『ChaO』のジャパンプレミアが7月1日(火)に行なわれ、T・ジョイPRINCE品川で行なわれた舞台挨拶に鈴鹿央士、山田杏奈、太田駿静(OCTPATH)、青木康浩監督が登壇した。
ハイクオリティな映像と独特な世界観で世界中に多くのファンを抱えているクリエイティブ集団STUDIO4°Cの最新作で描かれるのは“種族と文化を超えた恋と奇跡の物語”。オリジナルアニメーションとなる本作では、絵を1枚1枚描く手書きアニメーションにこだわり、圧倒的な作画量と美しい背景美術で、瑞々しくもかわいく人間と人魚の恋模様を描く。本作の舞台は、人間と人魚が共存する未来社会。船舶をつくる会社で働くサラリーマンのステファンは、ある日突然、人魚王国のお姫さま・チャオに求婚される!!ステファンは訳も分からないまま、チャオと一緒に生活することに!?純粋で真っすぐなチャオの愛情を受けて、ステファンは少しずつチャオに惹かれていく。2人の恋の行方は―。主人公・ステファンの声を鈴鹿央士、ヒロイン・チャオの声を山田杏奈がW主演で担当する。
本作の大きな見どころといえば、どこにでもいそうな平凡な青年・ステファンと、そんなステファンに一途な想いを伝え続ける人魚姫・チャオが織りなす、ミラクルな恋の物語。徐々に惹かれ合うふたりの恋の行方にも目が離せない本作だが、その魅力について鈴鹿は「チャオが本当にチャーミングで一途なところだと思います」と表現。「一途な姿を見ているとキュンキュンしますし、“人魚と結婚なんて…”と動揺していたステファンも、チャオの一途な姿に心動かされるところもあったりして。心の繊細な動きが丁寧に描かれているので、その空気感がいいなと感じました」とアピールしていた。山田も「(チャオは)本当にステファンが大好きで、ステファンのために健気に頑張るところがとても魅力的だなと思いましたし、そんなチャオだからこそ次第に二人の姿が繋がっていくところが素敵だなと思いながら見ていました」と微笑む。
そんな二人の言葉に太田も「二人が理解しあっていくところが素敵でしたよね」と頷き、「観ているうちに二人が愛おしくなるというか、観終わった後に“可愛かったな”と思えるようなシーンもたくさんあって。ネタバレしちゃうので言えないこともたくさんあるのですが…、二人の掛け合いは魅力的ですよね」と語りかけていた。大絶賛する三人の言葉に監督は「お三方が(チャオの魅力を)全部話してくれた感じもしますが…」と照れ笑いを浮かべながらも、「ステファンもチャオも不器用なんですよね。不器用ながらにも、観終えた後には可愛く思えてくるような。どのキャラクターも観終えた後には可愛かったり、かっこよく思えてもらえるようなところがあると思います」と説明した。
鈴鹿は船舶をつくる会社で働く普通のサラリーマン・ステファン、山田はどこまでも素直で純粋な人魚王国のお姫さま・チャオを、そして太田はたまたまステファンのことを取材することになった新米記者・ジュノーをそれぞれ好演。それぞれに違った個性を持つキャラクターを演じているが、鈴鹿は「アニメーション作品で声優として参加させていただくのは経験が多いわけではないので、毎回難しいなと壁を感じることもあれば、奥深いなと思うこともあります」と前置きしながら、「いろんなアニメを観たり、ステファンはどんな声をしているんだろうと想像したり、声を考えたりしていました」と役作りを明かす。そんな鈴鹿は本番前に練習日を設けてもらっていたそうで、「僕が一番びっくりしたのは、練習と言われていた日に、(練習しているうちに)現場で“これもう録れるな”と言われて急に本番が始まって。心臓バクバクしました」と貴重なエピソードを明かしていた。
対する山田は「とにかく可愛く!と言われていて…」と制作陣からのオーダーを明かしつつ、「自分の中でも技術的な部分で言うと自信がないところもあったので、できる限り高い声で演じてみようとか、色々模索しつつアドバイスをいただきながら演じていました」と回顧する。そんな山田演じるチャオを監督は「この純粋な感じが、人間界に来てオドオドするチャオにピッタリでした。山田さん以外、チャオは見えてこないですよね。まさにチャオが一人歩きしているような感じです」と大絶賛の言葉を送り、太鼓判を押していた。一方、本作で声優初挑戦となった太田は「豪華なキャストの皆さんの中で出演させていただくことに正直不安なところもありましたが…」と当時の素直な心境を吐露。「“声優界のルール”みたいなものがあるのかわからなかったので、YouTubeで礼儀作法を勉強したりしました。レコーディングブースに入った後の流れなどを自分なりに勉強したんですが、僕一人での収録だったので役に立たなかったです(笑)」とまさかの珍エピソードを告白し、会場の笑いを誘っていた。
続いて、自身が演じたキャラクターとリンクする部分、あるいは惹かれる部分についての質問。鈴鹿は「ステファンは過去の出来事がきっかけで仕事に真っ直ぐ向き合っているキャラクター。僕自身、今はこのお仕事をさせていただいていますが、自分が続けたいと思っても簡単に続けられるようなお仕事ではないので、ステファンの一途な感じは素敵だなと思いましたし、自分もそんなふうになりたいなと」とリスペクトを明かした。
山田も「(本作の)取材の際に言われたのは、表情がすぐに顔に出るところが(チャオと)似てるね、と。チャオもコロコロ表情が変わるキャラクターなので、私もそういうところがあるのかなって。でも尊敬する一面の方が多いです」と笑顔を見せ、さらに太田も「ジュノーは真っ直ぐが故に、周りが見えなくなるようなところもあるキャラクターなんですが、僕自身、福岡から上京した際、両親に相談もせずに突っ走ってきたので、そんな真っ直ぐすぎて周囲が見えなくなるようなところはリンクするのかなと思います」と重ね合わせながら回答。キャスト陣それぞれの意外な素顔も垣間見え、会場を盛り上げていた。
そしてトークは、本作の嬉しいニュースについての話題に。世界最大級のアニメ映画祭「アヌシー国際アニメーション映画祭」において、日本映画として8年ぶり快挙となる長編コンペティション部門 審査員賞を受賞したことが改めてイベントでも伝えられると、会場からは大きな拍手が。現地で本編を見届けた海外ファンの熱狂ぶりが明かされると、「ありがたかったですね。こういう反応してくれるのかと安心しました」と監督も安堵した様子を明かし、「(配給会社が)チャオのぬいぐるみも作ってくださったんですが、アヌシーをチャオと歩いているとファンの方が“チャオ!”と声をかけてくれて。写真を撮ってくれたり、“(そのぬいぐるみは)どこで売ってるの?”と聞かれたりすることもありました」と“チャオフィーバー”が巻き起こっていたという。さらに監督らスタッフ陣にサインを求めるファンも殺到したようで、「チャオを描いたキャラクターデザインの小島さんと二人でサイン会が始まって。昼から夜中まで、紙がなくなるまで描き続けていましたね」とその反響ぶりを振り返っていた。
最後に山田は「ステファンとチャオをはじめとする個性的なキャラクターが魅力的で、きっと見始めたらあっという間の時間になるんじゃないかなと。海の世界観や街並みなど素敵で、この夏ぴったりな映画になっていると思います」、鈴鹿は「本作の独創的な世界観は観れば観るほどほどハマっていくと思います。本作の世界にどっぷり浸かっていただきたいなと思いますし、笑えるところもたくさんあるので、軽やかで楽しい気持ちで劇場を後にしていただけるんじゃないかなと。少しでもいいなと思っていただけたら、一緒に宣伝活動よろしくお願いします!」とそれぞれメッセージを送ると、会場からは再び大きな拍手が湧き起こる中、イベントが締めくくられた。
【提供写真、オフィシャルレポート】
『ChaO』は2025年8月15日(金)より公開
監督:青木康浩
声の出演:鈴鹿央士、山田杏奈
シシド・カフカ、梅原裕一郎/三宅健太/太田駿静、土屋アンナ
くっきー!、山里亮太
配給:東映
©2025「ChaO」製作委員会