劇場アニメーション映画『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』のスペシャルトークイベント付き上映会が9月8日(月)に丸の内ピカデリーで行われ、原菜乃華、マイカ ピュ、小野友樹、音響監督を務めた山田陽、篠原俊哉監督が登壇した。
本作の主人公を演じるのは、『すずめの戸締まり』で主人公の声優に抜てきされ、2025年前期NHK連続ドラマ小説『あんぱん』への出演など若手俳優のブレイク筆頭株として注目が集まる原菜乃華。周囲の顔色を窺いがちで、何もかもがうまくいかないと思い悩んでいるが、ある日、不思議の国に迷い込むことになる現代の大学生の女の子・りせ を等身大に演じる。そして、不思議の国の世界で、りせと一緒に様々な出会いをしながら旅をするアリスを演じるのは、実写映画『はたらく細胞』で血小板役を演じた注目の子役マイカ ピュ。物語はりせがアリスと出会うことで動き出していく――。
原のキャスティングについて篠原監督は「(演じるりせと)年齢が同じということもあって共感があるんじゃないかということがひとつ。あとは今までに出ていらした映画やドラマの声を聞いて、澄んだ透明感のある声がいいなと」と話しつつ、「ちょっと影がある感じが、りせを演じるときにいいフックになりそう」と明かした。これに原は「『声の表現に影があって素敵です』と言ってもらえて、それがすごく嬉しくて」と振り返り、「自由に好きなように演じてくださいと役を託していただけたのが自信につながりました」と明かした。
その原とは『すずめの戸締まり』(2022)に続いて2度目のタッグとなった音響監督を務める山田は「『原さんどうですか』と話が来た時に、3か月くらい訓練して録った1作目があったので」と振り返りつつ、1作目のアフレコ時には「『ジャージ来て来い』って言って」という山田は「声優って動けないんです。立ってやらないといけない。これって俳優さんにとっては地獄だと思う」というと、原は「マイク前で音が鳴らないジャージで動きながら録ったりしていました」と明かした。
また、「(『すずめの戸締まり』では)(松村)北斗くんとジャージ着てね」という山田は、その経験もあったことから「原さんならすぐにいけます」と自信を持っていたという。
一方で、事前に相談したという山田に対して「『不安です』と相談させていただいて。アフレコも結構間が空いていたから、マイク前に立っている感覚も薄れてきていたので」と答えた原だが「『大丈夫でしょ』と自信を持って言い切ってくださって、それで肩の力が抜けた。山田さんが“大丈夫”と言うなら大丈夫なのかな」と安心したという。
マイカについては「アリスの声は芝居が作られすぎるのが嫌だった」という篠原監督は「マイカさんの声がちょっと男の子っぽいところがあってアリスにピッタリ」といい、さらに「笑い声はネイティブなものは芝居ではなかなか出せないのでよかった」と決め手となったという。マイカ自身も「女の子っぽくというのは、普段でもあまり意識していなくて。男子っぽいというのはちょっと分かります。お母さんにもよく言われる(笑)」と明かした。
【写真・文/編集部】
『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』は全国で公開中
監督:篠原俊哉
声の出演:原菜乃華、マイカ ピュ
山本耕史、八嶋智人、小杉竜一(ブラックマヨネーズ)
山口勝平、森川智之、山本高広
木村昴、村瀬歩、小野友樹、花江夏樹/松岡茉優
間宮祥太朗、戸田恵子
配給:松竹
©「不思議の国でアリスと」製作委員会