『ストロベリームーン 余命半年の恋』の初日舞台挨拶が10月17日(金)に丸の内ピカデリーで行われ、當真あみ、齋藤潤、池端杏慈、中条あやみ、伊藤健太郎、田中麗奈、酒井麻衣監督が登壇した。
TikTokで話題となり、令和イチ泣けると話題の芥川なおによる純愛小説「ストロベリームーン」が、『余命10年』(22)、『いま、会いにゆきます』(04)などの脚本を手がける岡田惠和と、『美しい彼~eternal~』(21)などの監督を務める新進気鋭の若手実力派監督・酒井麻衣のタッグによって実写映画化される。余命半年と宣告された桜井萌が、高校1年生の春、一生分の恋をする物語。萌は小さい頃から病弱で、家の中だけで過ごす日々。優しい父母と過ごしながらも学校にも通えず、友達もできない萌。そんな時、余命が残り半年であることを宣告され、家族は悲しみに包まれる。しかし、ある理由から萌は高校に通うことを決意する。そして入学式の日、初対面にも関わらず同じクラスになった佐藤日向に突然の告白。驚く日向だったが、萌の猛アプローチにより付き合うことになる。初めて「恋人」という存在ができた2人は、少しずつお互いの距離を縮めていく。いよいよ萌の誕生日、6月4日には萌が憧れていた好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれるという満月「ストロベリームーン」を見に行くことに。しかし、その日を境に萌は学校から姿を消し、日向は萌と連絡が取れなくなる…。萌が消えた理由、そして13年後に届く真実とは―。
本作が長編映画初主演となった當真は、昨年の撮影からプロモーション活動まで、長い年月を駆け抜け、映画公開を迎えた心境について「撮影から約1年が経ち、たくさんの取材などもさせていただいて、公開が迫っていることにワクワクしていたのですが、昨日の夜はドキドキして寝れなかったです。しかし、今日はこうして皆さんにお越しいただけて嬉しい気持ちでいっぱいです」と清々しく喜びを語った。そして齋藤は、當真演じる萌の恋人・佐藤日向をこの上なく見事に演じ切ったことについては「原作は最初に読んだ時から、lこの作品が大好きで。日向くんを演じられることが本当に幸せでしたし、キャストの皆さんやスタッフの方まで、たくさんの方の支えがあって、僕は日向としていられることを実感する日々でした」とこちらも充実感漂う笑顔。
そして、萌のたった1人の親友として、健気な友情物語を彩る高遠麗を好演した池端は、當真、齋藤と過ごしてきた日々を「二人とも本当に優しいんです。萌と日向そのもので心強かったですし、本当にクラスメイトのようでしたね。」とコメント。そんな中で撮影中の思い出を聞かれ、「好きな色を聞き合ったこと」という何とも健気な回答が。隣で思わず中条も「可愛い(笑)」と呟く中、好きな色として、當真が赤、池端が紫、齋藤はピンク、中条も紫、そし伊藤は青とそれぞれの好きなカラーをアピールするほのぼのとしたトークが行われた。
フレッシュなキャスト陣のトークを微笑ましく見守っていた中条は、池端演じる麗の13年後の役柄として出演。若手俳優陣の芝居や、彼女たちが紡ぎ出す青春模様について「台本に書いてあるように、麗は萌や日向と過ごしてきたんだなということをすごくイメージできました」と温かく印象を語ると、3人の若手キャストの芝居についても「私が言うことは何もないくらい素敵でした!」と大絶賛し、「実際に完成した映画を観ていると、本当に楽しそうで。逆に私も高校生役で一緒に出演したかったくらいです」とポツリ。それに対し隣の伊藤が「歳(の影響)かな」とツッコみ笑いを誘っていた。
そして今回が初めての舞台挨拶登壇となった、伊藤健太郎。吉澤要人演じるカワケンの13年後としての登場となったが、MCから「カワケンいい男ですね!」と少しユーモアを交えて振られると、思わず照れ笑い。その上で、「台本をいただいた時に、学生時代の皆さんが作り上げる純粋で眩しい空気感は絶対に壊したくないと思いましたね。出来上がった作品を鑑賞したときは、本当に心洗われる映画だと思いましたし、少しの出演でしたが、参加させていただけてよかったです」と役ヘのこだわりを明かすとともに、出演の喜びを振り返っていた。
またユースケ・サンタマリア演じる桜井康介と、田中麗奈演じる桜井美代子の両親と娘の萌の家族愛も大きな反響を呼ぶ中、本作出演にあたり意識したことを聞かれた田中は「顔立ちや表情など、あみちゃん演じる萌を完全に自分の娘と重ねて演じさせてもらっていました。撮影中も、あみちゃん自身がまっすぐで純粋な子なので、一生懸命な姿を見ていると愛情が湧いてきますし、私もより母親としていられたと思います。時折辛いシーンもあるのですが、そういったところも含めて自分自身を投影させられた役でしたね」と、撮影当時の心境を赤裸々に語った。
ド脚本家・岡田惠和とのタッグのもと、本作のメガホンをとった酒井麻衣監督は「まず原作者の芥川先生に、物語を生み出していただけたことへの感謝を伝えたいです。そして脚本家の岡田さんにバトンが渡った中で、原作の良さを活かしつつ、岡田先生ならではの視点での物語にしていただけました。1日1日が本当にかけがえのないものであることが伝わる作品なので、ぜひ皆さんにも観ていただきたいです」と映画公開を迎えた感慨深い思いを明かしていた。
本作は映画公開に先駆けて、全国で約2万人のファンに向けて、各地で試写会を実施。舞台上にはそこで寄せられた感想の数々が大きく表示される中、當真は「泣いたということをたくさん言っていただけていることが嬉しいですし、幅広い世代の方にこの作品が届いていることが実感できますね」と、心温まる反響への感謝を語っていた。トークは続き、平成から令和にかけて、長きに渡って活躍し続けるORANGE RANGEの主題歌「トワノヒカリ」。先日の沖縄キャンペーンでは、現地の高校でのサプライズ歌唱が大きな話題となった中、楽曲への想いや聴いてみての感想については、「作品に寄り添った歌詞や曲調などからも、本当に映画の延長線上にある主題歌だなと思って。心を少し持ち上げてもらえるような一曲だと思います」(當真)、「萌と日向がストロベリームーンを観に行く時の情景が思い浮かびましたし、2人の儚さと強さを表した歌詞を聞くと、また前を向いて生きていけるなと感じました」(酒井監督)と両者それぞれが熱く感謝の想いを馳せていた。
その後の企画トークのお題は、劇中で主人公の萌が「ストロベリームーン」を見たいという願うことになぞらえて、「2025年度残り2か月で叶えたい願い」について。開口一番に伊藤が、「小さい時からスカイダイビングで空を飛びたいという想いがあるので、年内にぜひやりたいですね!」と意気込むも、中条は「この映画をたくさんに観ていただくことが願いです」と作品のロングランヒットを誠実に祈願。するとその流れに呼応するかのように、池端が「まだ1回しかこの映画を観れていないので、あと5〜6回は観たいです」、田中が「実は娘がこの映画を観たがっているんです。なので、娘と観に行きたいですね。」、酒井監督は「いろんな方に映画を見て欲しいのですが、高校生パートはもちろんのこと、両親や13年後の人物たちの思いもたくさん伝わってくる話なので、いわゆる親御さん世代にも観ていただきたいですね」と、連続して映画についての思いをそれぞれが真面目に語った。
それに対して、1人だけプライベートでの自身の願望となったことに伊藤は、思わず「皆さんずるいですよ!(笑)勝手にいっぱい汗かきました」とタジタジの様子。そんな伊藤を気遣うかのように齋藤は「僕も空を飛びたいんです(笑)」と笑いを交えつつ、「でも一番の願いはやっぱりこの映画の大ヒットです」と堂々たる回答。最後に當真は、「私も死ぬまでには空は飛んでみたいです(笑)。1年の残りの月日が少なくなると、色々考えてしまうのですが、ふと思ったのは萌ちゃんのように、好きなことやものに熱中できる時間が欲しいですね」と自身なりの考えを披露していた。
そして、映画公開初日を迎えたお祝いとして、月の形を模した「ムーンくす玉」が登場。當真と齋藤による「ストロベリームーン 余命半年の恋」という掛け声に対し、他の登壇者と観客全員の「公開おめでとうー!」という反応で、くす玉が見事に割られ、会場からは大きな拍手が送られていた。
最後に酒井監督は「毎日生きていく中でかけがえのない日々を過ごしているということを私自身も改めてこの作品から教えてもらえました。自分のこともですが、目の前にいる人のことも大切にしたいと思っていただけるような作品になっていると思います。たくさんの方に作品が届くことを願っております」、當真は「ピュアな初恋から、友情に家族愛まで、この作品は、キャストとスタッフの皆様から、ファンの方々など、ここまで携わってくださった人たちの愛が詰まったものです。その愛をまっすぐにたくさん受け取ってくだされば嬉しいです。今日はありがとうございました!」と、珠玉のヒューマン・ラブストーリーの魅力を語りイベントは幕を閉じた。
【提供写真、オフィシャルレポート】
『ストロベリームーン 余命半年の恋』は全国で公開中
監督:酒井麻衣
出演:當真あみ、齋藤潤/杉野遥亮、中条あやみ
池端杏慈、黒崎煌代、吉澤要人、伊藤健太郎、泉澤祐希、池津祥子、橋本じゅん
田中麗奈、ユースケ・サンタマリア
配給:松竹
©2025「ストロベリームーン」製作委員会