三宅唱監督最新作『旅と日々』ロカルノ国際映画祭に正式出品されることが決定し、併せて本編映像が解禁された。
『ケイコ 目を澄ませて』(22)、『夜明けのすべて』(24)など作品を発表するごとに、毎日映画コンクール、キネマ旬報など国内の賞を席巻し、ベルリン国際映画祭に3作が出品されるなど、現代日本映画界を牽引する存在として世界的に注目を集める三宅唱監督。最新作『旅と日々』はつげ義春「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」を原作に、シム・ウンギョンを主演、共演に堤真一、河合優実、髙田万作を迎える。脚本家の李(シム・ウンギョン)が旅先でのべん造(堤真一)との出会いをきっかけに、人生と向き合っていく過程を李本人が綴っていく物語。ひっそりと身を寄せ合う登場人物たちが、やさしさと愛おしさあふれるまなざしで描かれる。
今回、本作が8月6日[現地時間]からスイス・ロカルノで開催される第78回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に正式出品されることが決定した。1946年に始まり、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンと並ぶ世界四大映画祭の一つであるロカルノ映画祭。最高賞となる金豹賞を受賞した日本映画には、衣笠貞之助監督の『地獄門』(53)、市川崑監督の『野火』(59)など日本映画界の巨匠による傑作が並ぶ。近年では、青山真治監督『共喰い』(13)や濱口竜介監督『ハッピーアワー』(15)など世界を舞台に活躍する監督陣の作品がラインナップするなか、三宅監督作品は『Playback』(12)以来、13年振り2本目の出品という快挙となった。本作の公式上映には、三宅監督と主演のシム・ウンギョンが参加する予定。
三宅唱監督 コメント
ロカルノは私が初めて参加した国際映画祭でした。映画そのものへの親密な敬意が息づくあの空気を思い出すと、今も背筋が伸びます。10年以上を経て、『旅と日々』とともに再訪できる縁を、嬉しく、意味深く受けとめています。俳優やスタッフが季節をまたいで積み重ねてきた確かな仕事を、何より誇りに思います。
シム・ウンギョン コメント
三宅唱監督の素晴らしい世界観に参加できたことをとても光栄に思っています。
そして、ロカルノ国際映画祭という素敵な舞台で、皆さまに本作をお届けできることに、今から胸が高鳴っています。
『旅と日々』の初めての旅路、どうぞご一緒にお楽しみいただければ幸いです。
ロカルノ映画祭選考委員会 コメント
『旅と日々』は、まさに日本映画の最高峰を体現していると思います。哲学的でありながら気取らず、瞑想的でありながら地に足がついている。人生の意味や、私たちが(なぜか)選ぶ道、そして出会いがどのように私たちの存在の一部になっていくのかを静かに見つめている。この映画は、非常に繊細に、本質的な何か、人間の深い部分に触れています。
併せて解禁された5点の場面写真には、李(シム・ウンギョン)が雪景色のなかに佇む様子や、魚沼(佐野史郎)から旅を示唆するかのようにカメラを手渡される姿、そこにリンクするかのように夏の海でカメラを向けられる夏男(髙田万作)、自然に囲まれ息をのみながら空を見上げる渚(河合優実)の姿から、どこか浮世離れしたような雰囲気と、そこに息づく何気ない人々の営みが映しとられている。
『旅と日々』は2025年11月7日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開
監督・脚本:三宅唱
出演:シム・ウンギョン、堤真一、河合優実、髙田万作
配給:ビターズ・エンド
© 2025『旅と日々』製作委員会