“名探偵ポアロ”シリーズ最新作『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』の本編映像が解禁された。

“ミステリーの女王”の異名を持つアガサ・クリスティが生涯を通して書き続け、今なお全世界で愛される“名探偵ポアロ”シリーズ。1969年に発表された『ハロウィーン・パーティ』を原作に、舞台をイギリスから第二次世界大戦後のハロウィーンを迎えた不気味なベネチアに移した本作。一線を退き、ベネチアで流浪の日々を送るポアロは、朽ち果てた大邸宅で行われる降霊会にいやいやながら参加することに。そこで来賓の1人が殺害され、ポアロは影と秘密をはらんだ邪悪な世界へと足を踏み入れてしまう─。

今回解禁された本編映像は、“亡霊は存在しない”と言うポアロと、“死者の声を話せる”霊能者レイノルズという正反対の2人が“舌戦”を繰り広げる重い緊張感のあるシーン。亡霊が存在しない理由を熱弁するポアロだったが、その最中に“ありえないタイミング”で屋敷のシャンデリアが崩れ落ち、“超常現象”の存在を認めざるを得ない(!?)、ポアロさえ怯んでしまうシーンとなっている。

事件の舞台はミステリアスで美しい水上の迷宮都市ベネチア。流浪の日々を送るポアロ(ケネス・ブラナー)は、ハロウィーンの夜、霊能者レイノルズ(ミシェル・ヨー)の“超常現象”を見破るため、子供の亡霊が出現するという屋敷での降霊会に参加する事に。そこで様々な超常現象が起こり、招待客が人間には不可能と思われる方法で殺害される…。解禁された映像は、世にも恐ろしい殺人事件が起こる間際の、ポアロとレイノルズが初めて相まみえるシーン。“亡霊は存在しない”と主張するポアロは、真逆の思想のレイノルズに対し、「あなたのような人に興味はない」「弱い者を食い物にしている」と言い放つ。しかしレイノルズも負けずに「魂は永遠だと信じないのね」と、ポアロの顔を見ることすらせず冷静に応戦。

ポアロは「亡霊がいるなら魂がある、魂があるなら神がいる、神がいるなら意味秩序正義がある。しかし私は多くの犯罪と2つの戦争を見た。人の無関心による“悪”をね。だから言える。神も亡霊も、彼らと話す霊媒師もいない…」と、反論の仕様がないほど聡明にまくしたてる。この舌戦はポアロに分があると思われた次の瞬間、巨大なシャンデリアが轟音とともに“ありえないタイミング”で落下…。ポアロは言葉が出ず立ち尽くす一方、レイノルズは“こんなことは起きて当然”と言わんばかりの冷静な表情で、「何のお話でした?」と話を続ける――。これまで華麗な推理力で真相を解き明かしてきた“世界一の名探偵”さえも追い詰める状況下で挑むのは、“人間”による殺人事件か?それとも“亡霊”による超常現象か…。

本編映像

クリスティの隠れた名作「ハロウィーン・パーティ」を基に描く本作。“ミステリーの女王”を敬愛するミステリー界の実力者たちも本作へ期待を寄せている。「犯人に告ぐ」「検察側の罪人」「望み」等の代表作で知られる作家・雫井脩介は「クリスティの作品は真相が明かされるときの緊張感がたまりません。いよいよというところでは、うっかり犯人の名が目に入らないように栞で先を隠しながら読んでいました。真相に一番衝撃を受けたのは少年時代に読んだ「アクロイド殺人事件」で、忘れられない読書体験です。」と熱を込める。

映画化・アニメ化もされた「僕だけがいない街」を代表作に持つ漫画家・三部けいは「クリスティー作品との最初の出会いは映画「オリエント急行殺人事件」でした。そのトリックや犯行の動機、ポアロの手腕に衝撃を受けて、すぐにクリスティー作品を買うため書店に走りました(笑)。個人的には「ナイルに死す」が好きです。犯人の、大胆で緻密なトリックと心理的なミス。その現場にポアロが存在する事で悲劇的なドラマが成立する構造。自分が作品を作る上で今も教科書的な作品ばかりです。」と敬意を表した。

オール讀物推理小説新人賞を受賞した「池袋ウエストゲートパーク」で知られる作家・石田衣良もお気に入りの作品に、「ABC殺人事件」を挙げ、「アルファベット順に殺される3人の被害者。容疑者のセールスマンが逮捕され落着するが、ポアロは真犯人の存在を確信する。無理のないきれいな推理で明かされる真実と殺人の動機が見事。」そして「なによりクリスティの作品では、探偵も犯人も揺るぎない常識人で、サイコパスなどでなく穏やかな大人であるのが、古風で魅力的です。」と作風についてコメントを寄せている。

『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』は2023年9月15日(金)より全国で公開
監督:ケネス・ブラナー
出演:ケネス・ブラナー、ミシェル・ヨー、ティナ・フェイ、ジェイミー・ドーナン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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