堤真一&山田裕貴 W主演映画『木の上の軍隊』に各界の著名人からコメントが到着した。
1945年、沖縄県伊江島で激しい攻防戦が展開される中、2人の日本兵が木の上に身を潜め、終戦を知らずに2年もの間生き延びた――そんな衝撃の実話から着想を得た作家・井上ひさしが原案を遺し、こまつ座にて上演された舞台「木の上の軍隊」を映画化。宮崎から派兵された厳格な少尉を演じるのは、確かな演技力で日本の映画界を牽引してきた名優・堤真一。沖縄出身の新兵に抜擢されたのは、数々の話題作で存在感を示す山田裕貴。ダブル主演を務める堤と山田は初の共演ながら、阿吽の呼吸で極限状態の兵士たちを、繊細かつ力強く、そして人間らしい可笑しみをもって表現する。監督と脚本を手掛けるのは、沖縄出身の新進気鋭・平一紘。全編沖縄ロケ、伊江島では実際に生い茂るガジュマルの木の上で撮影が敢行された。
先行公開中の沖縄では、初週の金土日3日間の週末動員がNo.1を獲得。2週目には評判が評判を呼び、前週比115%を記録。沖縄・スターシアターズ系の4劇場では金土日3日間の観客動員、4週連続No.1を獲得するなど大ヒット中の本作。SNSでは「これまでにない戦争映画」「笑って泣けて、『生きる』素晴らしさを感じられる作品」「悲惨な中でも何気ない笑えるシーンが余計に心に突き刺さった」「最初から最後まで泣きっぱなし」「感動ました」など絶賛の声が多く寄せられている。そして7月25日の全国公開を前に、原作となるこまつ座の舞台関係者をはじめ、著名人からのコメントが到着した。
栗山民也(演出家)
ガジュマルの木の上で長い時を過ごした二人の兵隊に、一体どんな音が聞こえていたのだろう。
二人の間には怖いほどの沈黙が続く。まさに気の狂った時代を描いたこの作品のなかのその深い静寂から、
多くの沖縄の叫び声が痛いほどに響いた。たしかにその場に居たかのような感覚だ。
歴史が刻んだ多くの傷跡を、「私たち」の記憶として、今にそしてこれからへ、
しっかりと繋ぎとめなければならない。スクリーンを見つめながら、ずっと考えていた。
蓬莱竜太(劇作家)
舞台では木の上の二人を客席から観察するという視点でしたが、映画はまさに自分も木の上にいて、木の上からの景色を目にして、そして失われたものと生まれたものを共に体験する感覚になります。二人の兵士の闘いは最も近くにいるもう一人の兵士との闘いでもあります。
価値観との共生や対立。それこそが戦争そのものであり、だからこそ二人が辿り着いたラストシーンは、希望でもあり、祈りでもあるのだと感じました。
仲間由紀恵(俳優)
心が締めつけられました。そうだ、これが戦争なんだと思い知らされました。
2人が過ごしたあの2年間は意味のない時間だったんだろうか?
懸命に生きる2人の姿に、人として最も大切なことを感じました。
桐谷健太(俳優)
悲しすぎる。辛すぎる。
80年前に本当にあったという事実。今も何処かで行われているという事実。忘れてはいけない真実。
俺たちは、自分に無いものを誰かから奪うということから、今ここにある当たり前の日常を、何より幸せだと感じられることが出来るだろうか。
きっと変われる。映画の力を信じている。
北村匠海(俳優)
飢えや孤独が"生きる"という3文字を何度も何度もかき消そうとしていく中で、お二人の生き様が心を掴んで離しませんでした。
そしてガジュマルが、まるで優しい神様のようにそっと力強く根を張り二人を包んでいる。なんだかそれにすら泣けてきてしまいました。生きることとは、明日を迎えるという願いは、当たり前ではなく奇跡なんだと。改めて感じました。
僕自身も戦争を表現していた中で、仲間である山田裕貴くんの想いが自分と繋がった気がして嬉しかった。
今この時代に必要な作品です。お二人が本当に最後まで素晴らしかったです。
名嘉俊(ミュージシャン・HY ドラム)
事実を元に構成された映像に天国にいるおじい、おばあに命を選択して繋げてくれた事に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
木の上に2年という生活も人間が自然に生かされている事を改めて感じる中、山田裕貴さんをはじめキャストの皆さんの感情を剥き出しにする目だったりその一言一言が今の僕の心に響くものばかりでした。
軍艦で埋め尽くされた黒い海や砲弾で消えた緑や花々は今の沖縄にはありません。
あの時生きたかったみんなの夢が今日の沖縄なら僕たち世代は次の世代に何を残せるのか。
これからもHYは音楽を通して愛を届けていきます。
主題歌は同じ沖縄出身のAnlyさん!歌い始めも歌詞も最高でした。
キャストさんのウチナーグチ(沖縄なまり)
もすごく上手で沖縄県民は特にストーリーに入り込みやすいと思います。
たくさんの方々にこの映画と愛を。
武田真一(フリーアナウンサー)
木の上で繰り広げられるふたりの兵士の迫真の会話劇。戦闘シーンはほとんどないが、戦争の悲惨さ、愚かさに胸をえぐられる。「なんでここで戦うんですか」山田裕貴さん演じる新兵の叫びは、戦後80年のいまこそ心に刻むべき問いだ。
『木の上の軍隊』は2025年6月13日(金)より沖縄先行公開、7月より新宿ピカデリーほか全国で公開
監督・脚本:平一紘
出演:堤真一、山田裕貴
津波竜斗、玉代㔟圭司、尚玄、岸本尚泰、城間やよい、川田広樹(ガレッジセール)/山西惇
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2025「木の上の軍隊」製作委員会