『九龍ジェネリックロマンス』のジャパンプレミアが7月23日(水)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、吉岡里帆、水上恒司、竜星涼、栁俊太郎、梅澤美波(乃木坂46)、フィガロ・ツェン、花瀬琴音、池田千尋監督が登壇した。
累計発行部数150万部超え、「恋は雨上がりのように」の眉月じゅん最新作にして人気漫画「九龍ジェネリックロマンス」(集英社/ヤングジャンプ連載)がアニメ化に続き、実写映画化。過去の記憶がない鯨井令子と誰にも明かせない過去をもつ工藤発の恋。2人の距離が近づくほど深まっていく謎。その真相にたどり着く時、2人は究極の選択を迫られる―。本作の舞台となる美しくも妖しい街“九龍”を再現するため、全編真夏の台湾ロケを敢行。ノスタルジーに溢れる世界で、切ないミステリーと極上のラブロマンスが描かれる。鯨井令子役には、映画『正体』(24)で第48回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した吉岡里帆、工藤発役に『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』(23)で第47回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した水上恒司の配役でW主演を果たす。巨大製薬会社の社⻑・蛇沼みゆき役に⻯星涼、喫茶店・金魚茶館の店員タオ・グエン役に栁俊太郎、靴屋の店主で令子の親友になる楊明役に乃木坂46の梅澤美波、九龍のあらゆる店でアルバイトをしている小黑役に花瀬琴音、蛇沼と行動を共にし、九龍の街を調べるユウロン役にフィガロ・ツェンら豪華俳優陣が集結した。
台湾でロケを敢行した本作だが、その撮影について水上は「実際に台湾のロケ地を使って、狭くて味のあって古い建物がたくさんある中でできたので、そこから得られるパワーみたいなものはすごく感じましたね」と、現地のロケーションが持つ力に感銘を受けたと語った。
吉岡も「漫画の原作ファンの方は特に分かると思うんですけど、九龍という世界観、SFでファンタジーで、これをどうやって再現するの?って思われると思うんですけど、本当に街に対して『懐かしい』って思ってもらったりとか、『綺麗だな』って思ってもらえるあの感動は台湾で撮ったからこそだなって毎日思っていたので。ディテールから空気感まで楽しんでいただけるかなと思いますし、あとはキャストの皆さんの再現力というか、小黒とのシーンを撮った時も漫画から飛び出してきてるって感動しながら共演した」と明かし、「台湾の場所をお借りして、奇跡的なタッグで生まれた映画かなと思うので、ぜひ楽しんでもらいたいなと思います」と、キャストとロケーションが一体となって生まれた世界観に自信をのぞかせた。
池田監督はロケ地探しの苦労を振り返り、「本当に色とりどり豊かな皆さんが集まってくださって。今日ここで日本でこう揃って会うのがなんだか不思議な気持ちになるぐらい、台湾っていう異国で撮影するにあたって、心強かったですし、真摯に皆さんが役にも作品にも向き合ってくださって、楽しかったなという思いです」とキャストへの感謝を述べた。
さらに「九龍城砦っていう実際にモデルがある中で、それを私たちは新しい九龍として再現しようということだったので、場所を探すのもとても苦労したんですけど、私たちが撮影に行く所は結局、古い所を探しに行っていて。雑多さの中にパワーがあるし、その『汚い』って一言で言えない魅力がある場所を探していたので、エアコンがない場所もすごくたくさんあって。特に令子と工藤が働いている不動産屋とか、サウナのような暑さの中で、お二人が全く撮影中は全然(暑いと)言わない」と、過酷な環境でのキャストのプロ意識を称賛した。
これに対し、吉岡は「不動産屋さんは暑かったですね」と笑顔で同意。「美術チームが台湾のスタッフの方々が努力してくださっていて、作り込みが本当に美しい。こんな細かいところまで!っていうぐらい。すごいセンスがあって、そこは見てほしいです。クーラーを我慢した分の美術の美しさが映っていると思います」と、台湾の美術スタッフの仕事ぶりを絶賛した。
また、台湾出身のフィガロ・ツェンは、日本の撮影チームとの仕事について「とても楽しかったです」と語り、現場の違いを問われると「台湾と日本のチームはほとんど近いです。でも、台湾のお弁当は色々がありますね」と、ケータリングの豊富さを挙げると、吉岡が「10種類ぐらいの朝昼晩しっかり用意してくださって」と補足し、キャスト陣も頷きながら文化の違いに話が弾んだ。
【写真・文/編集部】
『九龍ジェネリックロマンス』は2025年8月29日(金)より全国で公開
監督:池田千尋
出演:吉岡里帆、水上恒司
栁俊太郎、梅澤美波(乃木坂46)、曾少宗、花瀬琴音
諏訪太朗、三島ゆたか、サヘル・ローズ/関口メンディー、山中崇、嶋田久作
竜星涼
配給:バンダイナムコフィルムワークス
©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会