宮本亞門が地元の人々の声を聞き、言葉に触れ、復興の想いを募らせることで生まれたショートフィルム『生きがい IKIGAI』の場面写真が解禁された。
甚大な被害を生じた地震から8カ月後、豪雨という再びの災害に見舞われた能登。能登半島地震の震源域に近く地震で大きな被害があった奥能登地域を襲った2度目の災害―。ミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎などジャンルを越える演出家として国内外で幅広い作品を手がける宮本亞門は、能登でのボランティア活動に参加、想像を超える被害と復興の遅れを目の当たりにした。宮本が地元の人々の声を聞き、言葉に触れ、復興の想いを募らせることで生まれた本作。撮影のメイキングをきっかけに訪れた能登で、人々の声を収めるうちにドキュメンタリー作品として生まれた『能登の声 The Voice of NOTO』(監督・編集:⼿塚旬⼦)を併映とし、北陸能登復興支援映画『生きがい/能登の声』として公開される。
土砂災害の被災現場で、崩壊した家の下から救出された主人公・信三を演じるのは鹿賀丈史、信三の妻・美智子を演じるのは常盤貴子、さらに小林虎之介、津田寛治、根岸季衣と、実力派キャストが能登への復興を願い、本作に参加、災害により心を閉ざした一人の男が再び生きることに目を向けていく希望の物語を紡ぐ。フィクションとノンフィクションを同時に体感することで、二度の災害に苦しむ【能登の今】を知り、想いを馳せることが、【能登の未来】への一歩に繋がってほしい…願いから生まれたプロジェクトである。またこの作品の収益の一部は、能登復興のために寄付される。
土砂災害の被災現場で、崩壊した家の下から救出された主人公・元教師で「黒鬼」と呼ばれる信三(鹿賀丈史)。心配する周囲の声も聞こうとせず、助け出された泥だらけの姿で信三はその場から去ってしまう―。今回解禁された場面写真では、救出されたばかりで全身泥だらけの鋭い眼光が光る信三の姿や、信三の唯一の理解者であり、今は亡き妻である美智子(常盤貴子)の姿が。
また、避難所に馴染めず倒壊した自宅の一角で暮らす信三の元に訪れたボランティアの青年(小林虎之介)や信三の甥・尚史(津田寛治)、ボランティアセンターの上田(根岸季衣)など、心を閉ざした信三に寄りそう周囲の人物も捉えられている。さらに、救いの手を跳ね除けていた信三が青年と向かい合って何かを話す姿など、厳しい現状の中で、それぞれが事情を抱えながらも、支え合って生きていく様子が伝わる場面写真となっている。信三にもう一度、生きることに目を向けさせたきっかけは何だったのか…ぜひ劇場で、能登の今を知り、能登に想いを馳せ、能登の未来に寄り添っていただきたい。
『生きがい IKIGAI』は6月20日(金)より石川県で先行公開、7月11日(金)よりシネスイッチ銀座ほかで順次公開
脚本・監督・企画:宮本亞門
出演:鹿賀丈史、根岸季衣、小林虎之介、津田寛治/常盤貴子
配給:スールキートス 配給協力:フリック
© 「生きがい/能登の声」フィルムパートナーズ