々に映し出される。「自分には何もないんだって。」と、吐露するセリフに、半ば人生を諦めて生きてきた陽子の想いと、孤独がにじみ出す胸に迫る映像に仕上がっている。

併せて、"Wilco/A ghost is born"のプロデューサーとしてグラミー賞を受賞する世界的ミュージシャンのジム・オルークとマルチな演奏家として国内外で活躍し、映画『ドライブ・マイ・カー』の音楽を手掛けた石橋英子によるエンディングテーマ「Nothing As」の楽曲も解禁。歩みを進める陽子を、石橋の優しく透き通る歌声が導く幻想的な楽曲となっている。

また、本作のメインビジュアル写真の撮影を務めたのは、90年代から写真家として活躍し木村伊兵衛賞をはじめ多数を受賞、現在はフェミニズムの論客としても知られる長島有里枝。早朝の荒れる海を前に呆然と遥か遠くを見つめる菊地凛子演じる“陽子”の諦めとも希望ともつかない姿を見事に切り取り、美しく印象的な本ビジュアルが完成した。

予告編

『658km、陽子の旅』は2023年7月28日(金)よりユーロスペース、テアトル新宿ほか全国で順次公開
監督:熊切和嘉
出演:菊地凛子/竹原ピストル、黒沢あすか、見上愛、浜野謙太/仁村紗和、篠原篤、吉澤健、風吹ジュン/オダギリジョー
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©2023「658km、陽子の旅」製作委員会