石川慶監督×広瀬すず主演『遠い山なみの光』が第27回上海国際映画祭カンヌ・エクスプレス部門に正式出品されることが決定し、併せてカンヌ国際映画祭での豪華絢爛なレッドカーペット&公式上映時の熱狂ぶりが伝わるカンヌ版特報映像が公開された。
2017年にノーベル文学賞を受賞し、「日の名残り」「わたしを離さないで」など、映画化作品でも非常に高い評価を受ける作家カズオ・イシグロが、1982年に綴り、王立文学協会賞を受賞した⻑編小説デビュー作品「遠い山なみの光」。自身の出生地⻑崎を舞台として繰り広げられる本作は、戦後間もない1950年代の⻑崎、そして1980年代のイギリスという、時代と場所を超えて交錯する“記憶”の秘密を紐解いていくヒューマンミステリー作品。監督を務めるのは石川慶。主人公の悦子を務めるのは、抜群の演技力と表現力で映画・ドラマと幅広く活躍する広瀬すず。
上海国際映画祭は6月13日~22日に中国・上海で開催され、映画文化の普及と発展を目的に毎年国内外の約500もの作品が上映される、アジア最大級のスケールを誇る映画祭として大きな影響力を持っている。本作が出品されるカンヌ・エクスプレス部門は、カンヌ国際映画祭で上映された作品のうち、選りすぐりの作品をいち早くアジアで上映する部門として、昨年は邦画から『ナミビアの砂漠』(山中瑶子監督)、『化け猫あんずちゃん』(久野遥子監督、山下敦弘監督)が上映され、話題を呼んだ。『遠い山なみの光』は本映画祭での上映がアジアプレミアとなる。
徐昊辰(上海国際映画祭プログラマー)コメント
「一見穏やかに見える日常の奥底に、戦後の不安、生活の不穏、そして女性たちが抱える葛藤や傷が静かに息づく。撮影、美術、そして俳優たちの緻密な演技によって、言葉にされない感情が丁寧に掬い上げられていく。映像化が困難とされた原作に対し、監督は独自の視点と美意識で挑み、記憶の襞に潜む“嘘”と“真実”を巧みに可視化した。時代と場所を越えて交錯する人々の記憶が静かに重なり合い、やがてひとつの深い問いへと昇華していく。静謐かつ力強い語り口で綴られる、普遍的な人間の営みに迫る珠玉のヒューマン・ドラマである。このたび、第27回上海国際映画祭にて本作を上映できることを、心より光栄に思います。」
さらに、先日本作が出品された第78回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門での煌びやかなレッドカーペットの様子や公式上映時の興奮を改めて体感できる、カンヌ映画祭特別映像付き特報映像が公開された。「家族の歴史が心に突き刺さる」-Next Best Picure-、「ミニマルで優美 日本の美意識そのもの」-Montage Review-といった絶賛コメントとともに、原作者でありエグゼクティブプロデューサーのカズオ・イシグロ氏をはじめ、監督・脚本・編集の石川慶、そして広瀬すず、吉田羊、カミラ・アイコ、松下洸平、三浦友和と、豪華キャスト・スタッフがカンヌの地で魅せた、歓喜の瞬間を見ることができる。
カンヌ映画祭特別映像付き特報映像
『遠い山なみの光』は2025年9月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開
監督・脚本・編集:石川慶
出演:広瀬すず、二階堂ふみ、吉田羊、カミラ・アイコ、柴田理恵、渡辺大知、鈴木碧桜、松下洸平/三浦友和
配給:ギャガ
©『遠い山なみの光』製作委員会