芥川賞作家・村田沙耶香のベストセラー小説を実写映画化した『消滅世界』の公開日が11月28日(金)に決定し、併せて音楽をD.A.N.が担当することが発表された。
原作「消滅世界」は、現在累計170万部を超える芥川賞受賞作「コンビニ人間」直前の2015年12月に刊行された長編小説。超少子化の先―「性」が消えゆく世界で激動する「恋愛」「結婚」「家族」のあり方に翻弄される若者たちを描いた本作は、「常識」という枠の中でもがく現代の私たち自身を映し出した合わせ鏡のような作品。MTV出身で国内外の様々なアーティストのライブやミュージックビデオ、CM、ショートフィルム、大河ドラマのドキュメンタリーなど多岐にわたるフィールドで活躍する映像ディレクター・川村誠が脚本とともに映像化に挑む。独自の世界観を築いてきた映画的・音楽的感性を存分に活かして、本作では繊細かつ耽美な異世界観を追求する。主人公・雨音役を演じるのは蒔田彩珠。雨音の夫・朔には栁俊太郎。
今回、本作の公開日が11月28日(金)に決定した。メイン館となるのは、来年1月12日をもって閉館することが発表された新宿シネマカリテ。そのほかの映画館は公式サイト等で随時発表される。
また、本作の音楽に、国内外で高い評価を得るバンドD.A.N.が参加することが発表された。唯一無二の音楽性で日本のミュージックシーンに革新をもたらしてきたバンド D.A.N.(ダン) が、本作の主題歌および劇伴を担当する。D.A.N.は櫻木大悟(G, Vo, Syn)、市川仁也(B)、川上輝(Dr)の3名からなるロックバンドで、ヨーロッパやアジアでもツアーを敢行、James BlakeやThe xxの来日公演ではオープニングアクトを担当し、FUJI ROCK FESTIVALにも3度出演。ジャパニーズ・ミニマル・メロウをクラブサウンドで追求する稀有な実力派アーティスト。
2022年末よりライブ活動を休止しソロ活動などを行なっていた彼らが、今年キャリアの節目となる結成10周年を迎え、活動を再開。さらに進化を遂げたサウンドは、本作に新たな次元をもたらし、観る者を未踏の映画体験へと誘う。
主題歌は、D.A.N.の魅力であるミニマルかつ有機的なグルーヴ、鋭利なサウンドデザインとエモーショナルな余白が織り成す、まさに“新章”の到来を告げる楽曲。そして作品の世界観を内側から拡張するような、儚くも微かな光をもたらすような歌詞は、映画としての奥行きをさらに深化させている。劇伴音楽もまた、シーンごとに呼応するように生み出され、映像と音が溶け合うことで、観客をより深く作品の内部へと引き込む構成となっている。「音と映像の結晶」とも言える本作は、まさにD.A.N.だからこそ成し得たコラボレーション。彼らの10年の軌跡と、新章突入を象徴するサウンドトラックに仕上がっている。
『消滅世界』は2025年11月28日(金)より新j区シネマカリテほか全国で公開
監督・脚本:川村誠
出演:蒔田彩珠
栁俊太郎
恒松祐里、結木滉星、富田健太郎、清水尚弥、松浦りょう、岩田奏/山中崇/眞島秀和/霧島れいか
配給:NAKACHIKA PICTURES
©2025「消滅世界」製作委員会