『帰ってきた あぶない刑事』の大ヒット御礼舞台挨拶が6月5日(水)に丸の内TOEIで行われ、舘ひろし、柴田恭兵が登壇した。

1986年のテレビドラマ放映開始から38年―。数多くの社会現象を巻き起こし、ドラマ&映画史上において「伝説」を作った「あぶない刑事」。軽妙なトークと激しいアクション、他の刑事ドラマとは一線を画すオリジナルな世界観で数多くのファンを魅了し愛され続けてきた「あぶデカ」が2016年の「さらば あぶない刑事」から、8年の時を経てスクリーンに復活する。主演は舘ひろしと柴田恭兵。「さらば」から月日が経っても健在のダンディさとセクシーさで、未だ色あせない「あぶデカ」の世界観を見せつける。さらに浅野温子、仲村トオルといったお馴染みのメンバーに加え、ヒロインに土屋太鳳を迎え、ド派手にスタイリッシュにパワーアップした“あぶ刑事”が令和に蘇る。

舘と柴田が「あぶない刑事」デザインのオリジナル缶を手に、「乾杯!」の発声から始まった今回の舞台挨拶。先日行われた始球式では、ナイスピッチングを見せていた柴田は「ストライクゾーンに投げたほうが受けるからコントロール重視で」と明かすと、舘も「いい球でしたね。投げる前に『舘さんどこにいってもストライクって言ってくださいね』って。でも本当にいい球でした」と振り返り、笑いを誘った。

2人のプライベートなシーンも描かれている本作だが「((本シリーズは)タカとユージのプライベートは絶対に見せないというコンセプトで始まった」という舘だが「今回はそれもいいんじゃないかなと、そんなことでこんなことになりました」と明かした。舘は「私のイメージとしては暮らしている部屋はもうちょっと古いアパートというか、ちょっときれいすぎたかなというのはあるんですけどあれはあれでいいかな」とコメント。また、劇中で着用するニットについて舘は「初めて娘と2人っきりで話すシーンだったのでいつもと違う感じにしたいと思って。スタイリストがいっぱい持ってきて、それに決めました」と明かした。

一方で柴田は「僕のイメージとしては、タカとユージが一緒に住んだらユージが世話を焼くだろうと。タカは神経質なところがあって綺麗好きで。食器洗いは2人でしようと」とイメージがあったという。

2月に行われた初号で一緒に観たという2人だが「映画が終わって舘さんと目が合ったんです。ニコッと笑って頷いたんです」と明かす柴田だが、その際は「いいんじゃないですか。でも、そう思っているのは70過ぎたおじいさんの感覚なんです(笑)果たしてこれが届くだろうかと若干不安でした」と不安もあったというが、ヒットしたことで「今はホッとしています」と安堵の表情を浮かべた。一方で舘は「僕は前回で終わったと思っていたんです。でももう一回恭さまと一緒にできるということで、恭さまと2人だったらおもしろいだろうと。ただ本を作る段階では何回も作り直しました」と本作に自信を見せていた。

また、舘は「『あぶない刑事』は恭さまだと思うんです。僕は1作目、38年前から、僕がやっていることは土台だと思って、『あぶない刑事』のフォーマットはその上に建てた建物。恭さまが『あぶない刑事』だと思っています」といい、柴田は「舘さんの懐の広さ、優しさに助けられて。舘さんでなかったらこんなふうにできなかったと思いますし、とても素敵な出会いだったと思います」とコメント。舘は「この2人の出会いは奇跡だと思います」と感慨深げな様子を見せた。

1作目から38年が経ったことで「走るのがしんどいかな。ジャンプ飛べるのかなと」と笑う舘。柴田は「舘さんができるようになったことは、台本を読んでくること」と答えると、会場は笑いと拍手に包まれ、舘は「なんで拍手するの(笑)」と話しつつ「38年前は、毎日撮影があるじゃないですか。遊ぶのに忙しくて台本を読む暇がなくて、自分の台詞だけ読んで現場に行くんです」と振り返り、柴田は「犯人と見ればすぐ撃とうとするんですよ」と明かし、会場は笑いに包まれた。

また、銃を構えるポーズについては「(左手を)どうすればいいか分からない(笑)」と苦渋の末に出来上がったという。一方で両手で構える柴田は「いっぱい撃ちたかったんです。手当たり次第に数打てば当たる」と2人のキャラクターの性格の違いも垣間見えた。

さらにお互いのかっこよさについて、「『あぶない刑事』を作ったのは恭さまだと思うし、軽快なアドリブ、軽快な動き、これは本当に(ほかに出来るのは)誰もいないです。本当に素晴らしい:」と絶賛する舘。柴田は「舘さんは優しいんです。今回の映画でもバイクを挟んで(土屋)太鳳ちゃんと舘さんが。その時の舘さんの温かい、娘を見守るような表情は、今までの『あぶない刑事』では見せていない。そこが一番根っこの舘さんなんです」と語った。

“2人って愛し合ってるの?”というセリフにちなんで、お互いの愛しているポイントを聞かれると舘は「どこってことはないです。僕の俳優人生の中で恭さまに会えて、『あぶない刑事』という作品ができて、これは奇跡だと思っています。本当に感謝しています」と感謝を伝え、柴田は「優しさとわがままさに振り回されて、ずっと付き合ってきました。大好きです」と語った。

舞台挨拶の最後には、「38年間ありがとうございました。『あぶない刑事』単独の映画としては興行成績記録を更新しています。何度も見ていただいて、もっと成績を上げたいと思っています」と笑いを誘いながら挨拶した舘、柴田は「『帰ってきた あぶない刑事』ですが、帰ってこさせてもらって本当に感謝しています。みなさんの応援のおかげで、こんなに長く『あぶ刑事』をやってくることができました。心から感謝しています」とメッセージを送った。

ここで舞台挨拶が終わると思いきやや、突然ステージ上の電話が鳴り始め、柴田が電話に出るとなにやら事件が起きた様子。最後に「じゃあ行こう、ユージ」「OK、タカ」と2人のやり取りで締めくくり、大歓声に包まれた中で舞台挨拶が終了した。

【写真・文/編集部】

『帰ってきた あぶない刑事』は2024年5月24日(金)より全国で公開
監督:原廣利
出演:舘ひろし、浅野温子、仲村トオル、柴田恭兵
 土屋太鳳
 西野七瀬、早乙女太一、深水元基
 ベンガル、長谷部香苗、鈴木康介、小越勇輝/杉本哲太
 岸谷五朗/吉瀬美智子
配給:東映
©2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会