『火喰鳥を、喰う』の完成披露試写会が8月19日(火)に都内で行われ、水上恒司、山下美月、宮舘涼太(Snow Man)、森田望智、豊田裕大、本木克英監督が登壇した。
物語はある日、久喜雄司(水上恒司)の元に、かつて戦死したはずの祖父の兄・貞市が書いたという謎の日記が届くところから始まる。“火喰鳥、喰いたい”という生への執着が記されたその日記を読んだ日を境に、雄司と妻の夕里子(山下美月)の周囲では、不可解な出来事が頻発するようになる。貞市の日記が引き起こす、存在しないはずの“過去”は少しずつ“現実”を侵食していき――。「死者の日記」から始まったのは、“事件”か、あるいは“怪異”か。原作同様、全く先読みのできない衝撃のミステリーホラーが誕生する。監督を務めるのは、『超高速!参勤交代』シリーズや、『空飛ぶタイヤ』(18)、『シャイロックの子供たち』(23)などを手がける本木克英。主演は本作が映画単独初主演作となる水上恒司。ヒロインを務めるのは山下美月。
宮舘が演じるのは、物語の鍵を握る超常現象専門家・北斗惣一郎。胡散臭さと説得力という相反する要素を併せ持つ、ミステリアスな役どころだ。宮舘は開口一番、「北斗という役は、自分にとってすごく難しい役柄でした」と、役作りの苦労を率直に語った。
他のキャストよりも2週間ほど遅れて撮影に参加したことについて、「皆さんが(チームとして)出来上がっている中にインさせていただいたので、夏休み明けの転校生のような気持ちでした」と独特の表現で心境を吐露。会場からくすくすと笑いが漏れると、「ここ笑うところです」と付け加え、一気に会場を和ませた。
そんな宮舘の撮影初日は、膨大なセリフ量の長回しシーン。宮舘は「監督に、どうしても僕はこの長ゼリフを一回しでやらせてくださいというオーダーをさせていただき、撮っていただきました」と、自ら高いハードルを課して撮影に臨んだことを明かした。
この北斗という役の難しさについて、主演の水上も「誰がやっても絶対難しいと思う。あの胡散臭さっていうものと、でも説得力を持たせたいっていう、その塩梅がめちゃくちゃ難しい」と分析。その上で、「(宮舘さん以外の)他の人が演じる北斗は考えられない」と、宮舘が生み出したキャラクターを絶賛した。
そんな役作りについて、宮舘は「胡散臭さと説得力を出すために、今回は眉毛の演技にも挑戦していますので、ぜひその様子もご覧いただけたらなと思います」とアピールし、会場が笑いに包まれると、宮舘はすかさず「笑わないでくださいね、そのシーンは」と付け加え、さらに大きな笑いを誘った。
その長ゼリフへの挑戦の理由を聞かれると、宮舘は「質問ありがとうございます」と返し、「今回、言葉だけとか演技の技術があんまりないなと思ったので、全部“音”でセリフを覚えるようにしていたんです」と告白。そのこだわりに感心した森田が「どうやって覚えるんですか?」と聞くと、宮舘は「やります? 家での様子を。台本をまず右手に持ちますでしょ」と、台本を片手で持つ仕草を見せた宮舘は、ステージ上をゆっくりと歩き始め、「持ったままセリフを言いながら、こう回るんですよ、家を。で、同じ場所にまた戻ってくる。そうすると、自然と覚えられるんですよね」と明かした。
【写真・文/編集部】
『火喰鳥を、喰う』は2025年10月3日(金)より全国で公開
監督:本木克英
出演:水上恒司、山下美月、森田望智、吉澤健、豊田裕大、麻生祐未/宮舘涼太(Snow Man)
配給:KADOKAWA、ギャガ
©2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会