観る者を生への希望で照らし出す珠玉のヒューマンドラマ―映画『渇水』の本編映像が解禁された。

第70回文學界新人賞受賞、第103回芥川賞候補となり注目を浴びた河林満による「渇水」を映画監督・白石和彌の初プロデュースにより刊行から30年の時を経て映画化した本作。監督は、相米慎二、市川準、阪本順治、森田芳光、宮藤官九郎ら錚々たる監督作品で助監督としてキャリアを重ねた髙橋正弥。主演は生田斗真。水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回る業務に就く水道局員の主人公・岩切俊作が、心の渇きにもがきながらも“生の希望”を取り戻していくという難しい役どころを体現している。

今回解禁された本編映像は、生田斗真演じる主人公・岩切と、磯村勇斗演じる木田拓次の二人が、水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回るワンシーンを切り取っている。「街中カラッカラだっていうのに、その上水道を閉めちゃうなんて、俺ら悪者というか弱い者いじめというか」と仕事の不満を口にする木田。2年目にもかかわらず仕事に慣れない木田に「俺だって好きでやってるわけじゃない。けど、嫌いでもない」と、どこか人生を諦めたような一言を発する岩切。さらに木田は、太陽も空気も無料であることから、「水だって本当はタダでいいんじゃないんですかね?」と、核心をつく一言を発する。そんな木田の一言も軽くあしらうように見えた岩切だったが…。

先日行われた完成披露イベントでも、このシーンが印象的だったと磯村が話したように、停水という一種の残酷性をもった仕事をする岩切と木田だが、そんな2人の“水”に対する考えや、仕事観が明らかとなるこのシーン。ここから、幼い姉妹に出会うことで心の渇きと向き合うこととなる岩切。そして、岩切が起こした行動がきっかけで木田自身の心にも変化が訪れることとなる―。

本編映像

『渇水』は全国で公開中
監督:髙橋正弥
出演:生田斗真
門脇麦、磯村勇斗
山﨑七海、柚穂/宮藤官九郎/宮世琉弥、吉澤健、池田成志
篠原篤、柴田理恵、森下能幸、田中要次、大鶴義丹
尾野真千子
配給:KADOKAWA
©2022『渇水』製作委員会