“差入屋”を営む家族の絆が不可解な事件に揺れる感動のヒューマンサスペンス『金子差入店』の場面写真が解禁された。
「差入屋」という仕事がある―。刑務所や拘置所に収容された人への差入には、厳しい審査や検閲がある。差入と聞いて、私たちが頭に思い浮かべる物のほとんどは許可されないだろう。そこで登場するのがルールを熟知した差入屋だ。また、様々な事情から面会に行くことができない人たちに代わって、面会室へ出向くこともある。そんな差入店を営む家族の絆を描く映画が誕生した。差入店の店主を務める主人公・金子には、『泥棒役者』以来8年ぶりの主役を演じる丸山隆平。金子の妻の美和子には真木よう子。2人の息子の和真には三浦綺羅。3人と一緒に暮らす金子の叔父の星田には寺尾聰。監督は、本作で長編初監督を務め、新たな才能でオリジナル脚本も自ら手掛けている古川豪。
今回解禁された場面写真4点は、生き様や母としてのアイデンティティなど全く異なった母親役を演じた、真木よう子、名取裕子、根岸季衣、村川絵梨の姿を写し出している。真木よう子演じる金子美和子は、差入屋を営む金子の妻であり一児の母。監督曰く、「美和子は、場面によって、気弱になったり強気になったり、気持ちの振り幅が大きな性格」。感情の起伏の激しさに共感ができなかった真木は、「明日のあなたと今のあなたは違う、それが人間というものですよね」という監督からの助言で腑に落ちたという。解禁された場面写真では、生まれたばかりでまだ小さい息子の和真を愛情いっぱいに抱きかかえる美和子の姿が映し出されている。差入屋を営む金子の妻として、時には強く叱咤激励しながらも、毎日美味しいご飯を作り、優しく家族を包み込む母親役を真木よう子が熱演した。
名取裕子演じる金子容子は、差入屋を営む金子の母。夫はおらず、女手ひとつで育て上げた容子だが、男癖が悪く、若い男性に貢ぐために息子家族に金を無心する始末。金子はそんな母を煙たがるが、妻の美和子は「生きている間にしか会えないよ」と、繋ぎ止める。この度解禁となった場面写真は、息子家族から無心した金で貢いでいる若い男性と仲良く歩くカット。男性の腕を抱き笑顔で見つめる容子の表情からは恋心が窺える。息子の金子からすればどうしようもないような母親を演じた名取裕子は、今回の役柄を「50年以上の役者人生の中で初挑戦」と公言している。本作のキャスティングのテーマが、「パブリックイメージにない役をやってもらうこと」だという監督の思惑通り、今までに見たことのない名取の姿を見ることができる。
根岸季衣演じる小島こず江は、本作の核ともなる少女殺害事件の犯人・小島高史の母で、容子と同じシングルマザー。『変な家』(24)や『サユリ』(24)などホラー映画での怪演に定評のある根岸が、今回の母親役でもインパクトのある演技をみせる。今回解禁された場面写真は、これまでに解禁された場面写真とは打って変わって、フルメイクで綺麗な装いをしたこず江の姿をとらえたもの。本カットのシーンで、母親としての想いや苦悩を金子に吐露する。根岸季衣の怪演、立派に育て上げたはずの息子が殺人犯となってしまったこず江の本心が垣間見える瞬間を是非とも劇場で確かめてほしい。
村川絵梨演じる徳山詩織は、小島に殺害された少女・花梨の母。夫と娘の3人家族の比較的裕福な家庭で、娘にはいくつかの習い事に通わせていた教育ママ。事件当日もいつも通り、学校帰り習い事に直行したはずの娘が帰ってこず、美和子や近隣の住民、警察へと助けを求める。そして翌日、無惨な姿となった娘と再会することとなってしまう。場面写真は、娘の遺体を前に泣き叫ぶ、心が引き裂かれるようなシーンが映し出されている。かなり辛い役どころを演じた村川だが、「ずっと一緒にお仕事をしたいと思っていた俳優さん」だったという監督の期待のこもった演技にも注目だ。
『金子差入店』は2025年5月16日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開
監督・脚本:古川豪
出演:丸山隆平
真木よう子/三浦綺羅、川口真奈
北村匠海、村川絵梨、甲本雅裕、根岸季衣
岸谷五朗、名取裕子
寺尾聰
配給:ショウゲート
©2025 映画「金子差入店」製作委員会