『愛されなくても別に』の完成披露試写会が6月8日(日)に丸の内ピカデリーで行われ、南沙良、馬場ふみか、井樫彩監督が登壇した。
2013年、日本ラブストーリー大賞最終候補作に選ばれた「今日、きみと息をする。」で作家デビューし、続く「響け! ユーフォニアム」はテレビアニメ化され大ヒットしている武田綾乃。吉川英治文学新人賞を受賞した本作『愛されなくても別に』は、著作の中で実写化初となる作品。監督・脚本を務めるのは井樫彩。オリジナル作品をフィルムライクな映像表現で描きながら若者たちの言葉で表現しづらい心情を見事に映像化する手腕は本作でも顕著に見ることができる。浪費家の母親に依存され、人生に一度も期待を抱いたことのない主人公・宮田陽彩を演じるのは南沙良。
本作で演じるキャラクターについて「監督がインする前に資料をくださって。お芝居をする中でも助けになった」と明かす南は、そのうえで「原作を読ませていただいて、陽彩は不安定な子だなという印象があって。不安を自分の中で安心材料にしている子だと思って、そこは自分に通ずる部分があったので大切にお芝居の中で活かせたら」と役作りを振り返った。
馬場は「インする前にアクティングコーチのもとにレッスンに通って、本編ではそのシーンはないんですけど母親とのシーンをレッスンでやらせていただいて」という馬場は「雅という人間を理解するにあたって助けになった」と明かした。
また、ワークショップを通じて「新鮮でしたし勉強になりました」という南、馬場も「ノートを開いて勉強したんですけど今までこういう機会がなく、現場で必死に頑張るという感じだったので、これからお芝居を続けていくうえでも助けになると思いました」と語った。
一方で「水が苦手で浸かるのが怖い」という南は、水に浮くシーンの撮影で「浮けなかったんです。浮こうとしても沈んでいくから、監督が横で支えてくれていて(笑)助けられながら頑張りました」と明かした。
この日も仲の良さをうかがわせる南と馬場だが「互いに人見知りだったので最初はどうやってしゃべろうかなと思っていた」という馬場だが「撮影で2人でいることが多かったので、お互いの存在が近くにいることが慣れていく感じがあって」と振り返り、その時間を経ての撮影だったことで「陽彩と雅の関係性に反映されています」と明かした。
そんな2人について「気づいたら2人で座ってる、無言で。ぼそぼそ一言二言しゃべってお茶を飲んでいる。その姿が素敵だなと思って」という井樫監督。そんな井樫監督について馬場は「気づいたら井樫さんが現れて写真を撮って去っていく」と明かし、井樫監督は「(撮った写真は)あります、めっちゃ」と笑いを誘った。
イベントの終盤では、6月11日生まれの南、6月21日生まれの馬場にサプライズで井樫監督から花束が贈られ、南は「体調を崩さず健康に、去年一年もそうでしたがより新しいことにチャレンジしていける一年になってらいいなと」、馬場は「30代に入るということで楽しみにしています。楽しく健康に日々を営んでいきたいと思います」と抱負を語った。
また、南は「生きるということだけで難しいと日々思っていて、そう思う方はたくさんいらっしゃると思う。登場人物たちの悩みとか勇気がより添えられたらいいと思っています。たくさんの方に見ていただけたら」と本作をアピールした。
【写真・文/編集部】
『愛されなくても別に』は2025年7月4日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開
監督:井樫彩
出演:南沙良、馬場ふみか
本田望結、基俊介(IMP.)、伊島空、池津祥子、河井青葉
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©武田綾乃/講談社 ©2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会