『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』のプレミアイベントが都内で行われ、綾野剛、柴咲コウ、亀梨和也、大倉孝二、迫田孝也、三浦綺羅、木村文乃、光石研、北村一輝、小林薫、三池崇史監督が登壇した。
2003年、小学校教諭・薮下誠一(綾野剛)は、保護者・氷室律子(柴咲コウ)に児童・氷室拓翔への体罰で告発された。体罰とはものの言いようで、その内容は聞くに耐えない虐めだった。20年前、日本で初めて教師による児童への虐めが認定された体罰事件。報道をきっかけに、担当教輸は『史上最悪の殺人教師』と呼ばれ、停職処分になる。児童側を擁護する550人の大弁護団が結成され、民事裁判へと発展。しかし、法廷は担当教諭の完全否認から幕を開けるのであった。第6回新潮ドキュメント賞受賞、福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)を映画化。主人公の薮下誠一を演じるのは綾野剛。共演には柴咲コウ、亀梨和也、木村文乃、大倉孝二、迫田孝也、光石研、北村一輝、小林薫ら豪華キャストが勢揃いしている。監督は三池崇史。
観客へのお披露目となるプレミア公開を控えて、「とても嬉しいですし、最高の気持ちです。こういった景色を皆さんに作っていただき感謝を申し上げます」と話す綾野は「渾身の作品が誕生しました。各部署の皆様の繊細さ、濃密さを圧縮して一本の作品にまとめました。129分、感じたことのない、体験したことのない時間を提供できます」と自信を見せた。
そんな本作について「みんなの日常にいつ起こってもおかしくない身近な題材」と話す三池監督得は「誰が善で悪でという物語ではなくて、登場人物一人一人の気持ちが多分理解していただけると思う」と話しつつ、「(柴咲演じる)律子の共感率は低いと思う」と笑いを誘った。また、「見ていただいて感じていただければ。単に被害者、加害者という関係ではなくて簡単にひっくり返る」と本作に込めた思いを語った。
その柴咲は「私は律子100%なので」というと、すかさず亀梨が「お盆持ってきましょうか?すいません(笑)面白いこと言うって言っちゃったから(笑)」と笑いを誘った。そんな亀梨に「やらないから(笑)」と返した柴咲は「分からないんです。この映画を観てさらによく分からなくなっちゃって。良し悪しとか、真実とか。いまさらまた考えさせられる。ただ私は律子を演じているので律子贔屓です」と語った。
一方で、「どの目線でストーリーを追っかけていくかで、見てくださる方がそれぞれの感想を持たれると思う」と話す亀梨は「どのパートも、人間は一つの側面ではないなと。立場によってはこっちに立ってるよなと」と本作を演じて気づいた部分もあった様子だった。
【写真・文/編集部】
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』は2025年6月27日(金)より全国で公開
監督:三池崇史
出演:綾野剛、柴咲コウ
亀梨和也
大倉孝二、小澤征悦、髙嶋政宏、迫田孝也
安藤玉恵、美村里江、峯村リエ、東野絢香、飯田基祐、三浦綺羅
木村文乃、光石研、北村一輝
小林薫
配給:東映
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