“オハナ”は家族。家族はいつもそばにいる。何があっても―実写版『リロ&スティッチ』が“感動”のアドベンチャー作品へ実写化できた背景について、ディーン・フライシャー・キャンプ監督、ジョナサン・アイリック プロデューサーが語っている。

『美女と野獣』『アラジン』をはじめ、数々のアニメーション映画の実写化を成功させてきたディズニーが、その愛らしさで空前のスティッチ・ブームを巻き起こした「リロ&スティッチ」を完全実写化。両親を失い姉と2人で暮らす少し変わった少女リロ。友達ができず、いつもひとりぼっちの彼女に前に現れたのは、見た目はモフモフで超キュートなのに、ものすごく暴れん坊でイタズラ好きな不思議な生き物だった。その正体がエイリアンとも知らずに“スティッチ”と名づけ、彼を家に連れ帰るリロだったが、その出会いは思いもよらぬ大事件と、素晴らしい“奇跡”の始まりだった─。ハワイを舞台に、ひとりぼっちの少女リロと暴れん坊のエイリアン・スティッチ、ふたりの奇跡の出会いとかけがえのない家族(オハナ)の絆を描く感動のハートフル・ファンタジー。オハナは家族。家族はいつもそばにいる──何があっても…。

アメリカをはじめ世界各国で5月23日(金)より公開された『リロ&スティッチ』は、全米でメモリアルデーを含む週末4日間としては歴代No.1のオープニング記録となる興行収入1億8,300万ドル(※日本円で約261億円)で、堂々のNo.1スタートを切った。日本でも6月6日(金)より全国の劇場にて公開され、週末の観客動員数38万人以上、興行収入5億6,300万円を記録し、まさに世界中で“スティッチ旋風”が巻き起こっている。

実写版『リロ&スティッチ』は、2002年の公開以来、世界中の人々の心をつかんできた名作アニメーションを実写化したもの。ディーン・フライシャー・キャンプが監督を、ジョナサン・アイリックとダン・リンがプロデューサーを務めた本作は、20年以上愛され続けるアニメーション映画の魅力を大切にしながら、現代の観客に向けて物語を再構築したディズニー最新作。

ディーン・フライシャー・キャンプ監督、ジョナサン・アイリック プロデューサー

「実写化にあたり、アニメーション作品に愛情を込めて敬意を払いながら、制作を進めました。アニメーションと実写は完全に違うものであるということを認識しつつも、実写だからこそできることもあれば、アニメーションだからこそできる表現もあります。私たちの目標は、アニメーション作品と共鳴するような作品を作ることであり、そのためにも、アニメーション作品の世界観を壊すことなく、少し現代的な要素も取り入れました」と語るフライシャー・キャンプ監督。本作の制作陣は、文化的なニュアンスや物語に内在する価値観を大切にしながら、大人気のアニメーション作品の実写化という課題に直面した。過去に実写版『アラジン』(2019)のプロデューサーを務めたアイリックは、実写化の知見を存分に本作に生かせる存在だった。

「常に意識していたことがひとつあるとすれば、『絶対に台無しにしてはいけない』ということ」と笑顔のアイリックは「これは、常にファンからインターネットなどで私たちに寄せられるアドバイスでもあります。ただし、ファンは“シーンを一つひとつ忠実に再現する実写リメイク”を求めているわけではありません。ファンが求めるのは、制作陣がアニメーション作品を愛し、深い愛情と考察をもってすべての決定を行うという安心感です。例えば”ハワイアン・ローラーコースター・ライド”のような重要な楽曲を扱う場面は、私たち自身もひとりのファンとして、作中に使われていなかったらがっかりするだろうと思ったんです。俳優が演じる実写作品として、どうすればストーリーを自然に展開できるか、そして新しい世代に向けて新しい体験を届けられるかを模索しました」と語る。

またアイリックは「実写のストーリーラインを構築するにあたり、キャストが表現すべき感情や物語に目を向ける必要がありました。まずナニとリロの姉妹の関係について、そして両親をなくすこと、ハワイの社会福祉サービスで姉妹が一緒に居続けることができるかといった現実に即してじっくり考えました。それが、実写化にあたって(アニメーション作品との)違いに繋がったと思います」とも話す。そしてフライシャー・キャンプ監督は「アニメーション版『リロ&スティッチ』は、ある意味で時代を先取りしていた作品でした。物語は現代社会が舞台なんです。おとぎ話の国でもなければ、ディズニープリンセスも登場しません。むしろ主人公はディズニープリンセスとは真逆の存在。だからこそ実写版では、特にリロのような人間のキャラクターたちの物語をより深く掘り下げて描くことにこだわりました。ハワイで育つ姉妹2人の、実際にありうる経験としてのリアルな物語を描くことができたと思います」と明かしている。

本作の制作ではアニメーション作品に関わったスタッフの協力がありました。アニメーション作品の監督であり、今回もスティッチの声を担当しているクリス・サンダースももちろん本作の制作に参加しています。さらに、アニメ版で声優を務めたエイミー・ヒル、ティア・カレル、ジェイソン・スコット・リーの3人が、今回の実写版では新たなキャラクターとして出演していることにも注目だ。フライシャー・キャンプ監督は「アニメーション作品の制作者たちは、当時の『リロ&スティッチ』に当然誇りを持っていて、本作の制作にも熱心にサポートしてくれました。本作を手掛けた私たちとしても、アニメーション作品を成功に導いた制作者たちを、制作プロセスに積極的に巻き込むよう努めました」と語っている。

「アニメーション作品と同じく本作でもスティッチの声優はクリス・サンダースです。クリスは素晴らしいクリエイターで、もともとスティッチを描き、アニメーション作品の脚本を書き監督した、まさにスティッチの生みの親です。クリスが制作陣として関わっていない作品でも、常にスティッチの声優として作品に関わり続けていました。つまり彼こそがスティッチなんです。だから、本作もクリスに担当してもらわなければならないと感じていました。3Dのスティッチが実写でどのように見えるかということを始め、彼は制作陣に多くの助言を提供してくれました」とアイリックは語り、両作品でアニメーション・スーパーバイザーを務めたエリック・グアリオーネはもちろん、アニメーション作品でスティッチのリード・アニメーターを務めたアレックス・クーパーシュミットなど、その貢献は非常に貴重なものだった。「アニメーション作品を手がけたスタッフの熱意とサポートなしではこの映画は決して完成しなかったと思います」とフライシャー・キャンプ監督は語った。

制作の長いプロセスで最もチャレンジングだった点について、アイリックは「アニメーション作品を尊重することも、その一つだったと思います。もっと良くできるんじゃないかと考えを巡らせ、できるだけ多くの人をパートナーとして迎え入れるよう努めました。クリス・サンダースにスティッチが正しいかを確認してもらったり、ハワイのコンサルタントに映画のハワイらしさが正しいかを確認してもらったり、スティッチのアニメーションが適切に感じられるように、より多くのアーティストやアニメーション担当に来てもらったり、あらゆる段階でより多くのパートナーを巻き込みました。本当に最高の映画を作るために、映画の”オハナ<家族>”がどんどん増えていきました。ファンの期待に応えることが、最大のチャレンジだったと思います。そして最終的に私たちはそれを実現できたと感じています」と話し、そうした思いから「実写版『リロ&スティッチ』は、ぜひお近くの大きなスクリーンで体験してほしいです。これまでに見たことがないような、リアルでオーセンティックなハワイとその大自然の魅力が詰まっていて、夏の始まりにぴったりの作品です。この映画はまさに感情のジェットコースター。楽しくて、カオスで、でも心が温かくなる。映画館で他の観客と一緒に笑ったり泣いたり、きっと思い出に残る素晴らしい体験になると思います」と語った。

『リロ&スティッチ』は公開中
監督:ディーン・フライシャー・キャンプ
出演:クリス・サンダース(スティッチ役)、マイア・ケアロハ(リロ役)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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