『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』の配信直前イベントが6月5日(月)に都内で行われ、イ・ジェハン監督、山下智久、新木優子、山本舞香、山口紗弥加が登壇した。

本作は次第に目が見えなくなる病を患った漫画家と、それを支える生まれつき聴覚障害を持つ女性の切なくも温かい愛に溢れたラブストーリー。主演を務めるのは約6年ぶりに王道ラブストーリー作品を演じる山下智久。山下は次第に目が見えなくなる病を患った漫画家を演じ、彼を支える生まれつき聴覚障害を持つヒロインを新木優子が演じる。監督を務めるのはラブストーリーの金字塔『私の頭の中の消しゴム』を手掛けた恋愛映画の名手イ・ジェハン。日韓のトップクリエイターと俳優陣で挑む。

視覚障害を発症する漫画家を演じるにあたって「絶望を表現することも大事だと思った」と話す山下は「彼が存在するその瞬間だけではなく、裏の裏も意識して」と撮影を振り返った。本作では主題歌も担当する山下だが「非常に光栄なことだと思っています。プレッシャーもあったんですけど、『SEE HEAR LOVE』の遺伝子を受け継いだ楽曲なので、そこに携われたのをうれしく思います」と語った。

劇中では手話を使う新木は「すべてが初めての経験」といい、「手話がしっかりと身についている、普段から言葉として使っている。(観る人が)なるべく自然に違和感を抱かないように、一つ一つのニュアンスとか、細かいところも手話の先生と話して。大変でもあったんですけどやりがいもあって達成感もあった」と振り返った。また、ピアノの演奏シーンもあるが「小学生の頃にちょっと弾いていたくらいの経験しかなかったので、1曲弾いてほしいと聞いてビックリして(笑)」と明かし、「毎日2時間以上かかさず練習してなんとか作品で披露できるくらいになった」と半年にわたって練習したことを明かした。

本作で5年ぶりの共演という山下と新木だが、「今回は近くで共演させていただいて、まっすぐ時間を費やして役を作ってくださる努力家な部分が強く見えたので、リスペクトを抱いた」と新木の印象を語る山下は、さらに新木がいることで「場が和んだ」という。一方の新木は「(以前の共演時には)まだまだ新人な気持ちだったので、同じ視点に立ってお芝居をする日が来るなんてと光栄でした。山下さんが変わらずそこにいてくださった。みんな助けられてたと思うし、私も助けられていた」と、山下の現場での佇まいについて明かした。

その撮影は冬の寒い時期に行われたといい、「温かくておいしいものを食べていた」と話す新木は「ご飯の時間になると笑顔でご飯を食べていた」と振り返った。また、山本は「山下さんがラーメンの差し入れを入れてくださったり、いろんなケータリングの差し入れを入れてくださって、すごいおいしかった」と明かした。

「毎日ひとつ韓国語を覚えてるといろんな人に話しかけて、現場を温めてくれたので、観ていて元気になったのと、思いは言葉にならなくても伝わるんだなと感じた」と明かす山口。荒木は「ちょっとずつ言いたいことを言えるようになれたらうれしいなと挑戦していました」と照れ笑いを浮かべた。これにイ・ジェハン監督は「(韓国語で)『お腹空いた』と一番おっしゃっていた」と明かし、会場は笑いに包まれた。その空気感について、山下は「言葉の壁を越えて、いいものを作りたいという結束力が生まれた現場だったのでいい経験をさせていただきました。日々学びが多かった現場でした」と振り返った。

「最初に監督とお話したときに、一つの作品が撮影に入るまでプロセスがありますし、完成を迎えて観ていただくまでいろんな奇跡が重なって出来上がるものだとお話をされていて。監督自身も『あと何本映画に携われるか分からないから、この作品を今までの作品で一番にしたい』とおっしゃっていただいて。監督に情熱を分けていただいたような気持があったので、現場全体に熱が伝わっていて。そういう現場に通えたことは大きな経験になりました」と語り、新木は「いいものを作って人に届けたいという気持ちが同じレベルまで現場のみんなが保てていたからこそ、言葉の壁とか、普段とは違うこともたくさんあって、思い返せば大変なこともあるけどそれ以上に通じ合えるし、繋がれると実感しました。生きてきた中で初めての感覚を体験できて楽しかったし、これから俳優を続けていくうえで大切にしていきたいものをたくさんこの作品からもらった」と振り返った。

「山下さんは演技が繊細で、手の先まで演技が行われていることに驚かされました。新木さんは溢れるエネルギーに驚かされました。泣いて泣いて、さらに泣いて。山口さんはこの映画のコメディな部分と真剣な部分を演技のトーンで分けてくださっているので、全体を把握してくださっていると感じました。山本さんは例えるなら指揮者とバイオリニストの関係だったと思う。ほんのちょっと手を動かすだけで受け止めてくれて表現してくれる、いいアンサンブルが生まれた」と称賛した。

最後に山下は「魂という言葉が出てきます。僕たちの中の中にある魂みたいなもの、ここでだれかを愛すという、熱くて深くて情熱的な作品に仕上がっていると思います。改めて僕はこの作品を観て、自分の中に備わっていた情熱を呼び起こしてくれた作品になっています。大切な人に連絡したくなるような作品です」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』は2023年6月9日(金)よりPrime Videoで独占配信
監督・脚本:イ・ジェハン
出演:山下智久、新木優子/高杉真宙、山本舞香/深水元基、渡辺大(友情出演)、加藤雅也(友情出演)、菅原大吉/山口紗弥加、夏木マリ
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