『この夏の星を見る』の3都市同時完成披露試写会が6月23日(日)にT・ジョイPRINCE品川で行われ、桜田ひより、黒川想矢、星乃あんな、山元環監督が登壇、オンライン中継時で茨城・シネマサンシャイン土浦から水沢林太郎、河村花、長崎・福江総合福祉健康センターから中野有紗、早瀬憩が参加した。

2020年、新型コロナウィルスが蔓延したコロナ禍を背景に、登校や部活動が次々と制限され、更には緊急事態宣言に直面し、大人以上に複雑な思いを抱える中高生たちの青春を描いた本作。斬新な映像表現とキャラクター造形の深さに定評があり、映像界を疾走している新進気鋭のアーティスト・山元環が監督を務め、脚本はデリケートな心を真面目に描くだけではなく、物語として昇華させる力量が高水準の実力者・森野マッシュが務める。そして、haruka nakamuraが音楽を担当する。主人公で茨城県立砂浦第三高校の二年生・溪本亜紗を演じるのは桜田ひより。亜紗と同じ茨城県立砂浦第三高校に通う生徒役を水沢林太郎、河村花、増井湖々、安達木乃が演じ、原作小説を執筆する際に取材した茨城県立土浦第三高等学校で本作の撮影が行われ多。また、リモート会議を駆使して同時に天体観測をする競技「オンラインスターキャッチコンテスト」に参加する長崎五島に住む学生を中野有紗、早瀬憩、和田庵、蒼井旬、東京の学生を黒川想矢、星乃あんな、萩原護や秋谷郁甫らネクストブレイクが期待される若き俳優たちが演じる。

今回、映画の舞台となった<東京><茨城><長崎>の3都市で、本作の完成披露試写会を同時開催。東京会場には、主演の桜田ひより、そして映画では東京パートに出演した黒川想矢、星乃あんな、本作が劇場長編デビューとなる山元環監督が登壇ました。さらに舞台挨拶中には、映画で桜田演じる亜紗がオンラインを駆使して各地と繋がったように、同時にイベントを開催している<茨城><長崎>との中継も実施。<茨城>からは水沢林太郎、河村花、<長崎>からは中野有紗、早瀬憩が参加した。

完成した本作が観客に初披露されるという機会に、桜田は「ついにこの日が来たかということでワクワクしているのと、わたしたちが去年の夏に力を合わせて最高の作品をつくりあげたのでこれからもっと盛り上げていけたら思います」と感慨深い様子で挨拶。黒川も「脚本を読んだ時は、すごく懐かしい気持ちになりました。コロナ禍があったからこそ出会えた人とかが頭に浮かんできました」と振り返り、「僕は映画を観て、すごく勇気をもらうことができました。本編の中で望遠鏡を覗いて、星を探す“スターキャッチ”のシーンがあったと思うんですが、僕にとってはそれが祈っているようにも見えたんです。星にピントを合わせる姿が、先の見えない挑戦に思えましたし、そういうものにも挑戦した方がいいんだなという勇気を、この映画からもらいました」とコメント。

さらに星乃が「コロナ禍の時、わたしは小学六年生くらいでした。だから脚本を読んで、自粛期間だったり、修学旅行が中止になった時の、つらい思い出がたくさん蘇りました。そして映画を観ると、脚本で読んだ時よりもさらに鮮明に思い出しましたね。また、映像の迫力もすごくて圧倒されました」と感想を述べ、「今まではコロナというと、つらかった、しんどかったというイメージしかありませんでしたが、映画を観た後は、こういう時期もあって良かったなと思えました」と続けた。

また本作をひと足先に試写を鑑賞した人からの評価も高いとのことで、それを聞いた山元監督も「僕にとってこの作品が長編商業初監督作品になります。今までよりも規模の大きな作品をつくらせていただいたのですが、みずみずしさというか、今の僕でないとつくれないような純度でできたのかなと思います。また、そういう評価を受けたり、様々な感想をいただき、大変嬉しいです」としみじみ語った。

劇中の物語は、真宙(黒川)から亜紗(桜田)へかけた電話からさらに加速していくが、実際の撮影現場では、黒川、星乃は桜田とは会っていなかったという。そのことについて黒川が「これまでに桜田さんとは2回お会いしたことがあって。初めて会ったのが日本アカデミー賞の授賞式の会場でした。僕にとっては雲の上の存在です」と語ると、「地上の人間です」と笑ってみせた桜田。さらに黒川が「2回目は(クランクイン前に行われた)星についての勉強会でした。その時にいろいろとお話ができたから、撮影はリモートだったんですけど、想像しながら演じることができたと思います」と語った。

桜田も「撮影の前に、『オンラインスターキャッチコンテスト』のシーンの説明をするシーンの本読みをしたことも生かされたと思います。(撮影中に交流がなかったからこそ)その時の熱量を基準として、演技ができたという感覚がありました」と振り返った。山元監督は「東京は東京で撮りきって、茨城、五島もそれぞれ撮りきっているから、キャストの皆さんはお芝居の現場では会っていない。皆が繋がっているという想像をしながらの芝居で大変だったと思っていましたが、クランクイン前の本読みに意味があったなと、今のお話を聞いて感じました」としみじみ語った。

<茨城>

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本作では、コロナ禍で活動を制限された学生たちの手により、オンラインで繋がり、皆で星を観測する「オンラインスターキャッチコンテスト」に挑む姿が描かれている。そこで今回は、水沢林太郎、河村花が参加する土浦会場、中野有紗、早瀬憩が参加する長崎の五島会場の3都市をオンラインで繋ぎ、各地のキャストおよび、そこに集まった観客とともにこの時間を共有する機会にもなった。

<茨城>

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土浦の水沢は「撮影に参加した土浦高校の皆さんや、市長もいらっしゃっています。先ほどは高校生の皆さんがすごくまっすぐな感想を述べてくださって、映像に惹き込まれた!感動しました!と言ってくれました」と感激の表情。そして「土浦はおだやかな風が吹いています。そして会場には岡村先生がいるんですよ!」と河村が語った通り、実際の「オンラインスターキャッチコンテスト」を考案した天体観測講師・岡村典夫先生の姿もあった。

<長崎>

<長崎>

一方の五島会場に参加した中野が「たくさんの方に来ていただいて。うれしい気持ちでいっぱいです」と語ると、早瀬も「皆さんすごくあたたかくて。地元に帰ったような気持ちになります」と笑顔を見せた。さらに中野が「今日は天気があまり良くないんですけど、でも撮影のときはずっと晴れていたんです。よりすごくきれいなところで撮影しているなと実感しながら、過ごしていました」と語ると、早瀬も「監督を含め、皆で真っ黒になって帰りましたからね」と撮影を振り返った。

<長崎>

そんなキャスト陣の様子を見た山元監督は「1年前に撮影をして、五島も土浦も、どちらも思い出深いところになったので、ぜひ交流を深めていただけたら嬉しいです。プラスおいしいものを食べて帰ってきてください!」とメッセージを贈る。また、隣にいた桜田も「ヤッホー、こちらはお日柄がいいです!」と土浦会場、五島会場のキャスト陣に呼びかけ。そんな様子を見ていた黒川は「映像を見ても本当にうらやましい」と漏らしていた。

あたたかな雰囲気に包まれたイベントもいよいよ終盤。最後のメッセージを求められた山元監督が「映画『この夏の星を見る』は“距離の物語”となっております。それは身体的距離、心の距離、ISSと星との距離の物語です。コロナ禍当時、混沌とした中で距離を取らないといけなくなり、そこにはさみしさがあったり、超えなくちゃいけない壁を感じていたと思うんです。でもこの映画のように希望を持って、壁を越えていく、距離を超えていくことに邁進していけば、きっとたどり着くものがあるんじゃないかと。そういう願いを込めてこの映画をつくったので、皆さんに届いたら幸せだなと思います」とコメント。

桜田も「当時、学生だった皆さんを含め、その姿を見守ってきた親や先生など、どの世代の方々にも刺さる作品になったんじゃないかなと思います。人は誰しも生きていれば、乗り越えないといけない壁、試練、目的地までたどりつけないこともありますが、コロナによってそれが改めて浮き彫りになった。でも、たった一言のアイデア、たったひとつの思考で、こんなにも運命は変わって、目的地に辿り着けるんだと、この映画は証明してくれると思います。皆さんの背中をたくさんたくさん押してくれる作品になりました。皆さん公開まで盛り上げていただけますとありがたいです」と会場に呼びかけた。

【提供写真、オフィシャルレポート】

『この夏の星を見る』は2025年7月4日(金)より全国で公開
監督:山元環
出演:桜田ひより
 水沢林太郎、黒川想矢、中野有紗、早瀬憩、星乃あんな
 河村花、和田庵、萩原護、秋谷郁甫、増井湖々、安達木乃、蒼井旬
 中原果南、工藤遥、小林涼子、上川周作、朝倉あき、堀田茜、近藤芳正
 岡部たかし
配給:東映
©2025「この夏の星を見る」製作委員会