『君の声を聴かせて』のジャパンプレミアが8月28日(木)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、ホン・ギョン、ノ・ユンソ、キム・ミンジュ、チョ・ソンホ監督が登壇した。
誰もが経験したことのある恋のときめきと、人生の迷いさえもキラキラと輝くような⻘春のひとときを、美しい夏の日々とともに清々しく描いた本作。2009年に制作され、その年の国内興行収入第1位を記録した台湾映画『聴説』(09)。14年の時を経て韓国でリメイクされた本作『君の声を聴かせて』は昨年、釜山国際映画祭で上映され、一般公開を迎えた後も観客動員数初登場第1位、公開月の興行成績1位を獲得するなど観客の熱い支持を集めた話題作。主人公ヨンジュンを演じるのはホン・ギョン。ヨンジュンが恋に落ちるもう一人の主人公ヨルム役にはノ・ユンソ。ヨルムの妹ガウルには、元IZ*ONEのキム・ミンジュが扮し、商業映画デビューを果たした。聴覚障がい者が登場する本作において、会話の大部分は手話によって繰り広げられ、口で喋るセリフは極端に減らしている。通じているのは「言葉」でなく「心」だと素直に感じとれる繊細な物語が、単なるラブストーリーの枠には収まらない大きな感動と癒やしを与える。
大歓声に包まれて登場したキャストと監督だったが、ステージに上ったところでキム・ミンジュの靴のストラップが外れてしまうハプニングも。しかし、すぐ後ろを歩いていたホン・ギョンがすかさずフォローした。今回、映画のプロモーションで来日することになったホン・ギョンは「好きな日本の監督や俳優がたくさんいます。作品で日本に来ることができて、映画を上映することができて嬉しいです」と喜んだ。
ノ・ユンソは「実は先週衝動的に福岡に旅行に行って、(それ以来)1週間ぶりに東京に映画と一緒に来ることができて嬉しいです。仕事で、作品と一緒に日本に来ることができて不思議に思っています。作品を愛していただけたら嬉しいです」と明かし、キム・ミンジュは「これまではIZ*ONEの活動でよく日本に来ていたんですけど、久しぶりに来日できてとても嬉しいです。いつもファンのみなさんが待っていてくださるので、その気持ちに感謝しています」と喜んだ一方で、「かっこよく素敵に登場したかったんですけど靴の紐がほどけてしまって」と照れ笑いを浮かべた。
役作りでは「このストーリーは誰かに初めて恋に落ちる物語でもあるんですけど、一目惚れをしたり、一目で恋に落ちる瞬間を経験されると思います。向き合ったときの感情を刻みたいと思いました」というホン・ギョン。ノ・ユンソは「ヨルムの立場であればこうだったんじゃないかと理解ができた」といい、「両親と離れて生計を立てなければいけない責任を背負っています。私であってもそうしたんじゃないかなと」と共感している様子で、「目の前にある現実の問題を解決していく」というアプローチをしたという。
水泳のオリンピック代表を目指すという役どころのキム・ミンジュは「もともと水泳はできなかったんです。台本を読んだときにガウルと私は性格が似ていると思ったのでキャラクターをうまく表現したいと思いました。そのためには水泳も頑張ってやらないといけない」と振り返り、「水泳の練習は確かに大変ではありましたが、最大限練習を重ねて、ガウルの夢に向かって進んでいくという気持ちで練習しました」と明かした。
劇中では手話によるコミュニケーションが行われるが「クランクイン前に2か月半から3か月手話を学ぶ練習期間を与えてくださいました。慌てることなくゆっくりと手話を学ぶことができました」というホン・ギョンは、その期間を通じて「私たちも自然とお互いに親しくなることができました。手話を学ぶことはもちろん大変なこともありましたが、ネガティブな意味での大変さではなく、楽しく学ぶことができました」と振り返った。また、「会話をするときに私たちは言葉を交わしながら、ときには目を見ないで話したり、別のことを考えながら話を聞いていることがあります。でも手話は全神経を集中させて目を合わせる必要があります。相手の心を理解するのはどいうことなのか、心を感じるのはどういうことかをじっくりと考えて、振り返ることができました」と語った。
「思っていた以上に手話を学ぶことがおもしろく楽しかった」というノ・ユンソは「表情を読み取ったり、言葉ではない体が何かを表現していることをとらえていくことでもありました。演技面でも、手話を通じていろんなことを学びましたし、成長できたと思いました」といい、キム・ミンジュは「最初はうまくできるかなと思っていたんですけど、実際に習ってみたら楽しかったです。ホン・ギョンさんとノ・ユンソさんと一緒に息を合わせながら習っていったので気持ちが楽になりました。お互いに目を見て演技をすることになるので、演技をする上でも手話は助けになりました。手話を習う機会があって嬉しかったです」と振り返った。
また、ホン・ギョンは「誰かが誰かに恋に落ちることは当たり前かもしれませんが、現代では人に恋に落ちるのも難しいことなのではないかと思っています」といい、「映画では人が恋に落ちることがしっかりと描かれています。私たちは音があることが当たり前の環境の中で、音がない状況、そのことによって相手の心をしっかりとのぞき込むことができるということがこの映画に込められています」と
メッセージを送った。
【写真・文/編集部】
『君の声を聴かせて』は2025年9月26日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開
監督:チョ·ソンホ
出演:ホン・ギョン、ノ・ユンソ、キム・ミンジュ
配給:日活/KDDI
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