獅子舞競技に魅せられた少年達の熱き物語―アニメ映画『雄獅少年/ライオン少年』の本編冒頭映像が解禁された。

孫海鵬(ソン・ハイポン)監督による中国のCGアニメーション映画である本作。1世紀ごろ後漢時代の中国大陸が発祥とされ、現在では中国国家級無形文化遺産にも指定されている伝統芸能・獅子舞をモチーフに、獅子舞の演武に挑む少年たちを描く。2021年12月に中国で公開され、興行収入は2.49億元(約50億円)、動員638万人にも及ぶ大ヒット。中国内の映画レビューサイトでは、日本での大ヒットも記憶に新しいアニメ映画『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』の8.0点を上回る8.3点を記録した。日本では「電影祭」にて2022年に『雄獅少年 少年とそらに舞う獅子』として日本語字幕版が上映され、多くの観客が熱狂。大きな反響を呼び、日本語吹き替え版が全国公開されることとなった。

今回解禁された冒頭映像は、街中から主人公・チュン(花江夏)が自転車を乗りながらなにやらご機嫌にどこかへ向かうシーンから始まる。向かった先は獅子舞競技が行われている会場だ。チュンはスイカの皮を獅子舞の頭に見立て最前列で真似をしているが、見るからに強そうな地元の黒い獅子舞チームに注意されてしまう。そこで埋め合わせをしろとおじいちゃんにもらったお年玉を奪られたところで風を切るように現れるのが正体不明の赤い獅子舞だ。颯爽とお年玉を取り返すと取れるものなら取ってみろと競技場のてっぺんにチュンのお年玉を置き、黒い獅子舞と赤い獅子舞の一騎打ちが始まる。

途中で爆竹が発火し、爆竹の弾ける音と中国の伝統音楽が融合し手に汗握る緊迫した戦いを見ることができる。赤い獅子舞がバトルの末お年玉を獲得し、上から落ちてきて着地するほんの一瞬目が合った赤い獅子頭は、なんと少女だった。地元の獅子舞チームはチュンと赤い獅子舞を追いかけ、ふたりは街中を自転車で駆け抜け丘へ到着する。お互いに名前を名乗るとなんと少女の名前は偶然にも同じチュン。彼女が獅子舞をチュンに託す 運命的な出会いのシーンで今回の映像は幕を閉じる。どこを切り取っても美しい風景が印象的だが、なんといっても獅子舞バトルが繰り広げられるシーンが圧巻だ。ひとつひとつの動作はダイナミックだが、繊細に描かれており、息を飲んでしまうような本作の特徴が垣間見える特別なシーンである。

そして二人が美しい丘の上で会話する場面もチュンが獅子舞の道へ導かれる重要なシーンとなっている。華麗な獅子舞バトルを披露し、獅子舞競技会の優勝経験者である少女チュンが放つ「聞こえない?心の吠える声が。あなたに向かって叫んでる。もうひ弱な子猫とバカにされるな」という言葉で、チュンもハッとさせられ、ここから運命が動き始める。日本人は獅子舞に対し馴染みがない人が大多数だと思うが、今回の映像を見れば必ず興味が湧くはずだ。そして想像を超えるハイクオリティな映像と感動の物語をぜひ劇場で体感していただきたい。

本編冒頭映像

また、ひと足先に本作を鑑賞したアニメ関係者と各界著名人からコメントが到着した。

伊藤智彦(『劇場版ソードアート・オンライン ~オーディナル・スケール~』『HELLO WORLD』監督)

才能無い!血縁無い!転生しない!
それでも見られる夢がある!令和のスポコンここにあり!!

幾原邦彦(アニメーション監督)

圧倒された。
街の光と影、仲間との出会い、そのコントラストが素晴らしい。
好きを忘れなければ、何度でもやり直せる、取り戻せる。
少年と獅子が一体になったとき、息を止め、奇跡を祈った。
忘れていた気持ちを思い出させてくれる胸熱の一作!

今泉賢一(TVアニメ「キングダム」第3・4シリーズ監督ほか)

カンフー映画や少林サッカーが大好きだった自分は3Dアニメーションだという事を忘れて見入ってしまいました。
アクションやカメラワークも迫力ある中国独特の風合いの素晴らしいエンターテイメント作品です。

入江泰浩(アニメーション監督(「ヒーラー・ガール」、Netflixオリジナルアニメシリーズ「エデン」など))

最高にかっこいい獅子舞と少年少女、そして大人たち。なんて美しい映画だろう。世界の理不尽に打ちのめされても、誇りを捨てずに立ち向かう姿に涙する。そして歯を食いしばり、もぎ取る奇跡。魂が熱くなる事を止められない。皆、観てください。最高だから!

天神英貴(イラストレーター/メカデザイナー/声優)

アジアンフルCG映画エンタメの革新が今ここに。
想像力を超えるような美しさと、壁を越えようとする純粋な情熱に打ち震えた。
そして太鼓を叩きたくなったのは私だけ?!

工藤昌史(TVアニメ「BLEACH 千年血戦篇」キャラクターデザイン・総作画監督ほか)

笑いありアクションあり、友情、師弟愛、そして修行シーンに流れる歌曲!見たい要素がてんこ盛り。最後までグイグイ引き込まれました!カンフー映画でしばしば見られる獅子舞ですが、競技としての獅子舞は面白い題材で、獅子舞版ベストキッドという印象。これほどの良質な作品を作ることができる中国アニメーション業界は、今とても活気のある状態なのでしょう。メイキングを見てみたい作品です。

熊江琉衣(モデル・タレント(中国四川省出身))

伝統的な中華文化『獅子舞』を鮮やかなアニメーションで魅せてくれた映画。
観終わった頃には、自分が今頑張ってること、かつて諦めてしまったことをもう一度頑張ろうと思いました。
カンフー好きな人は絶対好き!

東京ホテイソン ショーゴ(お笑い芸人)

中国のアニメーションがものすごく進化を遂げていることは耳にしていましたがこんなにも凄いのかと衝撃でした。
アニメの世界の住む人の背景や、街並み、音楽がしっかりとしていて拘りにすごく熱意を感じました。

朴性厚(アニメーション監督(TVアニメ『呪術廻戦』、『劇場版 呪術廻戦 0』など)/E&H Production代表)

フィルムの中で脈打つ生命の鼓動。
どこを切り取ってもセンス溢れる画。
丁寧に大胆に魂を揺さぶってくる

MTJJ(中国アニメ「羅小黒戦記」監督)

好看~(いい映画です)

『雄獅少年/ライオン少年』は2023年5月26日(金)より全国で公開
監督:孫海鵬(ソン・ハイポン)
日本語吹き替え版声優:花江夏樹、桜田ひより、山口勝平、落合福嗣、山寺宏一、甲斐田裕子
配給:ギャガ、泰閣映畫、面白映画、Open Culture Entertainment
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