『金子差入店』の公開記念舞台挨拶が5月17日(土)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、丸山隆平、真木よう子、三浦綺羅、川口真奈、寺尾聰、SUPER BEAVER、古川豪監督が登壇した。

「差入屋」という仕事がある―。刑務所や拘置所に収容された人への差入には、厳しい審査や検閲がある。差入と聞いて、私たちが頭に思い浮かべる物のほとんどは許可されないだろう。そこで登場するのがルールを熟知した差入屋だ。また、様々な事情から面会に行くことができない人たちに代わって、面会室へ出向くこともある。そんな差入店を営む家族の絆を描く映画が誕生した。差入店の店主を務める主人公・金子には、『泥棒役者』以来8年ぶりの主役を演じる丸山隆平。金子の妻の美和子には真木よう子。2人の息子の和真には三浦綺羅。3人と一緒に暮らす金子の叔父の星田には寺尾聰。監督は、本作で長編初監督を務め、新たな才能でオリジナル脚本も自ら手掛けている古川豪。

本作で、差入屋を営む主人公・金子真司を演じた丸山は冒頭で、SUPER BEAVERとの登壇に「どうも“SUPER” EIGHTの丸山隆平です。今日はSUPER大先輩にも来ていただいているので、特別な日になりそうです」とニヤリとしながら挨拶すると、SUPER BEAVER・渋谷は「もうやめてください~」と恐縮していた。

丸山は内ポケットから映画鑑賞チケットを取り出して「実は昨日ここに来て観ました。劇場で拝見して、改めて凄く素敵な映画に参加させていただけたと光栄に思いました。監督には心から感謝しています」としみじみ。公開後の反響については「すぐにXでチェックして、世代性別関係なく届いている実感がありました。主題歌の『まなざし』にかけて詩のような感想をつぶやいている方もいて、映画と主題歌を通して何かを書きたくなる欲求を掻き立てる作品になっているのだと嬉しかったです」と実感を込めていた。

実弟が本作を鑑賞したという真木は「凄く良かったと言ってくれて、お気に入りになっていた」と報告すると、丸山は「え?あの鉄のハートを持つ仁が!?」とイジって笑いを誘った。小学6年生の三浦は「学校の友達が『ポスター見たよ』『映画観に行くよ』と言ってくれて嬉しかった」とニッコリ。高校3年生の川口は本作が俳優デビュー作で「中学時代の友達が『観に行くよ』と言ってくれるし、家族や親戚も鑑賞を楽しみにしていて反響は大きいです」と声を弾ませた。

古川監督とは助監督時代からの知り合いと言う寺尾は「古川監督から『出て欲しい』と言われたときは面倒くさいから嫌だと言って断ったけれど、僕に会いに来るたびに脚本を書き換えて来て、どんどん面白い脚本になった。しかも手紙まで置いて帰りやがって。それがとても素敵なラブレターだった。こんな手紙をもらって男として断るわけにはいかないと、バックアップできればと出演させていただきました」と出演経緯を告白。古川監督は寺尾から「本当に心からおめでとう」と祝福を受けると「寺尾さんはもちろんの事、今日ここにいない皆さんに対して改めて感謝を申し上げます」と頭を下げていた。

主題歌『まなざし』を書き下ろしたSUPER BEAVER。古川監督からの直々のオファーに渋谷は「人の縁から繋がる仕事は僕らが大切にしているものだし、作品を観て人の血潮を感じるものに加われている嬉しさを感じました。まさに光栄の一言に尽きます」と喜びもひとしお。柳沢も「古川監督からお手紙を頂戴して、そこには映画の事もそうだけれどそれ以前の監督自身の生き方が綴られていて、そんなところからも作品を通して表現したいものが滲み出ていたと思う」と述べた。

主題歌『まなざし』について丸山は「優しいのに力強くて温かい楽曲で、映画を観終わって曲が流れてくる時に、劇中の登場人物の事や大切な人の事が思い浮かぶ楽曲。言葉の並べ方、チョイスが独特で、わかりやすい言葉を並べているけれど深く考えさせられる。聴けば聴くほど迷い込んでいくような不思議な楽曲だと思う」とすっかりお気に入り。古川監督も「僕は必死にテーマを考えて2時間の映画の脚本を書いたけれど、それを4分弱で言われたと思った。楽曲を聴いたときに『ああ、俺は作詞家にはなれないな』と思った」とSUPER BEAVERならではの詩の世界に酔いしれていた。

映画公開まで宣伝活動を駆け抜けてきた座長・丸山に、登壇者から感謝の“差し入れ”を発表。真木は「丸ちゃんに差し入れるならば“まなざそう”と思う。温かいお母さんのような目で“まなざす”」と新しい言葉を生み出すと、丸山も「現場でも向き合うたびにそっと“まなざして”くれていた。すでに頂いているけれど、追いまなざしをもらえるのかな」とすんなりと受け入れ体制。これにSUPER BEAVER・渋谷は「あのお、“まなざす”って何ですか?ずっと何を言っているの?」とツッコんだ。

三浦は「いつも元気をもらっていたので、今度は僕が元気を差し入れてお返しをしたい」と言うと、丸山は「出世して飯を奢ってね!」と提案。これに三浦は「はい、あと6年後に」と約束していた。川口は「ユニークなたこ焼きヘアバンド」を差し入れたいそうで「丸山さんはいつも元気に撮影現場を盛り上げてくれるけれど、朝のメイクの時は見たことのない真顔をしていてシュールで新鮮だった。メイクの時は誰もが真顔になってしまうので、そんな時にたこ焼きヘアバンドしたら丸山さんらしさが溢れて親しみやすくなるのかなと思うので」と理由を説明。場内爆笑となる中、丸山は「東京に出て来る時にたこ焼きを持たされたことが多くて最近はなくてスタイリッシュなグループになりつつあるので、たこ焼きヘアバンドで原点回帰。元気な丸ちゃんを取り戻します!」と意気込んでいた。

SUPER BEAVERを代表して藤原は「丸山さんはお疲れだと思うので甘いもの、羊羹を差し入れたい」とニヤリ。古川監督は「真面目な話、次回作…の鑑賞チケット」と言って丸山をずっこけさせながら、再タッグを期待。ベーシストでもある寺尾は「僕も使っているATELIER Zのベースを1本。しかもショートスケールの短いやつを君に後日プレゼントします」と約束し、丸山は「ヨッシャー!今の差し入れは例えばの話ではなくガチの話です!セッションやライブで使って思い切りMCで自慢します」とガッツポーズだった。

て最後に主演の丸山は「この映画はどんな時に観るかによって伝わるものが大きく違うので、一度と言わず二度三度観てください。そしてとにかくつぶやくなり色々な拡散をしてもらえたら嬉しいです」とさらなるヒットに期待を寄せていた。

【提供写真、オフィシャルレポート】

『金子差入店』は全国で公開中
監督・脚本:古川豪
出演:丸山隆平
 真木よう子/三浦綺羅、川口真奈
 北村匠海、村川絵梨、甲本雅裕、根岸季衣
 岸谷五朗、名取裕子
 寺尾聰
配給:ショウゲート
©2025 映画「金子差入店」製作委員会