『雪風 YUKIKAZE』全国先行上映会 札幌舞台挨拶が8月8日(金)に札幌シネマフロンティアで行われ、竹野内豊、玉木宏が登壇した。

80年前――平和な海が戦場だった時代、数々の激戦を最前線で戦い抜いた駆逐艦「雪風」は、僚艦が大破炎上していく中、絶えず不死身ともいえる戦いぶりを見せた。主力である甲型駆逐艦38隻のうち、ほぼ無傷で終戦を迎えたのは「雪風」ただ一艦のみだった。軽量で機動性に優れた駆逐艦は艦隊の先陣を切って、魚雷戦を仕掛け、対空戦闘によって、中心となる戦艦、空母などを護るのがその役目である。「雪風」は敵弾をかいくぐりながらその任務を果たし、必ず生き抜いた。そして決まって戦場に留まると、沈没する僚艦から海に投げ出された仲間たちを救い、共に帰還させた。つまり戦うために出撃しながら、最後は必ず人を救い、還ってくる。それこそが“幸運艦” “不沈艦”と呼ばれた「雪風」に課せられた天命ともいうべきものだったかもしれない。

全国6都市で行ってきた全国先行上映会は広島、福岡、名古屋、大阪、仙台と続き、ついに最終地の札幌へ。6都市での舞台挨拶に全て登壇してきた竹野内は今回の全国キャンペーンを振り返り「戦後80年、本当に多くの方々に、特に若い世代の方々に観ていただけたらと心から願っております」と改めて作品をアピール。ラストの舞台挨拶に参加となり最後を飾ることになった玉木は「美味しいところどりをさせていただいて、最後の札幌で参加させていただけて良かったです(笑)映画は宣伝命のところがあると思いますので途中参加ですみませんでした(笑)番宣はしっかりやりましたので」と会場の笑いを誘った。

“札幌と言えば?”という質問に竹野内は「とにかくご飯が美味しいですよね」と話すと会場からも拍手が起こり「海の幸はもちろんのこと、ラーメンも美味しいですし。もう何でも。野菜も」と続けた。玉木も「撮影で来ることが多かったので、ジビエ系の料理だったり、知り合いのお店の方が北海道のとうもろこしを家に送ってくれたみたいで、食べたいと思ってます」と北海道の名産物についても2人でトークを繰り広げた。

駆逐艦「雪風」の寺澤艦長役を演じた竹野内は本作の役どころを演じて「まず、私自身が戦争を体験していないので、自国を守るために最前線で戦う駆逐艦の艦長たる重責というのは想像を絶するものだったのですが、今回脇を固めてくださる皆さんが本当にすばらしくて、それぞれに信念を持って役に打ち込んでいる姿をみてとても刺激になりました。皆さんに支えてもらいながら艦長にしていただけたと思っております」と話した。玉木は作品について「戦争映画はたくさん作られてきたと思うのですが、今年が戦後80年という節目に何かを考えることはすごく大切なことだと思います。映画の“生きて帰る 生きて還す”というキャッチコピーの通り、前向きで生きる強さを感じられる作品になっていると思います」と話した。

今回が初共演となり、お互いの印象を問われると竹野内は「頼れる兄貴的な雰囲気をすごく感じることができて、他のキャストの方と接している姿を見ていても懐が深いなと思っていて、玉木さんがみんなを引っ張っていて先任伍長感がにじみ出ていて素晴らしかったです」と、そして玉木は竹野内の印象を「いつも穏やかな方なんだろうなと思っていて、懐が深いのは竹野内さんの方だろうなと思います。非常に穏やかな気持ちで撮影に臨めたのは竹野内さんのお陰だと思っています」と撮影を振り返りお互いの印象について明かした。

これから本編を鑑賞する観客に向けて、玉木は「この作品を観終わった後に、しっかり生きようとか、待ってる人のもとに帰ろうとか、優しい気持ちが伝わるような映画になっていると思います。ただ史実を描いただけの作品ではなくて、ここにはヒューマンドラマが詰まっていますので、そういう思いで最後まで見届けていただけたら幸いです」とメッセージを贈り、竹野内は「戦争を実際に経験してきた方から当時の話をうかがう機会もなくなってきていて、戦争という現実味も時の経過と共に薄れていくなかで、一生涯をかけて命の尊さや平和を願って伝え続けてくださった方々から、私たちが戦後80年というタイミングでバトンを受けとるべき時期に差し掛かっているのではないかと思います。歴史を知識として勉強しても実感できないと思うのですが、当時を生きた方の心情を映画で体感することで、その情景を深く皆さんの記憶の中に残せるのではないかと、そこに本作の大きな意味があると思っております」と最後に挨拶し、舞台挨拶を締めくくった。

【提供写真、オフィシャルレポート】

『雪風 YUKIKAZE』は2025年8月15日(金)より全国で公開
監督:山田敏久
出演:竹野内豊、玉木宏、奥平大兼、當真あみ
 藤本隆宏、三浦誠己、山内圭哉、川口貴弘、中林大樹、田中美央
 田中麗奈、益岡徹、石丸幹二、中井貴一
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/バンダイナムコフィルムワークス 
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