
綾野剛主演最新作『星と月は天の穴』のアザービジュアルと場面写真が解禁された。
キネマ旬報脚本賞に5度輝いた⽇本を代表する脚本家・荒井晴彦。⾃ら監督を務めた作品では⼈間の本能たる“愛と性”を描き、観る者の情動を掻き⽴ててきた。最新作『星と月は天の穴』は、長年の念願だった吉行淳之介による芸術選奨文部大臣受賞作品を映画化。過去の離婚経験から女を愛することを恐れる一方、愛されたい願望をこじらせる40代小説家の日常を、エロティシズムとペーソスを織り交ぜながら綴っている。主人公・矢添克二を演じるのは、荒井と『花腐し』(23)でもタッグを組んだ綾野剛。これまでに見せたことのない枯れかけた男の色気を発露、過去のトラウマから、女性を愛すること、愛されることを恐れながらも求めてしまう、心と体の矛盾に揺れる滑稽で切ない唯一無二のキャラクターを生み出した。矢添と出会う大学生・紀子を演じるのは咲耶。女性を拒む矢添の心に無邪気に足を踏み入れる。矢添のなじみの娼婦・千枝子を田中麗奈、さらに柄本佑、岬あかり、MINAMO、 宮下順子らが脇を固める。
今回、本作のアザービジュアルと新場面写真5点が解禁された。アザービジュアルは、ブランコを漕ぐ紀子(咲耶)と、それを自宅マンションから見下ろす矢添(綾野)の姿が空気感とともに写し出される。撮影したのは、写真家の野村佐紀子。荒井監督とのタッグは『身も心も』(97)『火口のふたり』(19)、『花腐し』(23)に続き4作目となる。彼女が撮る写真は、エロスとタナトスに満ちた世界観で既に国内外で高い評価を得ているが、今回のアザービジュアルではじっと公園を見下ろす矢添に焦点が当てられ、開放的な空間でありながらどこか閉塞的で淫靡な2人の関係を匂わせる濃密な空気を捉えている。「風、空気、ブランコの音が聞こえてきそう。」と荒井監督も大絶賛の写真となった。
併せて解禁された場面写真も野村佐紀子の撮影によるもの。女性を愛することを恐れながらも求めてしまう――布団の上に座り女の影に照らされる矢添、奇妙な関係性を映し出す矢添と紀子の2人、そして、公園で一人ブランコに乗る娼婦・千枝子…矢添のこじらせた繊細な心情とそれぞれ掴み切れない女性たちの姿を写した。
また、クラシカルな郵便ポストと紀子のファッションから、舞台となる1969年当時の風俗を思わせる1枚も。さらには、憂いの表情に煙草を燻らせる矢添のカットは、同じ作家という職業も相まって、“モテ男”の証言があるほど色男だったという原作者の吉行淳之介をどこか連想させ、綾野もこれまでに見せたことがない“男の色気”を醸し出す。
時代の空気や質感をスクリーンに転写したいという荒井監督の意図から全編モノクロで撮影されている本編同様、モノクロの世界を映し出す野村佐紀子の写真は、本作の魅力を際立たせる。
そして、1969年という日本の激動期を背景に一人の男の私的な物語を映し出す温故知新を感じるこの滋味深き日本映画、クラシカルな世界に新しさが見える<R18>の異色作「星と月は天の穴」は、2025年、映画ファン必見の一作となっている。
『星と月は天の穴』は2025年12月19日(金)よりテアトル新宿ほか全国で公開
脚本・監督:荒井晴彦
出演:綾野剛
 咲耶、岬あかり、吉岡睦雄 MINAMO 原一男/柄本佑/宮下順子、田中麗奈
配給:ハピネットファントム・スタジオ
© 2025「星と月は天の穴」製作委員会












 
