君嶋彼方による小説を主演:芳根京子×共演:髙橋海人で実写映画化した『君の顔では泣けない』の場面写真が解禁された。
物語の始まりは、高校1年生の夏。プールに一緒に落ちたことがきっかけで、心と体が入れ替わってしまった坂平陸と水村まなみ。これは何かの間違い、と元に戻ることを信じその方法を模索し奔走する。しかし、誰にも言えない秘密を抱えた陸とまなみは、15年経っても元には戻らなかった。人生の転機を入れ替わったまま経験していくふたり。しかし30歳の夏、まなみは「元に戻る方法がわかったかも」と陸に告げる。主演は芳根京子。入れ替わったことをなかなか受け入れられないまま馴染めず、不器用でありながらも誠実に生きようとする主人公・坂平陸を、揺れ動く衝動と痛みをもって演じ切った。そして、陸と入れ替わってしまう水村まなみ役には髙橋海人。心に【まなみ=女性】である本音を隠し、うまく【陸=男性】として気丈にふるまう難しい役どころを、柔らかな眼差しと感情で体現した。監督は『決戦は日曜日』(2022)の坂下雄一郎。リアルとフィクションの境を繊細に編み、入れ替わったまま大人になっていくふたりの時間を切なく、そして瑞々しく描き出している。
今回、芳根演じる陸と、髙橋演じるまなみ、“入れ替わり”を経験する2人の人生の岐路での一コマ捉えた場面写真が解禁された。高校1年生の夏に入れ替わってから、15年間入れ替わったままの人生を生きてきた陸とまなみ。
“入れ替わり”というとどこかコミカルな作品の印象が強いが、原作者である君嶋が同作を執筆したきっかけは、“入れ替わり”というテーマに興味を抱いた時に、“実際にそうなった場合、本人たちはこの上なく大変なのではないか”と考えたことだった。「肉体的なこともそうですが、友人や家族はもちろん、本来の自分自身として会えない状況になるわけだから、もっと悩んだり苦しんだりするはず。自分だったらどうするか、なるべくシリアスに向き合って、真剣に書きたいと思いました」と言う君嶋は、数ある映画化のオファーの中から、コメディタッチにしないという坂下監督のスタンスを聞き、「作品を理解してくださっていると感じ、坂下監督に託そうと思いました」と語る。
入れ替わりを経験する陸・まなみを演じた芳根と髙橋。互いの人生を歩んでいることで、自分の身に起きる出来事に素直に反応することができず、常に葛藤や迷い、戸惑い、切なさなど様々な感情を抱く様子を細やかに演じ切った。「2人はあまりにも自然で見落としてしまいそうな細かな動きやしぐさまで、陸とまなみという役をただただ生きていただきました。お互いを思いやる気持ち、戻りたいけど戻らないほうがいいんじゃないかという葛藤、本作にそこはかとなく漂う優しさと切なさと温かさはこの作品唯一無二のものだと思います」とプロデューサーの小西も自信を覗かせる。
普段は明るい笑顔を見せ、入れ替わった人生を歩んでいながらも、ふとした時に垣間見える一瞬の表情は、その胸の内に様々な感情を内包していること感じさせる。今回解禁されたスチールでも、芳根・髙橋の意味深な表情が印象的に切り取られており、それぞれが車の中で自分の“本当の想い”と向き合う一連のシーンも見逃せない。
『君の顔では泣けない』は2025年11月14日(金)より全国で公開
監督・脚本:坂下雄一郎
出演:芳根京子、髙橋海人
西川愛莉、武市尚士
中沢元紀、林裕太/石川瑠華、前野朋哉/前原滉、ふせえり
大塚寧々、赤堀雅秋、片岡礼子、山中崇
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2025「君の顔では泣けない」製作委員会