10月27日(月)~11月5日(水)に開催される第38回東京国際映画祭にて、特別功労賞を吉永小百合に授与することを発表した。
吉永小百合には1959年に『朝を呼ぶ口笛』で本格的な映画デビューを果たして以来、常に第一線で活躍され、その出演映画の本数は120本以上に及ぶ。キャリアを通じて、芸術性と大衆性を兼ね備えた数多くの傑作に出演され、日本アカデミー賞では史上最多となる最優秀主演女優賞を4度受賞(『おはん』『天国の駅 HEAVEN STATION』、『つる-鶴-』『華の乱』、『長崎ぶらぶら節』、『北の零年』)。また、文化功労者としての選出をはじめ、紫綬褒章を受章されるなど、その功績は国家レベルで高く評価されている。
自ら企画を手掛けた『ふしぎな岬の物語』ではモントリオール世界映画祭で審査員特別賞グランプリ&エキュメニカル審査員賞をW受賞。以降も『母と暮せば』や『こんにちは、母さん』などで戦争の記憶や命の尊厳をテーマにした作品にも精力的に取り組み、今年の映画祭のオープニング作品でもある『てっぺんの向こうにあなたがいる』では世界で初めてエベレストに登頂した女性を演じている。常に挑戦者として、そして女優としての品格をもって、日本の映画文化の向上に多大な貢献を果たしてこられたその功績に対し、心からの敬意を表し、特別功労賞を授与することとなった。
安藤裕康(東京国際映画祭チェアマン)コメント
吉永さんは、長年にわたり幾多の困難に立ち向かいながら日本映画の頂点に上りつめた方です。その姿は、この度主演された『てっぺんの向こうにあなたがいる』の中で女性として世界初のエベレスト登頂を成し遂げた不屈の登山家の姿と重なります。その映画が東京国際映画祭のオープニング作品として上映される機会に、吉永さんの偉大なご功績に対する敬意と感謝の証として特別功労賞を贈呈できること栄誉に思います。
第38回東京国際映画祭は2025年10月27日(月)~11月5日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催