過去を捨てた元ヤクザと目の見えない少年との十数年を描く年の差を超えた友情と再会のものがたり―『港のひかり』で幸太の青年期を眞栄田郷敦が演じることが発表された。

昨年公開され、数々の映画賞を総なめにした映画『正体』で第48回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した藤井道人監督とキャメラマン・木村大作が初タッグを組み、北陸の港町を舞台にした完全オリジナル脚本で描く映画『港のひかり』。主人公で元ヤクザの“おじさん”を演じるのは7年ぶりの単独主演作となる舘ひろし。歌舞伎界の新星として注目を集める尾上眞秀が演じる盲目の少年・幸太との年の差を超えた、十数年の友情を描いた感動作となっている。

今回、両親を事故で亡くし、視力を失ってしまった不遇の少年・幸太の青年期を眞栄田郷敦が演じることが発表された。昨年公開された『ブルーピリオド』では単独主演を務め、『ゴールデンカムイ』(2024)や「エルピス-希望、あるいは災い-」(2022/KTV)といった話題作にも数多く出演している。そんな人気と実力を兼ね備えている眞栄田が今回演じるのは、目の見えない少年・幸太の12年後の成長した姿。不遇の境遇で絶望の淵にいた少年は、舘ひろし演じる元ヤクザのおじさんが“ある方法”によりお金を工面したおかげで目が見えるようになる。しかし、目が見えた先におじさんはいなかった。優しく強いおじさんはどこにいったのか、どんな優しい顔なのか知らぬまま大人になった青年は「実は、おじさんは元刑事だったんだ」という小さな嘘を信じ、自分に光をくれた憧れの人を追いかけるように刑事になる。

尾上眞秀が演じる少年・幸太と二人一役を演じた眞栄田は「尾上眞秀くんの生のお芝居や映像を見させていただき違和感のないように幸太を引き継ぎたいと思っていました」と撮影に入る前に尾上の演技を見て、自身の演技に反映していたことを語りました。初の藤井組への参加や舘との共演に関しては「映画『ヤクザと家族The Family』を見て、藤井監督や舘さんとずっとご一緒したいと願っていました。今回そのお二人と同時にご一緒できる機会をいただきすごく気合いの入る現場でした」と本作に賭ける並々ならぬ思いを語った。

また、初のフィルムでの撮影には「キャメラマンには木村大作さん。35mmフィルムでの撮影は普段の現場にはない集中力と緊張感でした」と慣れない撮影手法への苦労があったことを回顧しました。役作りについては「少年時代におじさんから見せられた強さと優しさをずっと追いかけて生きてきたであろう、描かれていない十数年もしっかり青年幸太に乗せて演じられるよう意識しました」と語り、「誰かのために生きる美しさを感じられる映画になっていると思います」と感動ヒューマンドラマとしての完成度に自信を見せている。

併せて、場面写真が解禁された。舘が演じる“おじさん”こと三浦と一緒にベンチで佇む様子や港町を背景に、寂しい表情でどこか遠くを見つめる眞栄田演じる幸太の姿や、刑事として、拳銃を構える姿が初公開されました。また、尾上演じる少年・幸太と“おじさん”、眞栄田演じる青年・幸太と“おじさん”それぞれが海をバックに語らう二つの時代を感じさせる写真も解禁。長い年月でおじさんと幸太の絆がどのように変化し、再会したのか、拳銃を構えどんな事件に巻き込まれるのか、本作のストーリーを期待させるスチールとなっている。少年だった幸太は、十数年の時を経て、どのような成長を遂げたのか。そして、舘ひろし演じる“おじさん”と再会を果たし、2人はどのように歩んでいくのか―。

眞栄田郷敦 コメント

2021年に公開された映画『ヤクザと家族The Family』を見て、藤井監督や舘さんとずっとご一緒したいと願っていました。今回そのお二人と同時にご一緒できる機会をいただきすごく気合いの入る現場でした。そしてキャメラマンには木村大作さん。35mmフィルムでの撮影は普段の現場にはない集中力と緊張感でした。僕が演じさせたいただいたのは両親を事故で失い、同時に視力も失った少年が元ヤクザのおじさんに生きる光をもらい、青年へと成長した大森幸太です。
少年時代の幸太を演じられた尾上眞秀くんの生のお芝居や映像を見させていただき違和感のないように幸太を引き継ぎたいと思っていました。そして、その少年時代におじさんから見せられた強さと優しさをずっと追いかけて生きてきたであろう、描かれていない十数年もしっかり青年幸太に乗せて演じられるよう意識しました。誰かのために生きる美しさを感じられる映画になっていると思います。

『港のひかり』2025年11月14日(金)より全国で公開
監督・脚本:藤井道人
出演:舘ひろし、眞栄田郷敦、尾上眞秀 ほか
配給:東映 スターサンズ
©2025「港のひかり」製作委員会