第36回山本周五郎賞候補にもなった浅倉秋成の小説を山田篤宏監督が実写映画化した『俺ではない炎上』の場面写真が解禁された。
原作は、ジャンプSQ.で連載中の漫画「ショーハショーテン」の原作・脚本や、第43回吉川英治文学新人賞候補になり映画化もされた「六人の噓つきな大学生」などの浅倉秋成の同名小説。SNSで根拠の乏しい情報が<真実>となり大きな事件へと発展する現代の冤罪の恐怖を描いた意欲作。ある日突然SNSで身に覚えのない事件の犯人に仕立て上げられ逃亡をはかる主人公・山縣泰介を演じるのは阿部寛。彼を取り巻く登場人物には、山縣泰介を追う謎の大学生・サクラに芦田愛菜、大学生インフルエンサー・住吉初羽馬に藤原大祐、取引先企業の社員・青江に長尾謙杜、そして泰介の妻・芙由子に夏川結衣らが集結した。
本作は、“大手企業のごく普通の営業部長”である山縣泰介が、突如SNSで個人情報をさらされ、殺人犯として追われることになる逃亡劇が描かれる。今回解禁された場面写真とメイキング写真は、身に覚えのないSNSの炎上によって疑心暗鬼に陥り、決死の逃亡劇を繰り広げる主人公・山縣泰介の姿が切り取られている。
不安げな表情で自宅へと歩いて向かう場面や、バス停で何かに怯えるかのように佇む場面。心身ともに疲弊しきった泰介が、マチ子(美保純)が営む「スナックしずく」の駐車場で抜け殻状態になっている様子を捉えた場面や、「スナックしずく」の扉からひょっこり顔を出すシーンで、緊張、不安、恐怖といった感情に今にも押しつぶされそうな表情を見せる。
さらに、道端に座り込み、一歩も動けなくなってしまった泰介が落胆の底に沈んだ表情を見せるカットも。クールで頼りがいのある普段のイメージから一転、怯える阿部寛、ボロボロの阿部寛…これまでとはまた違った阿部寛を堪能できる写真の数々となっている。本作でも唯一無二の存在感を発揮している阿部寛の演技は必見だ。
筒井プロデューサーは「サスペンスとしての逃亡劇はもちろん、主人公である山懸泰介が追い詰められてボロボロになっていく姿も見どころである。阿部演じる泰介が、身に覚えのない投稿によって、追いかけられ逃げ惑う姿は、深刻であればあるほど、観客にとって滑稽でもある。まさにチャールズ・チャップリンの名言『人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である』の通り、主人公にとっての悲劇が、観客にとって喜劇的にも見えてくる」と、本作の見どころを語っている。
『俺ではない炎上』は2025年9月26日(金)より全国で公開
監督:山田篤宏
出演:阿部寛
芦田愛菜、藤原大祐、長尾謙杜
三宅弘城、橋本淳、板倉俊之、浜野謙太、美保純、田島令子
夏川結衣
配給:松竹
©2025「俺ではない炎上」製作委員会 ©浅倉秋成/双葉社