『ベートーヴェン捏造』プレミアムナイトが8月20日(水)に丸の内ピカデリーで行われ、山田裕貴、古田新太、染谷将太、神尾楓珠、前田旺志郎、小澤征悦、小手伸也、野間口徹、関和亮監督が登壇した。

19世紀ウィーンで巻き起こる音楽史上最大のスキャンダルの真相に迫った歴史ノンフィクションの傑作『ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく』(かげはら史帆著/河出文庫刊)を基に実写映画化した本作。偉大なる天才音楽家ベートーヴェン。誰もが知るそのイメージは秘書による“でっちあげ”だった―。世の中に伝わる崇高なイメージを“捏造”したのは、彼の忠実なる秘書・シンドラー。憧れのベートーヴェンを絶対に守るという使命感から、彼の死後、“下品で小汚いおじさん(真実)”から“聖なる天才音楽家(嘘)”に仕立て上げる。シンドラーはどうやって真実を嘘で塗り替えたのか―。脚本を務めたのはバカリズム。監督は関和亮。ベートーヴェンへの愛が重すぎる忠実なる秘書・シンドラーを演じるのは山田裕貴。愛ゆえに暴走していくシンドラーの姿を情熱的に、時に切なく演じる。そして、シンドラーから熱烈に敬愛されるベートーヴェンを演じるのは古田新太。

大きな拍手の中、劇中衣装に身を包んだ山田、古田らキャスト陣と関監督が登壇。主演の山田は「今日初めてお客様にどういう風に捏造されたのか見て貰えるということで、すごく楽しみです」と挨拶。ベートーヴェンを演じた古田は「意外にベートーヴェンに見えるもんでしょう。僕らが想像しているベートーヴェン、結構嫌な奴なんでお楽しみに」と不敵な笑みで観客の期待を煽った。

イベントは登壇者たちの絢爛な衣装の話題からスタート。19世紀の衣装を着た感想を問われた山田は「1920年代くらいのイギリスのモーニング。ベートーヴェンの時代よりは少し後なんですけど」と解説しつつ、「動きづらいです。この首がもう嫌で、今も」と本音を漏らし会場は笑いに包まれた。一方、重厚な衣装の古田は「クソ暑いんだよ、これ」と明かし、「メッシュとかでやってくれないかな」と続け、会場を沸かせた。

役作りについて古田が「役に入ったことないから分かんねぇな」と古田節を炸裂させると、山田は「『役に入ったことがない』って言う割に、ベートーヴェンにしか見えなくて。僕はもう、立ってるだけで笑えてきちゃって。面白かったです、本当に」と撮影現場での古田の存在感を絶賛した。

本作は、ヨーロッパの壮大な風景が描かれるが、撮影は最新技術「バーチャルプロダクション」を駆使し、ほぼ都内で行われたという。その撮影方法について山田が「いや、ウィーンで5か月…」ととぼけると、すかさずMCから「捏造ですね」と指摘が入り、山田は「はい、捏造」と笑顔で返す一幕も。シンドラーのライバルとなるホルツを演じた神尾は「映像で見たときに違和感があるんじゃないかと疑っていたんですけど、完成を見たら全くそんな違和感がなくて、本当に海外に行ってるかのように見えた」と最新技術のクオリティに驚きを見せた。この撮影について古田は「(以前出演した)バカリ(ズム)ちゃんのドラマもそれだった。高いらしいのよ、そのスタジオ借りるの。海外行った方が安かったんじゃねえの」と冗談めかして語った。

ベートーヴェンへの忠誠を誓うシンドラー(山田)と、世渡り上手でベートーヴェンに気に入られるホルツ(神尾)はライバル関係。神尾は「シンドラーとは1対1で話すシーンがなくて、遠隔で対決してるみたいな感じ」と役柄の関係性を説明。すると山田は「対立する役だったんで、もう楓珠見るたびにムカついてましたね。これ本心です」と冗談交じりに語り、火花を散らした。そんな2人を前に、古田は「そりゃ楓珠のほうが可愛いから」と即答。山田に向けて「お前のことは信頼してるけど、可愛いのは楓珠」と言い放ち、会場の笑いを誘った。

そんなキャスト陣を前に関監督は「本当に豪華なキャストが、昔のヨーロッパの、当時にいた方たちを本当に演じてますので、この世界に浸っていただいて、あとベートーヴェンの素敵な音楽がたくさんかかりますので、色々楽しみに観てください」と見どころを語った。

【写真・文/編集部】

『ベートーヴェン捏造』は2025年9月12日(金)より全国で公開
監督:関和亮
出演:山田裕貴、古田新太、染谷将太、神尾楓珠、前田旺志郎、小澤征悦、生瀬勝久、小手伸也、野間口徹、遠藤憲一
配給:松竹
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