アイドルを夢見たひとりの少女の物語を描くアニメーション映画『トラペジウム』の公開記念舞台挨拶が5月11日(土)に新宿バルト9で行われ、高山一実、結川あさき、羊宮妃那、上田麗奈、相川遥花、木全翔也(JO1)、篠原正寛監督が登壇した。

原作「トラペジウム」は、自分の力で仲間を集め、アイドルを目指す高校生・東ゆうの物語。2016年から雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載を開始し、2018年には単行本化された高山一実による青春小説。現役トップアイドルが描くリアルな描写、そして共感度の高い内容で累計30万部を売り上げている。原作者である高山一実がシナリオ制作など映画制作に深く関わり、彼女でなければ描けないテーマ「アイドルが放つ輝き」とは何なのか?「アイドル」とは何なのか?という“想い”をさらに追い求め、CloverWorksのスタッフとともにアニメーション映画化。全国の映画館でアイドルを目指す少女の10年間を描いた青春物語が幕を開ける。

今回の舞台挨拶には、本作の原作者・高山一実をはじめ、東の星・東ゆう役の結川あさき、西の星・大河くるみ役の羊宮妃那、南の星・華鳥蘭子役の上田麗奈、北の星・亀井美嘉役の相川遥花ら東西南北を演じたキャストが勢揃いし、さらに工藤真司役の木全翔也、篠原正寛監督が登壇した。

役柄の衣装に寄せて登場した木全は、冒頭で「普段、JO1で木全翔也を演じている工藤真司です」と挨拶し、笑いを誘った。公開を迎え、「書き始めが8年くらい前で当時は必死で。こんなに大きなものにつながるとは思っていなかったので、当時の自分はこんな未来を知ったらびっくりしていると思います」といい、キャスト陣については「とてもかわいくてキラキラしていらっしゃって、今日いろんな感情が巡っているんですけど、この感情を何かの作品に昇華させたいと思えるような貴重な経験をアニメ化でさせていただきました」と感慨深げな様子を見せた。

その過程では「とにかく勉強になりました」という高山は「小説を書いたのも初めてだったんですけど、アニメ制作とかこういう感じなんだとか、たくさんの方と関わるとこいうことが生まれるんだなと」と語った。そんな中でも「オープニングソングが好き」という高山は「小説ではないアニメならではだなと」と答え、さらに「みなさんがすごくかわいく歌っていらっしゃるシーンがあるのでそのシーンもすごく好き。真司の登場シーンの顔がなんとも言えない顔をしてる」とおすすめポイントを挙げた。

結川は、自身が演じるゆうについて「自分の思いが強いので一見身勝手に見えたり、周りのことが見えなくなってしまったり、少し嫌な子に見える部分があるかもしれないけど、アイドルを目指す気持ちは本物で。叶えるためだけに行動している。初めから最後までゆうは変わらないので、どうかゆうを嫌いにならないで、温かい目で応援するように見てもらえたら」と魅力を語った。

羊宮は「好きなものに目を輝かせていたり。あと食べるの好きなのかなと思うようなことがあったりする」と笑いつつ、「みんなそれぞれ一生懸命もがきながら、アイドルがどういうことなのか考えながら歩んでいるところを見て元気をもらったり、私もがんばろうと思った」と本作の魅力を交えて語った。

上田は「作中では強烈なキャラクターと言われていたりするんですけど、お蝶夫人に憧れていて立ち振る舞いだったり言葉選びだったろ、お蝶夫人が大好き、なりたいが詰まっていて個性的。天真爛漫で華やかで。こんなに強烈なキャラくだーだけど、間に立って潤滑油になろうとする場面もあって」とさまざまな面を持っているという。

相川は「優しい中にも考えることが多いのかなと思って、自分の頭の中で考えることがパンクしてしまって感情豊かになるシーンも多いので、どう感じてこの言葉を放ったんだろうと考えながら見てもらえたらうれしい」という。

木全は「一見なよなよして頼りない感じが出ているんですけどすごい優しくて頼りになる男」といい、本作を見て「成長している真司を見て涙目になって。作品自体も涙が出るくらい感動したので楽しんでもらえたら」と語った。

さらにイベントの終盤では、翌日の“母の日”にちなんで、本作の原作者で、アニメ映画化にあたって脚本や音楽に携わった“生みの親”とも言える高山に代表して結川からカーネーションの花束がプレゼントされた。花束を受け取った高山は「みなさんそれぞれキャラクターの事を思ってくださる気持ちがうれしい。思っていただけるだけでうれしいのに、『このキャラクターってこうだと思うです』と言ってくださることが『なんで分かってくれるの!?私もそういうキャラクターにしたいと思っていたんだよ』というくらい。性格も優しいみなさんにお集まりいただいて、プロフェッショナルなご職業なんだなと感動して、いい出会いに感謝です。恐縮です」と感謝の気持ちを語った。

最後に高山は「人と人のつながりが好きなんですけど言葉にするのは難しいと思っていて。小説もそんなことを思いながら描きました。コミュニケーションの難しさとか人間同士のぶつかり合いとか、いろんな思いがこもっています。感じ方は自由です。少しでもみなさんの生活にスパイスを与えられたらうれしいです」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『トラペジウム』は全国で公開中
監督:篠原正寛
声の出演:結川あさき、羊宮妃那、上田麗奈、相川遥花、木全翔也(JO1)、久保ユリカ、木野日菜、内村光良
配給:アニプレックス
©2024「トラペジウム」製作委員会