長澤まさみ主演×大森立嗣監督『おーい、応為』に寺島しのぶ、大谷亮平、篠井英介、奥野瑛太ら実力派キャストの出演が発表された。

江戸時代、破天荒な絵師・葛飾北斎と、彼の娘であり弟子でもあった葛飾応為。「美人画では父を凌ぐ」と言われた才を持ち北斎の右腕として、そして数少ない女性の絵師として、人生を描きぬいた応為。夫と喧嘩し離縁、北斎のもとに出戻ったお栄(のちの応為)は、すでに有名な絵師だったがより高みを目指し、絵のことしか頭にない父・北斎と再び暮らし始めた。絵筆を握る父の背中を見つめながら、お栄もいつしか絵を描き始める。絵師として生きる覚悟を決めたお栄に北斎は名前を送る。――それが「葛飾応為」。それは、いつも北斎が「おーい、飯!おーい、筆!」と、何かにつけて、お栄に用を頼むことから付けられた、師匠から弟子へ、父から娘へと渡された名前だ。茶も入れられず、針仕事もできないが、親ゆずりの画才と豪胆さで、男社会を駆け抜けていった先駆的な女性アーティスト・葛飾応為とは。自分の心に正直に自由に生きた彼女が、最後にたどり着いた幸せとは——。監督・脚本を手がけるのは大森立嗣。主人公・葛飾応為を演じるのは長澤まさみ長澤にとって本作は初の時代劇主演作となる。

応為の母であり北斎の妻・ことを演じるのは、国内外の映画祭で数々の賞を受賞し、近年も『あちらにいる鬼』(2022)、『国宝』(2025)などの話題作で圧倒的な存在感を放ち続ける寺島しのぶ。病を抱える娘・お猶(おなお)と町外れで慎ましく暮らしながら、時に応為が訪れては心情を打ち明ける、強く優しい母親という役どころ。どこか飄々としながらも、時に鋭く娘を見抜く、揺るがぬ優しさを併せ持つ“こと”という人物を演じきっている。本作は、寺島が主演、大森立嗣が助監督を務めた2003年公開の映画『赤目四十八瀧心中未遂』以来、約20年ぶりの再タッグ、長澤とはNetflix映画『パレード』(2024)以来2回目となる。

葛飾北斎の門弟で売れっ子の絵師・初五郎(魚屋北渓:ととや・ほっけい)を演じるのは、韓国と日本を股にかけて活躍する大谷亮平。韓国で俳優としてキャリアを築いたのち、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(2016)で注目を集め、NHK連続テレビ小説「まんぷく」(2018)、映画・ドラマ『ゴールデンカムイ』シリーズ(2024)など話題作に出演し、幅広い表現力で注目を集めてきた。本作では、誠実で穏やかな佇まいを持ちつつも、どこかつかみどころのない男・初五郎を演じ、そんな初五郎の姿は応為にとっても自然と心を惹かれる存在として映っていく。

そして、応為たちの近所に暮らす元吉を演じるのは、女形として舞台を中心に活躍し、テレビや映画でも独自の存在感を放ってきた篠井英介。柔らかな所作と繊細な言葉づかいが印象的で三味線を弾きながら端唄(はうた)を歌う元吉は、応為の心の揺らぎを受け止める存在であり、町の中でもひときわ異彩を放つ役どころ。

また、陸奥津軽家藩主・津軽越中守の使いとして、北斎に屏風画の依頼に何度も足を運ぶ津軽の侍を演じるのはNetflix配信ドラマ「さよならのつづき」(2024)やNHK連続テレビ小説「あんぱん」(2025)などで注目を集める奥野瑛太。幅広い作品でバイプレイヤーとして着実にキャリアを重ねてきた実力派俳優・奥野が、本作では命じられた任務にひたむきに向き合う熱血漢をまっすぐに演じる。

寺島しのぶ(こと役)コメント

京都での3日間の撮影。あっという間に終わってしまいました。
大森監督の迷いのない演出、長澤まさみさんとの2回目の共演、又うまくいってない夫婦を永瀬正敏さんと演じ、
若松組でご一緒したスタッフの方々との撮影はとても楽しかったです。

大谷亮平(初五郎役)コメント

撮影からある程度期間が経ったとはいえ初五郎という役を何を考えどう演じたかさえ忘れてしまう程に現場ではその瞬間に身を委ねていた様に思います
目の前の風景をボーっと眺め、聞こえてくる自然豊かな音を味わいながら そんな感じでゆったりと、、潤沢な時間でした

大森監督とは役をどう演じるかという事や、その他にも色々お話させて頂きましたが、とても興味深い内容のものが多く、今回監督の世界観に少しでも入れて頂いた事はとても意義のある体験でした

篠井英介(元吉役)コメント

公開おめでとうございます!待ってました!
私は長屋の端唄、小唄のお師匠さん。日本の古典が大好きなのでこのお役嬉しい限りです。日本舞踊はお名取りな私ですがお三味線は先生が匙を投げるほどダメなので苦労しました(笑)。長澤まさみさんが素敵過ぎて緊張しました。私のお役がちょっとした映画のアクセントになっていたら本当に幸せです!

奥野瑛太(津軽の侍役)コメント

殿の命により葛飾北斎に屏風絵を依頼する津軽の侍を演じました。
大森組で時代劇!これだけでも楽しみで仕方なかったんですが、時代劇特有の言葉遣いに加え結構な津軽訛り。永瀬さん演じる北斎と長澤さん演じる応為のただならぬ迫力に自ずと吃ってしまって、今喋ってるこれが果たして正しい津軽弁なのかわからなくなってしまいました。
それくらい真に迫ったお二人の情熱と絵描きとしての姿にただただ圧倒されました。
お栄と父、応為と北斎。どこをどう切り取っても確かに存在する生活と生き様にずっと興奮しておりました。

『おーい、応為』は2025年10月17日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開
脚本・監督:大森立嗣
出演:長澤まさみ、髙橋海人、大谷亮平、篠井英介、奥野瑛太、寺島しのぶ、永瀬正敏
配給:東京テアトル、ヨアケ
©2025「おーい、応為」製作委員会