石川慶監督×広瀬すず主演『遠い山なみの光』が9月4日[現地時間]からカナダ・トロントで開催される第50回トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部門に正式出品されることが決定した。

2017年にノーベル文学賞を受賞し、「日の名残り」「わたしを離さないで」など、映画化作品でも非常に高い評価を受ける作家カズオ・イシグロが、1982年に綴り、王立文学協会賞を受賞した⻑編小説デビュー作品「遠い山なみの光」。自身の出生地⻑崎を舞台として繰り広げられる本作は、戦後間もない1950年代の⻑崎、そして1980年代のイギリスという、時代と場所を超えて交錯する“記憶”の秘密を紐解いていくヒューマンミステリー作品。監督を務めるのは石川慶。主人公の悦子を務めるのは、抜群の演技力と表現力で映画・ドラマと幅広く活躍する広瀬すず。

今回、本作が9月4日~14日[現地時間]にカナダ・トロントで開催される第50回トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部門に正式出品されることが決定した。トロント国際映画祭は、北米最大級の観客動員を誇り、アカデミー賞の行方を占う“オスカーレースの登竜門”として、世界的にも注目される映画祭で、今年は記念すべき50回目の開催となる。本作はトロントで北米プレミアを実施する。

本作が上映されるスペシャル・プレゼンテーション部門は、世界各地の映画祭で高く評価された話題作や、気鋭監督の最新作、世界的な名匠の新作がラインアップされる注目のセクション。過去には是枝裕和監督の『怪物』や、濱口竜介監督の『悪は存在しない』などが出品されており、今年はすでにHIKARI監督の『Rental Family』や、ダニエル・クレイグ主演の『Wake Up Dead Man: A Knives Out Mystery』の出品が発表され、早くも大きな話題を集めている。

2025年5月に開催された第78回カンヌ国際映画祭では「ある視点」部門に出品され、公式上映には石川監督をはじめ、原作者でありエグゼクティブ・プロデューサーのカズオ・イシグロ、キャストの広瀬すず、吉田羊、カミラ・アイコ、松下洸平、三浦友和ら7名が登壇し、世界中から注目を浴びた。上映後のスピーチでイシグロは「石川監督が本作の映画化の企画をくださったときに、素晴らしいアイディアだと思いました。美しい映画が生まれる可能性に満ちていた。そして、僕のその直感は正しかった」と語っている。カンヌ、上海に続き世界を舞台に歩みを進める本作が、トロントの地でどのように迎えられるのか、今後の展開にさらなる期待が高まる。

石川慶(監督)コメント

初めてトロント国際映画祭に参加できることを嬉しく思います。トロントは、多様な文化や記憶が交差する街だと感じています。この地で、戦後を生き抜き、海を渡った一人の女性の物語が、誰かの記憶と響き合うことを願っています。

広瀬すず コメント

トロント映画祭!素直に嬉しいです。
紐が解いていくたび、振動が激しくなっていくような、当時長崎で生き抜いた女性たちが感じていたこの感覚を世界に知ってもらえる機会があると思うと、とても光栄に思います。
監督、すごいです。おめでとうございます!

『遠い山なみの光』は2025年9月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開
監督・脚本・編集:石川慶
出演:広瀬すず、二階堂ふみ、吉田羊、カミラ・アイコ、柴田理恵、渡辺大知、鈴木碧桜、松下洸平/三浦友和
配給:ギャガ
©『遠い山なみの光』製作委員会