未知のウイルスに最前線で挑んだ事実に基づく物語を映画化―『フロントライン』の場面写真が解禁された。

本作は世界規模で人類が経験した新型コロナウイルスを事実に基づく物語としてオリジナル脚本で映画化。物語の舞台は、2020年2月3日に横浜港に入港し、その後日本で初となる新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗客乗員は世界56か国の3,711人。横浜入港後の健康診断と有症状者の検体採取により10人の感染者が確認されたことで、日本が初めて治療法不明の未知のウイルスに直面することとなった。この状況下で<最前線>に駆けつけたのは、家族を残し、安全な日常を捨てて「命」を救うことを最優先にした医師や看護師たちだった―。当時、日本に大規模なウイルス対応を専門とする機関は存在せず、急きょ対応することになったのは災害医療を専門とする医療ボランティア的組織のDMATだった。DMATとは、災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team)を略した、医師、看護師、医療事務職で構成され、大規模災害や事故などの現場におおむね48時間以内から活動できる専門的な訓練を受けた医療チーム。地震や洪水などの災害対応のスペシャリストではあるが、未知のウイルスに対応できる経験や訓練はされていない医師や看護師たちだった。

2020年2月に横浜港に入港した豪華客船で新型コロナウイルスの集団感染が発生。未知のウイルスに立ち向かったのは、目の前の「命」を救うことを最優先にした人々だった―。この度、映画『フロントライン』より場面写真が解禁となった。災害派遣医療チームDMATの医師と看護師が船内の救命活動に駆り出された。実際に船内に乗り込むと、想定していた以上の感染者数、いつ病状が悪化するか不明、言葉の壁がある56カ国からの乗客にうまく治療が行えないなど、予測不能な事態が起こる深刻な命の≪最前線≫の現場が広がっていた。

一方、船外では日々加熱していく報道に色々な憶測が広まり、誰も経験したことがない非常事態が大きなムーブメントになってしまう。そんな中でも、船外から全体の指揮をするDMAT指揮官・結城(小栗旬)、厚労省の立松(松坂桃李)、船内に乗り込んだ仙道(窪塚洋介)と真田(池松壮亮)らDMATの隊員たち、クルーズ船のフロントデスクの羽鳥(森七菜)をはじめとした船内クルー、そして船内の乗客たち、明日さえどうなるか分からない絶望の中で、日常を取り戻すことを誰一人としてあきらめなかった。

今回解禁された場面写真には、メディアの取材を断ってきた結城がTV局の記者・上野(桜井ユキ)と対峙し、「もう一度この災害があったとして、同じ対応をしますか」と問われるシーンや、始めはお役人気質な発言をしていた立松が結城と共に緊急事態の対応をする内に変わっていき互いに信頼してく姿、船内の変化していく状況に仙道が激昂し改めて決意を固める結城という旧知の仲である二人のやり取り、そして、愛する自分の家族にまで影響がないか心配する真田がしっかりと家族と抱き合う場面など、登場人物それぞれの人間ドラマが映し出されている。

さらにクルーの羽鳥は外国人乗客と医師の通訳として橋渡しとなり船内に明るさをもたらし、6歳の息子と乗船し糖尿病を患っている河村さくら(美村里江)は、客室に足止めとなったことでインスリンの支給が必要になるなど先の見ない不安が隔離生活を続ける客室にも広がり殺伐としていく中、クルーのアリッサは毎日各客室にあたたかい料理を笑顔で運び続ける、そんな乗客と乗員の交流も描かれている。物語の終盤には、両親が陽性となり子供二人きりでとりのこされてしまった幼い兄弟がいたことが分かり、更に弟の陽性が発覚し兄弟を別々の場所に隔離しなければならない状況に。異国の地で離ればなれにするのか、大人たちは決断を迫られる。

最前線“フロントライン”で守るべきは、この国か、目の前の命か――。あの日、あの時、あの船で何が起きたのか。あなたならどうしたか。日常を取り戻すことをあきらめなかった人々の圧巻の感動ドラマが待ち受ける。

『フロントライン』は2025年6月13日(金)より全国で公開
監督:関根光才
出演:小栗旬
 松坂桃李、池松壮亮
 森七菜、桜井ユキ
 美村里江、吹越満、光石研、滝藤賢一
 窪塚洋介
配給:ワーナー・ブラザース映画
© 2025「フロントライン」製作委員会