アルツハイマーの父とその息子が奏でた奇跡『父と僕の終わらない歌』の本編映像が解禁された。
2016年、イギリス。YouTubeに投稿された1本の動画が、世界中を感動させた―。ドライブの車中で楽しそうに歌う父と息子。助手席に座り、抜群の歌唱力で伸びやかに歌い上げる父テッド・マクダーモットは、アルツハイマー型認知症を患っている。この動画は同じ境遇にある世界中の家族に感動と希望を与え、再生回数は6000万回以上を記録。さらにこれがきっかけとなり、父テッドは80歳にしてCDデビューを果たし、イギリス最高齢の新人歌手となった。この奇跡の実話をもとに、日本を舞台に横須賀に生きる父と息子に置き換え、それぞれの愛と葛藤、家族や友人たちに支えられながら、アルツハイマーの父が若き日に諦めたレコードデビューの夢を、再び叶えようとするまでの感動の物語を描く『父と僕の終わらない歌』。音楽とユーモアをこよなく愛し、生まれ育った横須賀で楽器店を営む父・間宮哲太を寺尾聰、そんな父を支え続ける息子の間宮雄太を松坂桃李が演じる。
アルツハイマーを患った父がドライブ中に見事な歌唱力で歌う姿を、彼の息子がSNSに投稿したことをきっかけに、その後、80歳にしてCDデビューを果たしたイギリス人歌手・テッド・マクダーモット。この感動の実話をもとにして物語が紡がれる本作。今回、物語の原案となったSNS投稿動画を見事に再現し、父・寺尾聰と息子・松坂桃李が、名曲「VOLARE」を声を揃えて高らかに歌い上げる、印象的なドライブ歌唱シーンの本編映像が解禁された。
車の中での父子の会話、「あのさ、もし父さんの歌を待ってる人がいるなら、父さんどうする?」という息子・雄太の問いかけから始まる映像。カーステレオに雄太がセットしたカセットテープが流れ始める中、父・哲太が「何言ってんだ。答えは一つに決まってんだろ、なんてったって俺は…」、すかさず雄太が「“横須賀のスター”だから!」、すると再び哲太が「Exactly!(その通り!)」と、親子の仲睦まじい軽快なやり取りが続く。そして、カセットテープから流れる名曲「VOLARE」のサビに差し掛かるや、「VOLARE~♪」と伸びやかに歌い始める哲太。
そんな陽気な父の姿と歌声を温かい笑顔で受け取めて雄太は車を発進させる。横須賀の美しい情景の中を走りながら、一人ノリノリで歌い続ける哲太だが、ハンドルを握る雄太を見やり、「雄太、一緒に歌おうよ」と誘う。「僕はいいよ」と遠慮する雄太だが、再びサビのメロディーが流れ始めると、今度は“父”と“子”二人で声を揃えて「VOLARE~♪」と高らかにデュエットがスタート。リズムに乗って飛び跳ねながら益々楽しそうに歌う哲太と、そんな父の姿に嬉しいそうな笑みせる雄太。本作で描かれる、“音楽が繋ぐ、父と子の絆”を象徴するような映像となっている。
松坂はこのシーンの撮影を振り返り、「こんな贅沢な事は無いです。しかも、あんな車の中の密室の空間で、寺尾さんの歌声を横で聴けるなんてなかなかないですから」と、間近で寺尾の歌声を聴いた感動を語る。一方の寺尾も「松坂桃李くんが(自分が歌わない部分も含め)歌詞を全部覚えてきてすごいんです。嬉しくて、一緒になって大声出して歌って。本当の親子のような感じが、その瞬間バーンと出てすごく嬉しかった。最高!」と、息子・松坂桃李とともに車中で熱唱した喜びをコメント。松坂が「原案のお話でも、(息子の)サイモンさんがお父様が歌われていたのを子供の頃からずっと聴いていて、だからきっと自然と一緒に歌えたりする。そういうところもちゃんと受け継いでいきたいというのが僕の中にあった」と語るように、原案となった親子の絆へのリスペクトが滲み出た、観る者を温かく楽しい気持ちにさせる名シーンが誕生した。
印象的なドライブシーンで、松坂桃李とともに歌う「VOLARE」を含め、劇中で寺尾演じる哲太は「SMILE」、「WHAT NOW MY LOVE」、「LOVE ME TENDER」、「BEYOND THE SEA」、「VOLARE」…、誰もが一度は聞いたことがある洋楽の名曲を歌い、演奏している。はじめは監督とプロデューサー陣が候補曲をリストアップして寺尾に提案。当初は、モデルとなったテッド・マクダーモットが実際に歌った楽曲や、洋楽の定番曲を多く取り入れていたという。そのリストを基に寺尾と意見交換しつつ、寺尾も自身がレパートリーにしている楽曲を新たに提案。
そんな行き来を繰り返して、こだわり抜かれた珠玉の5曲だった。①哲太がプロをめざしていた頃によく聴き、バンドでも演奏していた楽曲。②寺尾自身に馴染む楽曲。③脚本に映える楽曲。小泉監督曰く、それらが選曲のポイントになったという。劇中で流れる5曲はいずれも原曲からアレンジされているが、これは寺尾自身の手によるもの。演奏も長年音楽活動を一緒にしてきたバンドメンバーと担当し、当然、自分で歌っている。
映画公開を目前に控えた5月18日は寺尾聰の誕生日。今年78歳を迎えた寺尾の俳優、歌手として駆け抜けてきた人生、そして演じる哲太のこれまでの歩みが滲む名曲たちは、いわば“人生のプレイリスト”と言えるもの。16年ぶりに主演を務める本作で、寺尾が哲太の人生を背負って歌う、芝居と音楽が融合するクライマックスのシーンは必見だ。
本編映像
『父と僕の終わらない歌』は2025年5月23日(金)より全国で公開
監督:小泉徳宏
出演:寺尾聰、松坂桃李
佐藤栞里、副島淳、大島美幸(森三中)、齋藤飛鳥/ディーン・フジオカ
三宅裕司、石倉三郎/佐藤浩市(友情出演)/松坂慶子
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©2025「父と僕の終わらない歌」製作委員会