幕張メッセで開催中の「東京コミコン2024」にて12月7日(土)に行われた 映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』スペシャル・プレゼンテーションに、津田健次郎、神山健治監督、フィリッパ・ボウエン(製作)、ジョセフ・チョウ(製作)が登壇した。

2016年12月に第1回の開催から毎年、海外の有名俳優や著名アーティストとのコミュニケーション、映画で使用されたプロップ(小道具)の展示・撮影、コスプレイヤー同士の交流の場などを設けている「東京コミコン」。昨年12月に開催された「東京コミコン2023」でも数多くのコミコンファンが駆けつけ、過去最高の来場者数を記録した。今年は12月6日(金)~12月8日(日)に千葉・幕張メッセで開催される。

騎士の国ローハンは偉大なるヘルム王に護られていた。しかし突然の攻撃を受け、王国の平和が壊されていく。すべての運命は、一人の若き王女ヘラに託された!最大の敵はかつて共に育ったヘラの幼馴染ウルフ。果たしてヘラは、国の民の未来を救えるのか!? “あの指輪”をめぐる壮大な冒険へと繋がる、まだ誰も知らない伝説の戦いの幕が開ける―。

「ロード・オブ・ザ・リング」実写3部作の脚本も手掛けたフィリッパは、長編アニメーション映画として本作をつくることになり、「素晴らしい監督が必要だった」ということで、ジョセフらが見つけ出したのが神山監督だったという。そのジョセフは、神山監督について「まとめて言うと天才」と賛辞を贈った。その神山監督は「ジョセフから話を聞いたときは、『ロード・オブ・ザ・リング』が大好きだったし、こういった規模の映画で監督できるということは、内心は踊りだしたいくらいうれしかった」と振り返りつつ、「でも、これをアニメーションで監督するって、作り上げるのかがどれだけ大変かも分かっていたので、顔にはその喜びは出さずに、すごく難しいねと言った覚えがあります」と当時の心境を語った。

制作にあたっては「何千頭の馬が出てくると。アニメーションで騎馬の合戦を映像化したことはないと思う。アニメでこれを作るのは正直不可能なんじゃないかと思って」と感じたという神山監督は「素敵な話なんだけど、作れないものを受けても無理だと」という思いがあったという。しかし、そんな中でも「ただ絶対に受けるべきだし、日本のアニメを作っている人たちを代表してでも受けるべき仕事だと思ったので、ここまで培ってきたデジタルの技術を使えば、もしかしたらできるのかなと思って」と振り返り、「最終的には手書きのアニメーションにするんですけどいろいろ使えばできるんじゃないかと思って。モーションキャプチャーも使ったし、3DCGも使いつつ。3年間で3回監督をした気分。でもすごい楽しいチャレンジでした」と明かした。

その苦労の末に完成した本作を鑑賞した津田は「早く見たいと思っていたんですけど、実際見るとすごいですね。疲れが吹っ飛びました。飽きることなくずっと画面にくぎ付けの状態で、面白く最後まで見られて。いい作品に出演させていただいたと思いました」と絶賛した。

この壮大な物語については「古典の良さが詰まっていて。でも現代を生きる僕たちも共感できる」という津田は「スピード感をもって最後まで走りぬけてくれる。台本も一気に読ませていただきました」明かした。その津田が演じるウルフについては「主人公ヘラの敵役になっていくんですけど、ただの悪役ではない、見た感じはワイルドでたくましいんですけど、ちょっと弱さをはらんでいる。結構弱い、欠落した男なんです。出てくる登場人物の中でもっとも人間臭い男。欠落した部分がとても魅力的」と紹介した。また、「嫌われながらも愛されるキャラクターになるじゃないか」と自信を見せた。

ここでフィリッパから津田に質問。「ヘラのことは心から愛していたと思いますか?」というと、津田は「僕の解釈では愛と思います」とコメントし、フィリッパは笑顔で返した。また、津田の起用について、ジョセフは「嫌われながら愛されるキャラクターを演じるのは総簡単じゃない。津田さんの名前しか上がってこなくて。でも津田さん忙しいからねと(笑)」と明かし、津田は「素敵な役をありがとうございます。めちゃくちゃうれしいです」と感謝を伝えた。

また、「これほどのスケールの作品を監督するのは初めて」と話す神山監督は「リアルな力強い映像ができています。サウンドエフェクト、音楽、本当に素晴らしいものになっています。これが映画なんだなと作っている自分でも驚くくらい。クオリティと作り手たちの情熱が反映された素晴らしい映画です」と語った。

【写真・文/編集部】

『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』2024年12月27日(金)より全国で公開
LOTR TM MEE lic NLC. © 2024 WBEI

東京コミコン2024は2024年12月6日(金)~8日(日)に幕張メッセ 展示ホール1~5で開催
©2024 Tokyo comic con All rights reserved.