内田英治監督×北川景子主演『ナイトフラワー』の撮影現場レポートが到着し、併せてメイキング写真が解禁された。

内田英治監督自ら原案・脚本も務める本作は、借金取りに追われながら東京へ逃げてきた母親が、2人の子供の夢を叶えるためにドラッグの売人になることを決意し、危険な世界へと足を踏み入れていく衝撃のヒューマン・サスペンス。主人公・永島夏希を演じるのは北川景子。本作では、ほぼスッピンで顔を崩して大きく笑い、関西弁で捲し立て、泣きじゃくり、夜のネオン街を全力で駆け回るなど、今まで見せたことのない表情で強くたくましい母を熱演している。共演に森田望智。北川演じる夏希のボディガードとしてシスターフッドを繰り広げる格闘家・芳井多摩恵を演じる。

内⽥英治が原案・脚本・監督を手掛けた渾身のオリジナル作品の撮影が、2024年11月下旬から約1か月間、関東近郊を中心にオールロケで行われた。⽣活に困窮し、⼦供のためにドラッグの売⼈になることを決意する主人公・夏希を演じるのは、国民的人気俳優の北川景子。今回の北川は、全編ほぼすっぴん。⽩く化粧っけのない肌に、⻘く染めた髪。恰好もいたってカジュアルで、“⾝なりなんかに構ってられない”ギリギリの⽣活感がひしひしと伝わってくる。子役の渡瀬結美(小春役)と加藤侑大(⼩太郎役)とは、撮影前のエチュードで仲を深めたようで、序盤から2人は北川に懐いていた。

そんな家族の1シーンから撮影が始まると、朝から元気に走り回る小太郎を「ねむた…」と気だるそうにあしらう夏希。美しい横顔には日々の疲労の蓄積がにじむが、小太郎を黙らせようとガバッと抱きしめる姿には、我が子への愛情があふれている。その後早口の関西弁で子供たちをせかし自転車に乗せる芝居などが続くが、時には細かいアドリブも織り交ぜる北川のナチュラルさは想像以上。ちなみに夏希が話す関西弁は、関西弁の中で最もノーマルとされる“摂津弁”なのだが、撮影前に北川から「どこの方言にしますか?」と製作陣に質問があったそうで、さすがはネイティブ関西人の北川ならではの着眼点だ。「お前は王将の回しもんか!」と絶妙な間合いで入れるツッコミなど、北川の“関西グルーヴ”が夏希に与えるリアリティは計り知れない。

ドラッグの売⼈という危険な世界に⾜を踏み⼊れる夏希に⼿を差し伸べ、ボディガードとして⼿を組む多摩恵を演じるのは、演じる役柄ごとに全く異なる顔を⾒せる実⼒派俳優・森⽥望智。北川と森田の関係性は本作の重要なポイントとなるが、内田監督の意向により、あえて2人は撮影初日まで会わないでいたという。初日は、サトウ(渋谷龍太)の手下にボコられた夏希を成り行きで家まで送り、傷の手当をしてやる多摩恵といった順撮りに近いシークエンスだったが、初対面にして初共演とは思えないほどに2人の間には親密な空気が流れる。その後、小春が作ったオムライスをがつがつと頬張る多摩恵は、休みなく食べ続け見事完食!思わず「大丈夫ですか?」と声をかけるスタッフに、「大丈夫です~!早く食べ終えられて良かった(笑)」と多摩恵とは180度違うキュートな雰囲気で答えていた。

また、夏希が多摩恵に「家族になってほしい」とどしゃ降りの中懇願するシーンでは、2人の熱演に涙するスタッフも。12月末の雨降らしは過酷以外の何ものでもなかったが、ずぶ濡れになりながら「子供たちに未来見せてやりたいねん!」という夏希の魂の叫びを、全身で受け止める多摩恵。カットがかかった瞬間笑い合いながら抱き合う2人の姿は、孤独な女たちのシスターフッドを鮮やかに体現していた。

映画『マッチング』に続く内⽥作品への出演となる佐久間大介は「内田さんは映像芝居の面白さを教えてくれた恩師」と語るほど並々ならぬ思いで挑む。トレードマークのピンクヘアを黒く染め、キラキラしたアイドルオーラを封印。明るさの中にも翳りのある瞳で幼馴染の多摩恵を一途に想い続ける海に投入した。夏希と出会い危険な道へどんどんはまり込んでいく多摩恵に「どういうことだよ!」と激高する芝居場では、ロケ現場となった駐車場中に響き渡るような声量で熱演。激しいアクションもさすがの身体能力で軽々とこなし、ボロボロの“裂傷メイク”が施された自分の顔を見て「いって~!痛くないけど!(笑)」と終始内田組を楽しんでいた。

本作が俳優デビューとなる渋谷龍太は「緊張しました」と語っていたのが嘘のように悠然たる佇まいで夜の街を仕切る麻薬密売の元締め=サトウを怪演。「じ~っと蛇みたいに(夏希を)見て」という監督の演出通り、不気味な妖しさの中にも抗いがたいオーラのあるサトウを着実に作り上げていく。違法ドラッグをさばくサトウのアジトでのシーンは、北川、森田、佐久間、渋谷が顔を揃える貴重なシーンでもあったが、意外にも現場の雰囲気は和気あいあい。サトウの部下たちは全員治安悪めのルックだが、「ちょっと礼儀正し過ぎるよ!」と監督がイジリ全員が笑顔になるなど、シーンとは対照的な空気感の中で順調に撮影は進んでいった。

撮影最終⽇は年の瀬も押し迫った12⽉末。夏希たち家族と多摩恵が揃う、本作を象徴するような“疑似家族”の温かいシーンとなった。子供たちからの挨拶に始まり、笑顔に包まれたクランクアップで北川は「夏希ほどではないですが私も⽇々追い⽴てられるように⽣活しているので、夏希には共感しやすかったです」と、実生活と重ね本作への思いを吐露。「夏希は、誰か周りに⽀えてくれる⼈、助けてくれる⼈がいれば道を踏み外すことはなかった⼈です。家庭に恵まれず、社会の救いの⼿が⾏き届かないという状況で、必死にもがき、⽣きようとします。⼦どもを守りたいという⺟の強い想い、腐った世界でもなんとか前向きに⽣きようとする泥臭さを、⾒守っていただけたら幸いです」と力強く語る。モラルや正論を飛び越えたひとりの母親のたくましい生きざまを、是非スクリーンで見届けてほしい。幸せを求めて暴走する、感涙のヒューマンサスペンス、映画『ナイトフラワー』は11月28日(金)全国公開。

『ナイトフラワー』は2025年11月28日(金)より全国で公開
原案・脚本・監督:内田英治
出演:北川景子、森田望智、佐久間大介(Snow Man)、渋谷龍太/渋川清彦、池内博之/田中麗奈、光石研
配給:松竹
©2025「ナイトフラワー」製作委員会