「負けたら即死」のゲームは、終わらない――Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン3で、ギフンがこれまでとは打って変わった一面を見せる。

本作は、膨大な借金や深刻なトラブルにより人生を諦めかけた者たちが、“人生一発逆転”できるほどの高額賞金を懸け、<子どもの遊び>になぞらえた「負けたら即死」のゲームに巻き込まれていく、世界的メガヒットのサバイバルスリラー。シーズン2が2024年末に世界配信されると5週連続でNetflix週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)の1位を記録し、世界を激震。シーズン1に続き、Netflix史上最多ビューの2位を記録し、すさまじい勢いで世界中を賑わせた。シーズン2では、一人でも多くの参加者を生存させるためにゲームの残忍性と中止を訴え続け運営側に反旗を翻したものの、反乱計画は失敗に終わり、さらには目の前で大切な親友の命を奪われてしまったギフン。シーズン3ではその後の彼が描かれることになるが、ファン・ドンヒョク監督は、「親友を含む多くの仲間を失ったギフンは絶望のどん底にいて、罪悪感と挫折感に押しつぶされそうになっています。心が折れて自信も喪失し、あらゆる希望も失ったかのように見えます」と言い、ギフンは最終章でこれまでの情に熱い姿とは一変して、闇落ちするほどに精神的に追い詰められた姿を見せることを明かした。

人生詰みかけだった気弱な男ソン・ギフン(イ・ジョンジェ)がゲームで優勝してから3年後。シーズン2では、ギフンが謎多きゲームの支配人フロントマン(イ・ビョンホン)に迫り、イカれたゲームに終止符を打つことを決意して再び舞い戻った。シーズン2でのギフンは、過去にゲームへ参加した経験から周囲のプレーヤーを導き、さらにゲームの続行を決める投票ではひたむきに中止を訴えるなど、一人でも多くの参加者を生還させようと必死に働きかける姿が目立った。しかし、ゲームが進むにつれて次々と凄惨な死を迎えるプレーヤーたちを前にした彼は、遂に運営側への復讐計画を実行。激しい銃撃戦が展開される最中、親友のチョンベ(イ・ソファン)がフロントマンに撃たれてギフンの目の前で命を落としてしまう。

そんなギフン首謀の反乱が失敗に終わった直後からスタートするシーズン3。「全てを失い、万策尽きたギフンは絶望のどん底にいて罪悪感と挫折感に押しつぶされそうになっています。心が折れて自信も喪失し、あらゆる希望も失ったかのように見えます。そして、抑えきれない後悔や罪悪感の矛先が他者へと向かってしまうんです。シーズン3ではギフンの変化、加えて彼の目の前に立ちはだかる壁をどう克服するのかが描かれます」と、ファン・ドンヒョク監督は最終章で描かれるギフンのこれまでにない姿に言及。仲間思いで、ゲームを終わらせるために闘志を燃やしていたギフンとは対照的に、正気を保てなくなるほど精神的に追い詰められた彼の姿が映し出されるという。

そんな、これまでとは打って変わった一面を見せるギフンを巧みに表現したイ・ジョンジェをファン・ドンヒョク監督は、「シーズン3のギフンはこれまでで最も暗く絶望的な状況に陥ります。彼は狂気の淵に立たされ自暴自棄になっていますが、イ・ジョンジェさんは最小限のセリフでギフンというキャラクターの深みのある変化を見事に表現してくれました。ギフンの視線や仕草からは言葉以上のものが伝わってきます」と称賛。

また、監督が太鼓判を押した演技を披露したイ・ジョンジェは、「多くの仲間がいなくなったことで、ギフンがどれほどの罪悪感に苛まれたのだろうかと考えました。特に親友のチョンベを失ったことは辛かったはずです。まともな精神状態ではいられないと分かっていました。全てを投げ出したいと思い、ゲームの中で何が起ころうと他の参加者に対しても自分自身に対しても、冷静に考える力を失っていました。しかし、物語の中である参加者がギフンの目を覚まさせる重要なシーンがあります。その場面はどんなに不幸なことがあっても、人は生きていかなければいけないのだということを教えてくれます」と、ギフンの苦悩を汲み取りながら彼の心情の変化を繊細に演じたという。

イ・ジョンジェが見せる新たなギフンの姿も気になるシーズン3。プレーヤーたちは再び非道なゲームに立ち向かうことになるが、そんなゲームの一つは、ヨンヒが再登場し、プレーヤーをかつてない地獄へと叩き落す“大縄跳び”であると明かされている。一体彼らを待ち受けているのは絶望なのか、希望なのか…全てが“イカしていて”、圧倒的に“イカれている”ゲーム終幕までのカウントダウンはもう始まっている。

Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン1~3は独占配信中