主演に岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市を迎えた井上剛監督最新作『アフター・ザ・クエイク』の本予告映像と場面写真が解禁された。

原作は、2000年に刊行され、25年経った今も世界中で愛読されている村上春樹の傑作短編連作『神の子どもたちはみな踊る』(新潮文庫刊)。同著に収録されている4編をベースに一部時代設定を変更、1995年から2025年の30年にわたる物語として新たに生まれ変わった。誰もが抱く孤独をマジックリアリズムを交え描き出し、別々の時代・場所に生きる4人の物語が時空を超えて未来へ繋がってゆく。先の見えない現代を生きる私たちが、今見るべき希望の物語が誕生した。

今回解禁された本予告映像は、謎めいたシルエットと、東京の地下通路を歩く二人の姿から始まる。「巨大な蛙の姿をしたかえるくんがいて、こう言うんだ――“東京を壊滅から救ってほしい”」という言葉とともに、時代を越えて交差する物語が静かに動き出す。

描かれるのは、1995年、2011年、2020年、2025年――30年間に点在する人々の姿だ。小村(岡田将生)は、小さな荷物を釧路へ運ぼうとし、順子(鳴海唯)は過去を背負ったまま焚き火のそばに座っている。善也(渡辺大知)は「君は選ばれた子ども」と告げられ、片桐(佐藤浩市)は謎の男・クシロに「本当に僕のことを覚えていないんですか」と問われる。橋本愛、唐田えりか、黒崎煌代、黒川想矢、渋川清彦、井川遥、錦戸亮、堤真一らの姿も映し出され、それぞれの時代で交わされる言葉が、見えない痛みや迷い、孤独や不安といった内面を静かにあぶり出していく。

後半では、「ぼくたちの物語は30年前の、あの大きな地震のあとから続いている」という言葉とともに、大友良英による音楽にも変化が。「なんで俺だけ生きとんやろ」「私ってからっぽなんだよ」「何が起こるかなんて、わからないんだからさ」といったセリフとともに、さまざまな想いが交錯していく――。そんな中、突然巨大なかえるくんが片桐の前に現れ、「再び僕を助けてください」と語りかけるのだ。ラストは、「過去から現在へ、4つの時代が時空を超えてつながるとき――照らされる、明日への希望」というナレーションと共に、それぞれの時代に光が差し込むようなシーンで締めくくられる。

本予告映像

併せて解禁となる新たな場面写真では、それぞれの時代の印象的な瞬間が切り取られている。1995年は、小村と橋本愛演じる妻・未名がソファに並ぶ姿や、TVをじっと見つめる未名の姿などが収められている。2011年では、順子が堤真一演じる関西弁の男・三宅とコンビニで対峙するシーンに加え、黒崎煌代演じる恋人・啓介と自宅で向き合う場面も。

2020年は、渡辺大知と黒川想矢がそれぞれ演じる善也が、渋川清彦演じる宗教団体の指導者・田端と向き合う場面や、井川遥演じる母の戸惑いの表情を捉えたカットが登場。2025年では、片桐が、のんが声を演じるかえるくんや、錦戸亮演じる謎の男・クシロと対話する姿が切り取られている。

『アフター・ザ・クエイク』は2025年10月3日(金)よりテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほかにて全国で公開
監督:井上剛
出演:岡田将生、鳴海唯、渡辺大知/佐藤浩市
 橋本愛、唐田えりか、吹越満、黒崎煌代、黒川想矢、津田寛治
 井川遥、渋川清彦、のん、錦戸亮/堤真一
配給:ビターズ・エンド
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