劇場長編アニメーション『ひゃくえむ。』の公開記念スペシャル座談会映像が公開された。
原作は、「チ。―地球の運動について―」で手塚治虫文化賞マンガ大賞を史上最年少受賞した新鋭・魚豊の連載デビュー作「ひゃくえむ。」(講談社刊)。陸上競技の世界で、「100m」という10秒に満たない一瞬の輝きに魅せられた者たちの狂気と情熱を描いた物語は、「心が熱くなる」「スポーツ漫画で感じたことない感覚」と多くの共感と驚きを呼び、完結後も熱狂的な人気を集めている。 声の出演には、生まれつき足の速い“才能型”のトガシを松坂桃李、トガシとの出会いから、100m走にのめり込んでいく“努力型”の小宮を染谷将太と声優としての評価も高い実力派キャストがキャラクターに命を吹き込む。監督は、長編1作目の『音楽』で「アニメ界のアカデミー賞」と名高い米アニー賞ノミネートをはじめ、国内外の多数の映画賞で高い評価を受ける気鋭のクリエーター・岩井澤健治。
今回、原作者・魚豊と、劇中で個性豊かなスプリンターたちの声を務めたW主演の松坂桃李&染谷将太、内山昂輝、津田健次郎の5人による座談会が実現した。松坂は生まれつき足の速い天才スプリンタートガシを、染谷は、トガシとの出会いから100m走にのめり込んでいく“努力型”の小宮、内山は、日本陸上界の絶対王者・財津、津田は、財津に王者の座を阻まれ続ける海棠を演じた。「チ。―地球の運動について―」に続き2作目の魚豊作品参加となる。
魚豊は顔出しNGのため、梅がのった鱧の湯引きの絵を描いたパネルに向かって話すというなんともシュールなやりとりにキャスト一同とまどいつつも、魚豊に質問ができる貴重な機会ともあって胸を躍らせながら座談会はスタート。主人公・トガシ役の松坂が、まずは本作を観た感想について魚豊に質問すると、「漫画とは全然違う表現で、走っているシーンもロトスコープなので生々しくリアルになっていてよかった。皆さんの声が入っていて素晴らしかったです」とキャスト陣の演技に賞賛した。
続けて染谷から劇場アニメ化されて驚いたところについて質問を受けると、高校生編の全国大会のシーンの話題に。選手たちがトラックに入り、スタート位置につくまでが3分以上の長回しで描かれる、岩井澤監督も特にこだわったシーンだ。声優陣も「あのカット大好き」「斬新だった」と口を揃える緊張感と興奮が詰まったシーンはぜひ劇場でご覧いただきたい。
そして、内山からの「劇場アニメ化が決まった今連載開始当時の自分に声をかけるとしたら?」との問いかけには、「初めは単行本が出ないという話もあったが、そこから映画化になったのは本当にうれしい。皆さまのおかげだなと思います」と読者への感謝の気持ちを語った。最後に津田から、生み出す際に特に印象深かったセリフを聞かれると、魚豊は、「浅く考えろ。世の中舐めろ。保身に走るな。勝っても攻めろ」小宮の高校にやってきたインパクトのある財津のセリフを挙げた。その流れで各々が自身の好きなセリフを語り合う一幕も。
魚豊も絶賛する、原作漫画とは異なるアニメーションならではの表現方法や、一同納得の注目シーンをはじめ、人の心を掴むセリフについての連載秘話に加え、染谷と魚豊が自慢だと語る意外な共通点など思いがけない縁も明らかに―。
公開記念スペシャル座談会映像
『ひゃくえむ。』は2025年9月19日(金)より全国で公開
監督:岩井澤健治
出演:松坂桃李、染谷将太
笠間淳、高橋李依、田中有紀
種﨑敦美、悠木碧
内田雄馬、内山昂輝、津田健次郎
配給:ポニーキャニオン/アスミック・エース
©魚豊・講談社/『ひゃくえむ。』製作委員会