愛を知らずに育った3人の若者たちの青春と闇ビジネスから抜け出す3日間を描く逃亡サスペンス映画『愚か者の身分』が第30回釜山国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されることが決定した。
第二回大藪春彦新人賞受賞作、西尾潤の「愚か者の身分」(徳間文庫)を、Netflixシリーズ「今際の国のアリス」や『幽☆遊☆白書」(2023)などの話題作を手掛けるグローバルコンテンツを創造するプロデューサー集団 THE SEVENが初の劇場作品として映画化。監督は人間ドラマを巧みに描くことに定評のある永田琴、主演に北村匠海、共演に綾野剛、林裕太の豪華実力派キャストを迎え、現代日本に生きる若者たちと隣り合わせにある“闇”をテーマに描いた逃亡サスペンス。
今回、9月17日~9月26日に韓国・釜山で開催される第30回釜山国際映画祭のOPEN CINEMA部門に正式出品されることが決定した。本作が選出されたコンペティション部門は、第30回を記念して、これまでの非コンペ型から変換し今年から新設された部門で、世界三大映画祭と謳われる<カンヌ、ベルリン、ヴェネチア>と同様にコンペ形式へと歴史的な転換を迎えると発表された、釜山国際映画祭のメインコンペティション部門。1996年に創設され、世界中の映画人から愛されるアジア最大級の映画祭のひとつとして、アジア映画のさらなる飛躍を後押し、大きな期待と注目を集めるこの部門で、本作はアジア各国から選ばれた14作品の精鋭作とともに、最優秀作品賞を含めた5つの釜山アワードを巡って競うことになる。
釜山国際映画祭側は、その選定理由について「複雑な心理劇であり、若者たちの成長物語であり、暴力が現実の奥深くまで浸透した現代大都市を冷静に映し出す自画像」と評価。選出決定を受けて、永田琴監督と、闇ビジネスに手を染めながら、騙した犯罪者を気に掛ける一面も併せ持つ繊細かつ大胆な若者タクヤを演じた主演の北村匠海から喜びのコメントが到着した。さらに、新場面写真3点が解禁された。闇ビジネス”の世界で生きるしかなかった3人に、この先どんな未来が待っているのか――3日間ノンストップで疾走する逃亡サスペンスに期待が高まる。
永田琴(監督)コメント
釜山国際映画祭コンペティション部門選出の第一報を聞いた時、3人のメインキャストと一緒にいました。だから冷静なフリをしていたんですが、しばらく言葉が出ませんでした。この映画祭の土俵に上がることは、監督として目標であり夢でした。信じられないという思いが正直なところで、翌日、やっとジワジワと喜びが湧いて来たほどです。
これまであまり映画祭に縁のない映画制作をしてきた私にとって『愚か者の身分』は紛れもなく勝負作です。それをアジア最大の釜山国際映画祭でワールドプレミアとして上映できることは、本当に監督冥利に尽きます。しかも今年は30周年という記念すべき年。こんなに嬉しく光栄なことはありません。このご縁と幸運に心から感謝いたします。
北村匠海(タクヤ役)コメント
『愚か者の身分』を釜山国際映画祭のコンペティション部門に選出していただきました。大変嬉しく思います。青春も悲劇も痛さも愛おしさも全て平等に詰まっている映画だと僕は感じています。日本の片隅でひっそりと生きていて、誰からも目を向けられず、それでも「俺たちは確かにここに居るぞ」と小石を投げながら叫ぶ彼らの思いを是非観ていただきたいです。
心臓の鼓動を感じてください。
僕らは確かに生きたんだ。それはきっと誰かが抱きしめてあげなければいけないと思うのです。
『愚か者の身分』は2025年10月24日(金)より全国で公開
監督:永田琴
出演:北村匠海
林裕太、山下美月、矢本悠馬、木南晴夏
綾野剛
配給:THE SEVEN、ショウゲート
©2025映画「愚か者の身分」製作委員会