『君の顔では泣けない』の大ヒット祈願！公開直前トークイベントが11月10日（月）に都内で行われ、芳根京子、髙橋海人が登壇した。

物語の始まりは、高校1年生の夏。プールに一緒に落ちたことがきっかけで、心と体が入れ替わってしまった坂平陸と水村まなみ。これは何かの間違い、と元に戻ることを信じその方法を模索し奔走する。しかし、誰にも言えない秘密を抱えた陸とまなみは、15年経っても元には戻らなかった。人生の転機を入れ替わったまま経験していくふたり。しかし30歳の夏、まなみは「元に戻る方法がわかったかも」と陸に告げる。主演は芳根京子。入れ替わったことをなかなか受け入れられないまま馴染めず、不器用でありながらも誠実に生きようとする主人公・坂平陸を、揺れ動く衝動と痛みをもって演じ切った。そして、陸と入れ替わってしまう水村まなみ役には髙橋海人。心に【まなみ＝女性】である本音を隠し、うまく【陸＝男性】として気丈にふるまう難しい役どころを、柔らかな眼差しと感情で体現した。監督は『決戦は日曜日』（2022）の坂下雄一郎。リアルとフィクションの境を繊細に編み、入れ替わったまま大人になっていくふたりの時間を切なく、そして瑞々しく描き出している。

本作で描かれる2人の“共闘関係”については「陸とまなみも全力で生きていることがベースにあって」と話す芳根は「陸はそこに不器用でがむしゃらで。まなみと対にあればいいなと。全力で生きるみたいなものは芳根自身も日々そうやって生きているのかなと思えた」と語り、「同じ“苦しい”を分かち合えてる。生き方が似ているのかもなと思える瞬間が何度かありました」と振り返った。

また、「お互い正義があってそれぞれの価値観があって。だからすごい苦しかったし、何度もごめんと思った。そんな顔をさせたくないんだよと思いながら」と難しい感情を抱えていたという芳根だが「一歩引いちゃうと自分がブレちゃう」といい、髙橋は「まなみと陸を逆にしてやってみようとリハでやって。自分だったら陸をこうやるのか、それを芳根ちゃんはこうやるんだねと。現場でもそういう表情をするんだ」とお互いを理解していったことを明かした。

さらに、芳根は「今年の頭にスタジオで別の作品の撮影をしているときにばったり廊下でお会いしたと時、その時も（髙橋が）すごく戦ってたみたいで、私を見て『もうひとりの俺！』って近づいてきたんですけど、『もう違う人生だよ、がんばったね』って（笑）それくらい戦った作品になりました」とエピソードを披露した。髙橋も「共闘という言葉がふさわしい。抱えていた感情は一緒だったなと感じます」と笑顔を見せた。

【写真・文／編集部】

『君の顔では泣けない』は2025年11月14日（金）より全国で公開
監督・脚本：坂下雄一郎
出演：芳根京子、髙橋海人
　西川愛莉、武市尚士
　中沢元紀、林裕太／石川瑠華、前野朋哉／前原滉、ふせえり
　大塚寧々、赤堀雅秋、片岡礼子、山中崇
配給：ハピネットファントム・スタジオ
©2025「君の顔では泣けない」製作委員会