『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』のジャパンプレミアが6月19日(木)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、栗田貫一、大塚明夫、浪川大輔、沢城みゆき、山寺宏一、片岡愛之助、小池健監督が登壇した。
『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』以来約30年ぶりの2D劇場版アニメーション完全新作の制作、そして“ルパン三世の新たな物語”のために書き下ろされたB’zの主題歌「The IIIRD Eye」など、熱い情報が次々に発表される度Xトレンド1位をはじめ大きな話題をかっさらい、日本中がルパン三世の新作公開に沸きあがっている。
舞台は、地図に載っていない謎の島。お宝を狙って乗り込んだルパン一行を待ち受けていたのは、“不死身の血族”と呼ばれる正体不明の存在だった。前代未聞のスケールとドラマで描かれ、全ての「ルパン三世」につながる、原点ともいえる究極の物語が幕を開ける。原作はモンキー・パンチ。監督は国内外でそのスタイリッシュな演出が高い評価を得ている「ルパン三世」シリーズ〈LUPIN THE IIIRD〉全作を手がけた小池健。脚本は高橋悠也、音楽はジェイムス下地。栗田貫一、大塚明夫、浪川大輔、沢城みゆき、山寺宏一らおなじみのキャストが集結。主題歌はB’zの書き下ろし楽曲「The IIIRD Eye」。“誰も知らないルパン三世”が、ついにスクリーンに姿を現す―。
満員御礼で迎えたこの日、ルパン役の栗田は「ルパン三世役を仰せつかって30年、普段は瀬川瑛子さん、細川たかしさん、郷ひろみさんのモノマネをして生活していますが、この作品に関してはひたすらルパン三世を演じる事に命を懸けてやってきました。待ちに待った作品ですので、最後までお楽しみください」と挨拶。本作については「小池監督の『ルパン三世』は、(長年ルパンの声優を務めていた)山田康雄さんテイストのルパンとはまた違った世界観で、より深いテーマが描かれている感じ。まさに集大成になりましたので、今日こうしてお披露目になるのが嬉しい」と胸を張った。
次元大介役の大塚は、2021年にそれまで演じていた小林清志氏からバトンを引き継いでおり、「新たに次元として引っ越してきたみたいで家に馴染んでいない感じはあるけれど、小林清志さんが立てた次元の家に住んで新しく立ったルパン御殿にどう居所を作るか、その戦いでした」と収録を回想。
石川五ェ門役の浪川は「台本を読んだ時にビックリしたし、まさに集大成。これまでの<LUPIN THE IIIRD>を観るとより楽しみも深まるのではないかと。もちろんこの作品から入っても、色んな楽しみ方ができるのでは」と予想。峰不二子役の沢城は「小池監督の素敵な絵柄もあって独創的だけれど、本当にその役をわかっていないとダメだ、と演じていても試されている。観終わった時には『これが一番の王道のルパンかも?』という気持ちになりました」と確信していた。
銭形警部役の山寺は「納谷悟朗さんから2011年に引き継いで、なるべく違和感のないように納谷さんの声にチューニングしてセリフを言ってきました。しかし今回はそれを気にしないでいいと言われましたので、納谷さんへのリスペクトは持ったまま、音だけを真似るのは失礼なので、小池版ルパンとしてクソ真面目で実直、ハードボイルドな銭形を熱くやらせていただきました」と報告。本作の前日譚となる『LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン』の収録についても話が及ぶと、「そちらの収録がもう2年前ぐらいですよね?監督?」と問いかけるも、栗田から「5年前、もう5年だよ」とツッコまれ、山寺は「2年か5年前!歳を重ねると時間の感覚がわからなくなるんです!」と堂々と声を張り上げ会場も笑いに包まれる(※実際の『LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン』の収録は2021年)。
テレビシリーズをはじめ長年『ルパン三世』の大ファンという小池監督は、「総括のような物語なので、ファンの方にはどっぷりと世界観を味わっていただきたいし、初見の方にも楽しんでもらえると思う。大人たちの距離感とか、今までアニメーションで見たことなかったような雰囲気を存分に出したい。しっかりと詰め込みました。本作を届けることが出来るのが楽しみです」と反響を期待していた。
地図にない島を支配する謎の支配者ムオムを演じた愛之助。2023年に上演した歌舞伎『流白浪燦星(ルパン三世)』でルパン三世を演じたことから「勝手にルパンを助ける役だと思って台本を開いたらメッチャ敵!“私対ルパン一味”みたいな…(笑)複雑な心境でしたが、全力で務めました」と明かすと、栗田は「最強の敵!本当に強かった。もうルパン一味は全滅だ~!」と健闘を称えていた。そんな愛之助が、ムオムが発する独特なうめき声のような通称“ムオム語”を生披露すると、栗田は「え~と、古古古米は1,700円?」などとテキトーに訳して爆笑をさらい、愛之助は「そんなこと絶対に言いません!正解は“エンドロールまで観てください!”です」と訴えていた。
30年ぶりの新作、という事にちなんでキャスト陣が30年前をプレイバック。栗田は「1995年3月19日に山田さんが他界されて、『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』の声優オファーが来たのがまさに30年前。納谷さん始めレジェンド声優の方々がいるスタジオに立たされて、今で言うと大谷翔平の代わりに投げて来い!みたいな事です。右も左もわからないままやっていきましたが、そこからの始まりで30年も携わらせていただいてる」としみじみ。
大塚は「僕は『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』で大谷の代わりに投げている栗田さんをスタジオで拝見して応援していました。先輩方みんな元気で僕らは新人で、その先輩方の自在な佇まいを覚えています。ちょうど今、次元をやらせてもらっているので、夢が叶ったのかなと思います」と懐かしむ。
浪川は「僕は、仕事もさせていただきましたが、大学受験に失敗して勉強していた単なる浪人生でした。」と回想し、沢城は「ちょうど『声優になるぞ!』と決めたくらい。いつか『ルパン三世』のヒロインにと思っていたので、こういう形で参加させていただけるのかと思うと不思議な気持ち」と感慨。山寺は「僕はデビュー10周年で浮かれていました。生意気だったと思いますね。その2年後に『おっはー!』が始まり、ちょっと謙虚になることを覚えました(笑)」と時の流れの早さを実感。愛之助の30年前は「片岡愛之助という名前になってちょうど4年目くらいで、主役をやったことのなかった時代。同い年の中村獅童君とよく夢を語りあいながら飲み歩いていました」と懐かしんだ。
B’zによる書き下ろし主題歌『The IIIRD Eye』も話題。栗田は「この料理に欲しかった素敵な味を付けていただいた。B’zの楽曲がドカーンとリズムも温度も上げてくれて、作品が物凄いものになったと思った」とお気に入り。山寺も「ルパンへのリスペクトとB’zのロックの融合!素晴らしい楽曲で震えました」と絶賛し、B’zと親交のある愛之助は「出演と主題歌、こういう形でまさに夢のような競演をさせて頂いた」とコラボを喜び、小池監督も「感動しましたね。めちゃくちゃかっこよくてスピーディーで、松本さんのギターリフがすごく好きなのでそこを活かして欲しい、若者の応援歌になるような雰囲気の歌詞になると嬉しい、とリクエストもしていた。ちょうどそういった楽曲を作ってくださって、本編制作の大変なときに力をもらいました」と感慨深げだった。
最後に栗田は「モンキー・パンチさんが描いてこられたイメージのルパン三世が『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』にすべて繋がっていると思うので、もしモンキー・パンチさんがご覧になったとしたら『凄いものを作ってくれたね!』と言ってくれるような作品になりました。絶対の自信があるので、ごゆっくりと楽しんでください」と呼び掛けていた。最後には、本作の大ヒットを祈願して、栗田「俺の名は!?」キャスト&会場「ルパン三世~!!」のコールレスポンスに合わせ、ルパン仕様に“ごくろうさんマーク”があしらわれたフェイク紙幣が盛大に舞い、会場のボルテージ最高潮となった。
【提供写真、オフィシャルレポート】
『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』は2025年6月27日(金)より公開
配給:TOHO NEXT
原作:モンキー・パンチ ©TMS